組織を一つにする方法について【努力の仕方】
「そんなの常識でしょ」
最近、この言葉を耳にすることが多くなりました。
私が、「常識」という言葉を使わない理由を書きます。
社長の常識と部下の常識
社内でなにかトラブルが起こり、その対策などを話していると「そんなの常識でしょ!」と発言する人がいますよね。
この「常識」という言葉、明確なルールがあるのかな?
そんな疑問を持たれたことはありませんか?
私の常識と、これを読んでおられる貴方の常識は絶対にイコールではないのです。
例えば、何かクレームが発生したとします。
クレームの担当者は「こんな事はクレームのうちに入らない」と判断しました。
クレームを半ば放置状態にしておいたら、しばらくして、取引先から会社へクレームの電話が入ります。
会社がクレームを知ることとなり、そこから、クレーム対応が始まり、なんとかクレームは解決。
このクレームの詳細を聞くために社長は
「何故、私に報告をしなかったんだ?」と聞きます。
担当者は、「大したクレームではないと思ったので、報告しませんでした。」と答えます。
社長がそれを聞いて、「このようなクレームは報告するのが常識だ!」と言います。
ここに出てくる「常識」は絶対にイコールではないのです。
だから、問題が起こるのだと、気付くことが出来なければ、同じ事がまた繰り返されますよね。
社長は「会社の常識」を明文化すべきだと思いませんか?
私は、長らく「常識」という言葉を、会社員の時に聞いたことがありませんでした。
その会社は、京都市伏見区にある「安心ライフ」です。
安心ライフには、中川宏實社長が書かれた「会社の常識」を示したルールブックがあります。
この会社のルールブックは毎年4月に更新されます。
そして、その内容を社員全員で、同じ理解を進める為の勉強会も行われています。
このルールブックによって、「やるべきこと」と「やってはいかないこと」が決められているのです。
「一般的な常識」という曖昧な判断基準ではなく、「会社の常識」が決まっているのです。
私はフリーランスになって、このルールブックの重要性を改めて噛みしめています。
お客さまが誰なのかを明記する
「ルールブック」は、会社のベクトルを一つの方向に向かわせる効果があります。
組織が進むべき方向が定められ、動き出せば成果が上がってきます。
その手始めが、自分の会社の「お客さま」を正しく理解し、明記しなければなりません。
部署によってお客さまが異なることが多いと思います。
しかし、会社のお客さま>部署のお客さまですよね。
この理解と共有って、出来ているようで出来ていないのではありませんか?
クレーム対応の方法を明記する
社員それぞれに存在する「クレーム対応の常識」が存在していると、クレームは少なくなりません。
また、発生している全てのクレームが明るみになることもありません。
クレームとは、会社の改善ポイントを示す「宝もの」です。
読み替えれば「会社が飛躍する為のエネルギー」でもあります。
社長や幹部が全てのクレームを把握する仕組みつくりと、クレームを決済する方法を定めると、クレームは見えてきます。
会社が担当に行う「お叱り」とか「処分」なども公平になってきます。
「口が上手い社員は免れる」「声が大きい社員が免れる」「成績の良い社員が免れる」などは、あってはいけないと思います。
正しいルールを作れば、クレームは有益な「お客さまの声」に変わるはずなのです。