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孤独について
だいぶむかーしに、
好きで何度も読み返した本です。
リンドバーグ夫人の「海からの贈物」
貝の名前が章についていて、
その中でも「つめた貝」の章がいちばん好きです。
久しぶりに読み返してみましたが、
ああ、やっぱりいい・・・
皆さん読んだことある方も多いかと思いますが、
私が一番すきな箇所を少しだけ・・・
我々は結局は、皆孤独なのである。そしてこの孤独という我々の基本的な状態は、我々がいやだからと言ってどうすることもできるものではない。リルケが言っている通り、それは「我々に取捨の自由が許されているものではなくて、我々は実際に、孤独なのである。我々は我々自身をごまかして、それがそうではないように振舞うことはできる。しかしそれだけであって、それよりも我々が孤独であることを自覚し、自覚しないまでも、そうであると仮定することから始めるほうがどんなにいいだろうか。勿論」と彼はこれに続けて言っている。「我々はそう思うだけで眩いがしてくる」
と、ここまではほとんどリルケさんが言っていたことで、このあとに続いて、
勿論、誰も自分が孤独であると考えたくはない。なんとでもしてそう考えることを避けようとするので、それは人に嫌われているとか、仲間外れにされているということと同じに思われる。(中略)昔の女のように一人で空想に耽るほうが、まだしもこれよりは独創的なものを持っていた。それは少なくとも、自分でやらなければならないことで、そしてそれは自分の内的な生活を豊かにした。しかし今日では、私たちは私たちの孤独の世界に自分の夢の花を咲かせる代りに、そこを絶え間ない音楽やお喋りで埋めて、そして我々はそれを聞いてさえもいない。それはただそこにあって、空間を満たしているだけなのである。この騒音が止んでも、それに代わって聞こえてくる内的な音楽というものがなくて、私たちは今日、一人でいることをもう一度初めから覚え直さなければならないのである。
しみじみと、そうだなぁ、そうだよなぁ、その通りだなぁ、と思いつつも、思ったそのあとにすぐにアマゾンミュージックで検索したり、「アレクサー、〇〇をかけてー」とアレクサに曲をかけてもらっている自分がいる。
静寂が怖いのだ。
ところで、今年色々な曲を好きになったけど、一番聞いたのはこれでした。
でもここ一週間、鬼リピートで聞いたのは
というわけで、まだまだリンドバーグ夫人さんが言っていたような、孤独というものに、とうてい慣れない私でした。