春の夕暮れ
一年経っても覚えていられなかった夢
いったい何をしたかったのかさえはっきりわからない
ただ「もういくんだ」と告げて
君の涙がいつも聞こえていたような
取り巻く環境は変わり
暮らしは変わらずに 心も変わらずに
綺麗事では終われない現実に当たっても
乗り越える強さを身に付けた
「あなたの生活が破綻しないようにそのストレスを乗り越える必要がある」
もう何度も夏は過ぎ
暮らしは変わらずに 懐かしく思い出す人たちも変わらずに
もう会えないかもしれない
この街に来て幾度目かの春に当たり
公園のベンチで落ちていく夕日をひとり見送っていた
東風を呼び込む雨
君と雨のなかを歩いてみたかった
どこで会えるかもわからない
期待をやめて 戦うこともやめた
優しさを忘れないでと君の声を滲ませる
春の夕暮れ