たのしみにしがみついて
楽しいことがその先にあるのは多いに結構なのだが、その楽しみが一個一個潰されていく(潰していく)悲しみの方が多いので、結局悲しい気持ちになってしまう。
自分が歳を重ねた結果、楽しみの希少性が高まってしまった。
すごく楽しみにしていたテレビゲームも、旅行も、ライブコンサートも
「あれ楽しかったな」「これ良かったな」と後ろを振り返ってつぶやきながら歩いている。
昔110円(税込)で売られていた"楽しみ”が、今じゃ1200円(税抜)で流通している。
不変でいるというのは本当に難しい。
いつも通りでいるのは本当に難しい。
昔好きだった人に「あなたといると自分の弱いところばかり見えるから、一緒にいるのが辛い」と言われたことが本当に悲しい。
振り返っても楽しいことばかりじゃない。
けど、終わらせる気も毛頭ない。
"楽しいことばかりじゃないこと"も"楽しい"と感じているから。
普段は絶対に頼まない麻婆豆腐を頼んでみる。
唐辛子と山椒の味が口いっぱいに広がり、一口で十分な気持ちになる。
いつも通りでいるのは本当に難しい。
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