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拡張プレートシステムを作った話
この記事はキーボード #1 Advent Calendar 2021の6日目の記事です。 昨日はいとうひよこさんの「【アドカレ】自作キーボード2021【まとめ】」でした。
過去のアドカレ
2019 Claw44を作った話
2020 Gravity Keycapsを作った話
今年作ったもの
3月 半自動ねじカウンター開発
5月 wings42販売開始
5月 ロート付きねじカウンター販売開始
8月 Daily Craft Keyboardオープン
8月 owl8販売開始
9月 sandbox keyboard販売開始
12月 stickey4販売開始予定
振り返ってみるとまあまあ進捗できてる気がします。
年始あたりは3Dプリンタや電子工作で遊んでいたようです。
さて、本題に進んでみます。
wings42を作り始めた
ずっとbat43を完全体にしたいと思っているのですが、どうにも手がつかず大脱線をしていました。bat43の後にbat43tbという真ん中にトラックボールがついているモデルを販売したのですが、トラックボールの使い心地に納得いかず、そのまま放置してしまいました。(主にトラックボールまでの距離と、クリックの扱い)その他にも製造上の問題などもあり、解決しなきゃいけない問題が多くなり、手が遠のいていくように・・
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このままでは良くないと、新規でキーボードを作ることにしました。bat43は一体型でコンパクトで扱いやすいのですが、分割型のような肩の開放感はありません。それもあり、bat43ベースの分割を作りたいと思っていたので、こっちを先に作って、その知見で再度bat43を設計し直そうという計画しました。
拡張プレートの構想
lixsさんがlunchbox v2で、Pro Microプレートのスペーサー経由でキースイッチを使っていて、これは良いアイディアだと思っていました。
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トラックボールみたいなデバイスを使うための自由度を上げて、Pro Microプレート上に色々な拡張パーツを載せ替えられると良いなと思い設計を開始。
初期の構想では
・キースイッチ
・ロータリーエンコーダ
・BMP用バッテリー
・トラックボールケース
を載せられるように考えました。
ベータ版の配線
Pro Microプレートをしっかり固定するのと、配線の本数を確保するためにスペーサーを4本使うことにしました。しかし、4本だと上記を同時にまかなえるだけの配線ができません。色々とあさっていると、6mmコンスルーを秋月電子で発見!何故かピンポイントで6mmを取り扱ってくれている。Pro Microプレートを支えるスペーサーの高さも6mmがほぼ最小値なので、スペーサーと高さを合わせて使うことにします。ひとまずVCCとGNDと余っているピン4本をこちらにアサインして取り扱うようにしました。
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正式版での改良
ベータの配線でも動くので良いのですが、電源系が気軽に触れるスペーサの位置にあるのと、ピンが有効活用できてなくて、ファームウェアの設定がやっかいな形になってしまったので、苦渋を飲んで仕様変更することにしました。(ベータ購入の方は本当にすいません!)
変更点としては、
・BMPは独立させる
・スペーサーはキースイッチ的な機能としてマトリックスに組み込む
・6Pコンスルーに独自機能用のピンをアサインする
という感じです。
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これにより、プッシュ付きのロータリーエンコーダを2つ搭載して、プッシュもグリグリも両方動かせるようになりました。
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初期の対応プレート
そんなわけで、予定していたプレートを載せ替えられるようになりました。
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新デバイスの対応
キーボードに機能を組み込んでしまうと、そこで終わりなのですが、拡張プレートなので新しいデバイスへの対応もできてしまいます。
最近販売され話題になったCannonball、Handymanといったマクロパッドに謎のグリグリを発見!
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ロータリーエンコーダが大好きになっていた私はこれを使ってみたいと思いました。あまり情報のないデバイスだったのですが、有志の方の情報を参考に設計してみました。基本的にはロータリーエンコーダと同じなので、回路図はそのまま流用できました。
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こうして、キーボード本体を作り直すことなく、新しいデバイスが使える実例ができました。
設計情報の公開
まだデータがごちゃついているのですが、こちらのプレートに関するデータは公開しようと思っています。これらのデータを使って、自分用に位置を調整したプレートを作ったり、全く違うデバイスをくっつけてみたりすることができます!
自作キーボードのオンラインショップをやっています
キーボード好きが高じてショップを開くまでになってしまいました。
よかったら覗いてみてください!
この記事はwings42で書きました。