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【第2弾】心拍数の活用〜毎日のコンディション管理として何ができるか?〜
みなさんこんにちは。
前回から
「毎日のコンディション管理として何ができるか?」をテーマに具体的な方法に関して考えていこう!ということで、第2弾は、、
「心拍数」
です!
⬇️前回の「体温」に関する記事はこちらからご覧になれます!
⭐️心拍数とは?
そもそも「心拍数」って皆さんよく聞くと思いますが、定義としてはどのようなものなのでしょうか?
脈拍とは1分間に生じる心臓の興奮により血液が末梢に送られるときに生じる脈拍の触れを計数したものである。心拍数は、1分間における心臓の電気的興奮の数であるが、基本的には脈拍数と同数になる。しかし、期外収縮など異常な心臓の電気的な活動の場合は一致しない。
一般的にみなさんが良く言う「心拍数」は厳密にいえば「脈拍数」ではありますが、
つまりは1分間あたりに心臓が全身に血液を送り出す回数を示しています。
そしてこの心拍数と、1回拍出量(心臓が一回当たりあたりに送り出せる血流量)を掛け合わせたものを心拍出量と呼びます。
1回拍出量 × 心拍数 = 心拍出量
心拍数も1回拍出量もある程度までは上昇していきますが、一定の運動強度からは1回拍出量が頭打ちになるため、そこからは「心拍数」の上昇によって賄われていきます。
例えば、運動を行うときや緊張しているとき心拍数がめっちゃ上がりますよね。この時はつまり心拍出量を上げなければいけない状況のため、心拍数が上がっていくという訳です。
⭐️運動強度を算出してみよう!
ではこの心拍出量の上昇に貢献している心拍数はどのくらい上がるものなのか?
ヒトには「最大心拍数」というものが存在しており、生理学的な限界として設定されています。この最大心拍数は、もちろん個人差はありますが比較的簡単な計算式により算出することができます。
ずばり 220ー年齢
これだけです。
ざっくり人の心拍数を予測するときにこの引き算の式一つ覚えておくだけでも使えます。便利ですよね。
最大心拍数がわかればそれを100%として「運動強度」を算出していくことができます。
しかし、このままでは先ほどもお伝えした、「個人の差」というものを反映できていません。そこで、カルボーネン法というものを使用します。
これは先ほどの式に加えて、「安静時心拍数」を考慮したものになります。
安静時心拍数とは、座っていたり、横になったりして何もしていない状態での心拍数のことを示しており、60拍/分以下を徐脈、100拍/分以上を頻脈と定義されています。この数値はかなり個人差があります。
(詳しくは次の項で述べます。)
この点を考慮することで、より個別性のある正確な運動強度を算出することが可能になります。
具体的に式にすると、、
(220ー年齢ー安静時心拍数)×(運動強度%)
+安静時心拍数
この式によって個別性を考慮した最高心拍数に対する運動強度の割合を出せるため、実際の運動強度を推定したり、把握したりすることに活用することができます。
⭐️起床時心拍数は疲労のサイン
ここまで心拍数のそもそもについて簡単に説明してきましたが、
「なぜ日々のコンディショニングで使えるの?」
と思った人が多いと思います。
そこでキーポイントとなるのが、先ほども出てきた
「安静時心拍数」です。
これは立って歩いたり、食事を取ったりといった行動1つでかなり変動してしまうものなので、起床時にすぐ取るのが一番正確に計測できる可能性があります。そのためここでは「起床時心拍数」と記載したいと思います。
(もちろん研究などできちんと環境が整っていればその他のタイミングでも安静時心拍数を計測することは十分可能かと思います。)
起床時心拍数は、人によって個人差はありますが基本的には上記した60~100拍/分以下の間になります。
この数値で見えてくるのは主に2点です。
①心臓のキャパシティ
たまに安静時心拍数が30~50拍/分といったような徐脈に値する低い人がいます。
これは陸上長距離選手などに多くみられますが、簡単に言うと、、
持久力が高い人ほど安静時心拍数が低い可能性がある
ということです。
ある程度継続的に心拍数の測定を続けていると、平均的な心拍数が見えてくると思いますので、自分がどのくらいの安静時心拍数なのか確認してみてください。
ここが分かれば、先ほどのカルボーネン法での計算も精度が増してきます。
②疲労度合いの確認
個人的にはこの用途が一番継続的に追っていくことの重要な点だと思っています。
継続的に起床時心拍数を取っていると、
明らかに普段より高めになっている日だったり、数日~数週間、普段より高い値が続いたり
ということがあるかもしれません。
これは「疲労のサイン」の1つである可能性があります。
基本的に心拍数は交感神経と副交感神経という自律神経によって調節されています。
交感神経が優位 ➡心拍数が上がる
副交感神経が優位 ➡心拍数が下がる
簡単にはこのようなイメージです。
つまり、安静にしている時の心拍数が高いということは交感神経が過剰に働いてしまっている可能性があるということです。
交感神経が過剰に働いているということは、身体が休まっていないことを表している可能性があるため注意が必要です。
そしてこの状態が長く続いている場合は、オーバートレーニング症候群を疑うサインにもなるので、専門医の受診を検討する必要があります。
※心拍数が逆に普段より低すぎる状態が続くパターンも要注意です。
⭐️簡便で客観的な指標
心拍数が疲労の度合いを確認する一つの指標ということが分かったかと思いますが、この指標の良い点は
「特別な器具がなくても計測することができる」
というところです。
現代では大半の人が持っている、スマホあるいは時計があれば測定できます。
自分の身体に関する客観的な情報というのは、基本的に体重計や体温計などの計測機械が必要となる中、「簡便に計測できる客観的な指標」として心拍数は非常に貴重なツールになります。
デメリットとしては、馴染みがない分、起きてから心拍数を測定するというサイクルを作るのが大変という点が挙げられます。
僕は習慣化するために一時期、アラームのラベルを「心拍数」にするという方法を取っていた時期もありました(笑)
⭐️おまけ:測り方
最後にここまで色々書いてきましたが、
「肝心な測り方がわからない!」
という方も多いかと思うので簡単な方法を載せておきます⇩
◎橈骨動脈で測る。
場所:手首の手のひら側、親指側に示指・中指・薬指を寝かせて橈骨動脈にあてる。
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計測時間は1分間ですが、、
30秒を2倍
20秒を3倍
など時間を短くして行うと無理なく継続的に続けることができます。
みなさんまずは測り始めることからやっていきましょう!
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
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