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『宋家の三姉妹』 中国映画 鑑賞記録

私事ですが、本記事含めあと3週で note の連続投稿が100週になります! 最初は30週で打ち止めと思ったのですが、ズルズルと60週続き。ここまで来たらできるところまで、となんだかんだで97週まで来ました。(最初の頃は週に複数記事を書いてたので記事数はもっと多い) 期間にすると約2年ですね。

ところが週末から夏休みの渡航予定でして、諸々、時間調整に苦慮しております 涙。せっかくなので何とか達成すべく頑張っておりますが、こんな事情で若干走り書きっぽくなってしまうことをお許しください。

さて前置きが長くなりましたが、今回はWOWOW放送の録画後かなり寝かせていたこちらの映画を。この春の推し 王一博 主演映画『無名』とも、ドラマ『追風者』とも時代背景が被っており、登場人物も重複していて興味津々で鑑賞した次第。同じく彼が主演しているオムニバスドラマ『理想の輝き』(第28編 抉择)とも関連部分があります。はい、推しにグッと寄った動機ですね(笑)

そんな訳で始めたいと思います!

※ 本作は権利関係が難しそうなので画像の使用は控えておきます。トップ画像ももちろん無関係です。近所で撮影したかわいい実(何だろう?)の写真(笑)




邦題 宋家の三姉妹
原題 宋家皇朝 The Soong Sisters
制作 1997年 日本・中国合作
国内劇場公開 1998年11月28日
145分



ひとりは金を愛し、ひとりは権力を愛し、ひとりは国を愛した

後にそう語られることになる三姉妹は、20世紀前半、中国でも有数の名家に生まれアメリカで教育を受けた後、それぞれ国を動かす人物と結婚する。宋家の長女 靄齢ミシェール・ヨー 演)、次女 慶齢マギー・チャン 演)、三女 美齢ヴィヴィアン・ウー 演)だ。

靄齢は財閥の孔祥熙と、慶齢は革命家の孫文と、美齢は蔣介石と結婚する。孫文の死後、慶齢は蔣介石と対立し、美齢との仲にも亀裂が生じるようになる。だがその後も宣教師の父の元で育った三姉妹は、生涯を通じて戦地の慰問や社会貢献活動に勤しむ。

靄齢のお相手は不勉強で存じ上げなかったが、孫文や蒋介石といえばまさに歴史の教科書の重要人物。三姉妹の写真を拝見すると皆さんそろって美人で映画の題材としてうってつけだ。

キャストもゴージャス。ミシェル・ヨーはいわずと知れたオスカー女優(2023年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)。
何度も観た大好きな『グリーン・デスティニー』が印象深い。
マギー・チャンも香港のみならず中華圏を代表する女優。最近はスクリーンから遠ざかっているが、個人的にはトニ・レオンとの『花様年華』が光ってるなー。
『ラスト・エンペラー』のヴィヴィアン・ウーは最近ではドラマ『如懿伝』 の皇太后役が記憶に新しい。

三姉妹の波乱万丈な人生を追う形で、中国の近代史が絵巻物のように描かれていく。


歴史、そして推し周辺のトピック

中国の清朝末期からの歴史をざっくりおさらいできるようなストーリー。もちろん歴史的な要点のみだけれど。何しろ結婚相手が中国史上の重要人物なので、国を動かしていた人々を裏側から眺めるような流れが楽しめた。

冒頭でも触れた 王一博の最新ドラマ『追風者』は主人公が勤務する中央銀行の関連で 三姉妹の兄弟である 宋子文が登場(電話の声のみ)する。それだけではなく、靄齢と思しき人物大姐として会話に登場する(株価を操作して巨額の利益を得る悪者として、だが)。
当然 本映画では主役の一人なのでそこまで悪くは描かれないが、「金を愛し」たと言われるように金銭に執着した一面はあったのかと想像する。

また『理想の輝き』(第28編 抉择)の主要舞台である黄埔軍官学校は 美齢の夫 蔣介石が 孫文から託された軍事学校。エリート校だ。『追風者』に登場する人物の出身校としても頻繁に登場する。

そして今春話題となった『無名』(中国映画としては異例の前売りを記録した大ヒット作といってよいだろう)は、時代背景が重なっているので、両作ともに鑑賞したことで理解が深まってよかった。描かれる範囲は本作の方が大分長い。



当たり前のことだけれど…

歴史は人間が作っているのだなと思った。自国のことではないから余計にそう感じたのかもしれない。教科書に記載された活字や映像作品で知っている歴史的な事実の裏で、それを動かしている人達。それが姉妹だったり、義理の兄弟だったりするわけで、そこには血の通った人間の生活がある。演じる俳優もよく見る方たちであることも手伝って、なんだか歴史がとてもリアルに感じられた

ただ、その渦中にいる人達は果たして幸せだったのだろうか?とも思った。確かに権力や財力はあっただろう。が、自分自身が政治家ではないのに国の命運を左右するような事柄に関与するのは、どんな気持ちなのだろうか。達成感や遣り甲斐はあるのかだろうか? そんなことを感じた映画だった。

美齢は2003年没だそうだ。わりと最近まで生きていたのね。まさに生きる歴史。
慶齢は晩年に中華人民共和国名誉主席の称号をあたえられたという。さすが「国を愛した」といわれるだけのことはある。

三人三様、数奇な運命を生きた女性たちの波乱万丈な、見応えある映画だった。





正直なところ、深く感動するまでではなかったです。描かれる歴史が重すぎるのか、長すぎるのか…。が物語としては面白かった。そしていつも感じるのは、この時代の中国と日本の関係性の微妙さ。安易に語れない難しさに苦慮してしまいます…

今回も拙い文章をお読みいただきありがとうございました!


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