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好きだから...運動神経が抜群に不足している私が、アルゼンチンタンゴを踊る話

物心つく前から運動神経は抜群に悪かったという私。何もない場所でよく転ぶし、運動会のかけっこは全身の筋肉に力を入れて全力で走っても、ビリに近い。
(最近知ったことですが、そういう走り方は逆に身体のバネを活かせなくて、速く走れないそうです。)

水泳を習っても進級試験にはなかなか合格できないまま、苦手のクロールは15mほど泳ぐと水面に浮上するのが難しくなり、アップアップする。こんなに全身に力を入れて懸命に泳いでいるのに、なぜ沈むのか。
(全身に力入れまくりの泳ぎ方では沈む一方ということを、最近、34歳にしてようやく知りました。)

スキーもローラーブレードも、一生懸命力を入れてバランスとるもむなしく、転び方だけ上達していく一方。
スキーのリフトに並ぶだけのはずが、ブレーキが利かずにリフト小屋に突っ込み、中から出てきたスキー場のスタッフに両脇下抱えられて、雪の中から引っ張り出してもらう始末。
(しつこいですが、全身かちこちに力入れてしまっては、逆にバランス取りづらいということに最近気づきました。)

優美に踊ることを夢見て始めたバレエは、トーシューズ履けるようになるまで頑張ったけれど、どうにも全身が強張った風にしか踊れず、断念。
発表会を見にきた母曰く、「他の人が白鳥を踊る中、アヒルが一羽いる」とのこと。

大学の体育でダンスの授業が丸々1学期あって、ヒップホップとやらに挑戦しても、鏡の中の自分はどう見ても上半身と下半身がチグハグな動きで、自然に見えない。
期末試験はグループ組んで一曲踊らなきゃいけない中、誰からも組むお誘いを受けなかった者同士でグループを組むことに。
そんな私たちの動き方に近いゾンビが登場するというので、マイケル・ジャクソンのスリラーという曲を選び、誰もマイケルのパートを担当することがないまま、ゾンビの動きだけで丸々一曲踊り倒す。
(しかも、スリラーのゾンビのようにリズミカルに踊れないので、踊りやすいパートだけ抜き出して、チグハグに組み合わせるという有り様でした...)

踊れるようになりたい...だって、好きだから。

普通に歩く時すら、同じ側の手足が同時に前後に動いていても気づかないくらい、それくらい身体の自然な動きに疎い私ですが、30歳過ぎてからアルゼンチンタンゴに出会い、抜群に悪い運動神経に懲りずに習い始めてからもうすぐ3年。

意外にも、「上達速いね」と言ってもらえています。
ただ、皆が知らないのは、私が頻繁にレッスンやプラクティカ(たまにミロンガ)に通う以外に、家でも鏡の前でじっくり自分の身体を研究しては先生が教えてくれたことを繰り返し吟味し、普段の外出でも訓練のために爪先立ちで信号待ちしてみたり、とにかく暇さえあれば1人でも練習ばかりしているということ。

小さい頃から運動神経が良くないのは重々承知しているので(ここで書いているもの以外にも、運動神経悪いエピソードはまだまだあります)、そっちの才能がないなら、人より時間かけて努力する覚悟をもって、習い始めました。

人並みにやって出来ないなら、人の倍練習すればいい。普通にやってできないのは、私の場合、それが普通だから。
それに、好きなことだから、お気に入りの音楽でプレイリストを作ってかけて、繰り返し練習するのも全然苦じゃない。

好きこそものの上手なれというのか、塵が積もって山となったのか、30数年生きてきた人生でようやく、身体を使うことに関して認めてもらえるようになってきました。
小さい頃から踊ることに対して憧れがあっただけに、めちゃくちゃ嬉しい。

ごくたまに「才能あるね」と言われると逆にムッとするのは、才能で上手くなっている訳じゃないから。
「頑張ってるね」と言われたい。

好きだから、上手くなりたいし、才能なくても人より頑張れば、上手くなれる。

こんな風に運動神経悪くても、アルゼンチンタンゴは踊れるようになります。好きだなと思ったら、迷わず始めて大丈夫です。
情熱はきっと、何よりも大事。

#アルゼンチンタンゴ #運動神経 #情熱 #好きこそものの上手なれ


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