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高齢男性料理教室 寡黙なAさん(90代)が講師の私をかばってくれた思い出

このnoteでは「介護を遠ざける料理研究」を中心に書いています。

もうかれこれ15年以上前に「高齢男性向けの料理教室」で講師を務めた時期がありました。65歳以上、90代の方も参加してくださいました。コースだったので定期的に参加いただき毎回調理実習をするものでした。

昭和生まれの目上の方々なので正直、最初は軽くみられていたというか、「こういう若いやつに教わるのか?」みたいな感じでした。

が、回を重ねる中でしっかりと信頼関係が構築された感が私にはありました。最終回のアンケートでは「せっかく先生に沢山教わったのだから、これからうまいものを沢山作って家族に食べさせたい」など本当に嬉しいお声をいくつもいただきました。受講者さんは12名、誰一人欠けず最終回まで頑張って下さいました。私はひそかに「親愛なる24の瞳たちよ!」と思っていました。

中でもすごく覚えているエピソードがあります。
調理室は換気扇の音が大きく、講座開始時の説明では止めて、実習が始まってから入れるようにしていました。そんな中、ある日会場施設の担当者(推定、60代 女性 仮にB)がカメラを手にいきなり入ってきました。

「先生、この教室をお知らせに入れたいので撮影させていただきますね。あら、換気扇ルールなんだから回してください!」というので「皆さんが説明をききづらいので実習開始と同時に入れます」というと「ええ!ルールなんだから入れてくれないと困ります」とちょっと興奮気味に言い放ちました。

すると、毎回置物のように寡黙だったAさん(90代)が
「先生が調理中はちゃんと入れるって言ってんだろう!、うるせえんだばばあ!!」と怒鳴ったのです。

一同「しーーーん」となり、その後バツが悪そうに「絶対に入れて下さいよっ!」と言い捨ててBは出ていきました。

・Aさん、あんなに大きい声がでるんだ!という驚きと
・Aさんは私をかばってくれた!という感謝の気持ちで

24の瞳料理教室の思い出としてトップ3に入るエピソードとなったのでした。
料理を全くしたことが無い方が8割くらいだったのですが皆さん楽しそうに料理されていました。まさに輝く24の瞳でした。
※画像はあんみつ。この男性料理教室でもやりました。「家で何度も作った」という人が沢山おられて「男性のスイーツ好き」を実感したのでした。

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