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(すき間時間で読んで紹介)「イノベーションへの解」

図書館で再開したこちらの本

※ 本記事はAmazonアソシエイトに参加しています

図書館へは(ほぼ)毎週行けるのですが30分しか時間が取れないため、30分で1章ずつ頑張って読んで主旨をまとめてきて、伝えよう!!!というコーナーです(笑)


第1章 成長という至上命令

金融市場は成長せよ、ますます速く成長し続けよ、と経営者を容赦なくあおり立てる。この至上命令を全うすることは、果たして可能なのか。投資家の成長要求を満たす見込みのあるイノベーションを推進すれば、逆に投資家には受け入れがたいリスクを負うことにならないのか。このジレンマの打開策はあるのか。

クリステンセン他、「イノベーションへの解」より

こんなリードで始めて

  • 成長するために投資したネット関係の事業がことごとく失敗、身売りに至ったAT&T

  • 成長が望めない主柱事業に代わる新たな成長領域を探して新規事業に投資したがうまく行かず株価低迷、主柱事業に戻して株価は戻したが問題は残ったままのカボット(タイヤ用のカーボンブラックのメーカー)

の事例を紹介。

その後、
一旦成長が止まって成長率がGNP以下に失速した企業がその後GNP+1%以上の成長に戻せる企業はわずか4%、失速した瞬間に7割の企業が時価総額の半分以上を失う、
という残酷なデータが紹介されています。

イノベーションについてよく言われる説を紹介。「人の資質による」は歴史的な事実から違うはずだ、「イノベーションの成否に法則はない」ことはないはずだ、と。

続いて本書の言いたいこと、
成功した起業家は「直感」だと言われることが多いが、そこには経験であったり良い指導者から得たりした理論があるはず、これをクリアにすることで企業の成長、イノベーションは再現できるはず
と伝えています。

感想

「イノベーション」を科学的に見た話って考えてみたら少ないな~そこに目をつけたクリステンセン先生はすごいな、と思いました。20年前の本でさすがに例は古いが、普遍的に成り立つ内容なのかどうか?第2章以降でどうなるか?

第2章 最強の競合企業を打ち負かす方法

闘いに先立ち、競合企業を打ち負かせるかどうかを知る方法はあるのか、なぜ破壊的戦略を実行すると、強力な既存企業が新規参入者の攻撃に対抗せず、必ず逃走するように仕向けられるのか。事業案をそのような破壊的戦略として形成するには、どうすればいいのか。イノベーションによる成長競争の勝者を、本当に予測できるのだろうか。確実に勝てる競争を自分で選ぶことができたらどうだろうか。どの成長戦略が成功し、どれが失敗するかを事前に予測できたら、良くはないだろうか。

クリステンセン他、「イノベーションへの解」より

第2章の主な内容は破壊的イノベーションのおさらいであり、既刊「イノベーションのジレンマ」の概略となっています。

まず、持続的イノベーションと破壊的イノベーションを分けて、持続的イノベーションは既存企業がハイエンドユーザー向けに機能を強化するもの、破壊的イノベーションはローエンドユーザー向けに価値を作り直すものとしています。
鉄鋼の高炉メーカーに対する電炉メーカーを例に、電炉メーカーは製造コストの安さでローエンド市場から高炉メーカーの領域に1つずつ侵食すること、高炉メーカーが去った後のローエンド市場では電炉メーカー同士の価格競争が始まるため電炉メーカーは次のローエンド市場に向かい始めること、を述べています。

次に「破壊」には2種類あると述べており、先述したローエンド型破壊のほかにこれまで製品と縁がなかった層に(例えば価格で)アプローチする新市場型破壊がある、としています。

最後に、破壊的イノベーションはローエンド型破壊か新市場型破壊のいずれかを満たしていないといけない、として、当時黎明期だったインターネットバンキング、インターネット専業銀行は既存の銀行に対して破壊的イノベーションとなるかを論じていますが・・・

感想

あれ?ブルーオーシャン戦略とつながっている?「価値を作り直す」「顧客を定義しなおす」といったところが近いと感じました。
インターネット専業銀行の話、破壊的イノベーションにならないというのが本の結論でしたが、結果は・・・どちらとも取れそうですが、個人的には「破壊的」に見えます。正確な評価がキーかな?と思いました。第3章以降に期待です。

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