見出し画像

変化のきっかけづくり ~今年度のキャリア関連セミナー登壇を振り返る~

2024年度はキャリアコンサルタントとして初めて社内のセミナーに登壇をしました。新入組合員向け、30代向け、40代向け、50代向けと、各世代に向けて一通りコンテンツをまとめ、提供することができました。ここで一旦振り返っておきたいと思います。

 *

 ◇組み立て
なるべくシンプルに、キャリアに馴染みの無い人々を想定して各世代に向けて以下のような建付けにしました。

 ・キャリアとは何か
・人生100年時代のキャリア自律
・〇〇代のあなたに求められるキャリア形成
(以上をキーノートとして、以降は資産形成の内容につないでゆきます。)

 言葉の共通理解から始めたのは良かったと思います。というのは、「キャリア」という言葉自体知らない人が相当数(半数くらい?)いたからです。聞いたことはある、という人でも、事後アンケートからは「普段考えることがなかった」という実情が垣間見られましたので、やはり知らないことを前提にスタートするのは正解でした。

 時間配分はもう少しメインのキャリア形成に配分をおけばよかったかな、と反省しています。どうやったら前半をもっと圧縮または削減してメインに向けてググっと興味関心を引き起こすことができるか、来年度に向けた課題です。

 
◇内容
キャリアに関する定義や理論を引きつつ、「各世代が直面すること、その時」に「どういうことに意識を向けて自分のキャリアを見つめればよいのか」のガイドラインとなるような内容を心掛けました。

 節目や転機、あるいは停滞など、自分の中に混乱や葛藤がおこるような状況になった時に、どのような視点や視野を持ち、状況を捉え、自ら進む道を選んでゆくのかを「自分で考えていいのです」ということをまず伝えたかったのです。

 長い会社生活においては、自分で考えることをやめてしまうか、考えないように抑圧する、といった行動が知らず知らずのうちに身に付いてしまうことがよくあります。人が自然に持っている惰性あるいは防衛機制の一種だと思いますが、それが行き過ぎるとやがて心を蝕みます。「自分で考える」ということについて自覚的になることは、自律的なキャリア形成を取り戻す第一歩です。例えば、人事考課制度の目的について問い直しをすることで、抑圧から解放される可能性があると考えます。

 と言いながらも、今年度は説明的な話が多かったかな、と反省しています。もっと参加者の方々の気持ちを揺り動かすような問いかけや、自分のニーズに気づくためのメリットを提示する必要があると考えています。

 
◇話し方・伝え方
会場の1人ひとりに語りかけるような気持で話をしました。パワポは投影用に使っていますが、資料の事前配布はメモとワークシートに絞り、なるべく私からの語りかけに集中してもらうことで、その人の思考が動くように意図しています。

 会場全体の様子、1人ひとりの様子に気を配ります。目線をおくったり、問いかけたり、パワポのページを送りながらで中々忙しいですが、時折参加者の誰かとつながる感覚がありました。つながれていない感覚もありました。そのような「今ここ」に集中して、語りかけ続けるようにしていました。

 来年度に向けては、「間」をもっと大事にしたいと考えています。内容を盛り込みすぎて自分が話すことにだけ注力してしまった場面も少なくなかったように思いましたので、もう少し「場」とのやりとりができるように自分の振る舞いをシフトする必要があります。

 
◇セミナーの効果/転移
事後アンケートでは、「セミナーを通じてキャリアについて考えてみようと思いましたか?」という質問項目を設けました。結果は…。

 「考えてみようと思った」割合
・30代向け 80%
・40代向け 70%
・50代向け 87%

どの世代もキャリアに関して何かしら抱えているものがあると思う中で、40代が相対的に低い理由は何だろう、と考えました。今回は40代でも40代後半の方々が参加したので(今後、年度毎に参加者年齢は若い方にシフトしてゆきます。)、内容について「キャリアについて知るのが遅かった」と捉えられてしまった可能性が高いのでは、と推測しています。

 「人生100年の時代で、いつからでもキャリアについて考えるのに遅いということは無い。」ということと、「可能な限り、早くからキャリアについて考え始めてほしい。」ということの矛盾を、伝えるうえで上手く扱えていなかったかもしれません。来年度に向けて工夫を考えます。


◇キャッチフレーズ
各コンテンツのタイトルが堅すぎた…。参加者のみなさんが職場に戻っても、ふと口にできるようなものを用意すればよかった、と思っています。セミナーを受けた人の共通言語になるような、「刺さる」やつを来年度は工夫しようと思います。無理にポジティブさを散りばめようとは思いませんが、キャリア形成にともなう苦悩や混乱があっても、グッと前を向こうと思うような、思考が動き出すような…。

セミナー単体では参加者のみなさんの行動変容のきっかけとしては出来ることが限られます。セミナー後のフォローアップについて色々アイデアを巡らせています。ひとつは、今年から立ち上げたキャリア相談機能の利用推奨が考えられます。もうひとつは、少人数のワークショップの開催です。配信でもやったら?とも言われましたが、どうしたものか…。全部楽しそうなのでやりたくなってしまいますが、地に足をつけて来年度に向かってゆきます。

 今回は、変化のきっかけづくり、についてお話しました。私は会社勤め(企業内図書館/企業内キャリアコンサルタント)との複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!