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無職日記#8 夢の中のかき氷


2024年7月30日。
この日もいつにも増して暑かった。

見事なくらいの晴れ模様で、旅人としては嬉しいはずなのだが
記録的な猛暑に胃は完全に参っていて、正直なところ食欲がなかった。


午前中は尾道を少し散歩して、遅めの出発。
尾道から鞆の浦は電車とバスを乗り継いで約1時間半。
着くのは13時頃を予定していた。




バスが鞆の浦港に着く。
飲み物を持っていなかったので、喉が渇いていた。ああ、水分持ってくるの忘れたな、と今更思いつつ、お店を調べて、いい感じのところを見つけたので、歩き出す。

暑さも相まって、人が全然いなかった。
工事現場のおじさん達が働く横を通りながら、「暑い中ご苦労様です」と心の中でつぶやく。

お目当てのお店は高台の上


カラカラと入口の引き戸を開けると、奥からお姉さんがやってきた。
「すみません、食事はかき氷だけなのですがいいですか?」

当初から飲み物だけの予定だったので、「問題ないですよ」と答えて早速中に。タイミングも良かったのか、私と1組の家族だけだった。


冷たい飲み物をサクッと飲んで町に繰り出そうと思っていたけれど、
かき氷か、いいかも。

メニューを見ると「レモンミルク」の文字。
瀬戸内海に来たんだしな、と妙な観光気分を持ち出してレモンミルクを注文してみた。


しばらくすると運ばれてきた私のかき氷は、理想そのものだった。
ひんやりした器に、これでもかと入った氷。そしてたっぷりかかったシロップも完璧。(アイスはトッピング)


レモンの輪切りもまたいい。


食欲のない胃も氷は受け付けるようで、パクパク食べてしまった。
無我夢中で食べていたので気づかなかったが、家族連れもいなくなっていて、お店の中は私一人ぽっちだった。

広い店内で一人きり、そんな状況が意外と好きで、私はのんびりとウロウロ歩き回る。高台にあるお店からは、鞆の浦の美しい景色がよく見えた。


夢の中みたいだと思った。


かき氷を食べて元気が出てきたので町に颯爽と繰り出す。



福禅寺の対潮楼


ふいに見つけたいい窓辺



夕陽を見たかったが、どうにも暑さが辛く泣く泣く断念。
またここに来る理由にもなるし、なんて思いながら帰りのバスに乗り込んだ。



帰り道は相変わらずのんびりした時間が漂っていて
今日の1日は、全て夢の中のような気さえした。


黄色い電車が可愛かった






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