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美術展巡り(7) ポケモン×工芸展
こんばんは、いかフライです。
久しぶりのnote投稿になります。
11月が終わり、早くも12月に入るというタイミングで、年末を感じさせるようなテレビ番組も増えてきました。noteで新年の抱負を書いたのがつい最近のように思われ、1年の月日の流れの早さを感じます。
随時投稿をすることはできませんでしたが、今年も多くの美術展に足を運び、アートを楽しみました。「行って良かった!」と振り返って思う美術展がたくさんあったため、2024年に行って良かった美術館を別の記事でまとめたいと思います。
今回は「ポケモン×工芸展」の感想をまとめていきます。
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大人気展でも鑑賞しやすい展示空間
東京の麻布台ヒルズギャラリーで2024年11月1日(金)~2025年2月2日(日)まで開催している、「ポケモン×工芸展」に訪れました。
以前に一度、当日券の購入を試みて麻布台ヒルズギャラリーに立ち寄ったことがありましたが、人気の展覧会ということもあり当日券は完売、時間予約が基本でした。
大人気コンテンツのポケモンと、近年世の中の関心度が高い(と筆者が考える)アートの組み合わせはとても反響が大きいようです。
実際に予約制で入場をして、お客の入り具合がちょうど良いと感じました。
特に漫画やアニメーションが題材の展覧会は人が押し寄せて作品が鑑賞しにくいことも多いのですが、「ポケモン×工芸展」はきちんと人数を制限しているおかげで、鑑賞者が見やすい空間が作られていると感じました。
リバイバル展示会の人気
お客層は様々でしたが、比較的若い世代が多い印象を受けました。
筆者は20代で、ポケモンのゲームに夢中になった世代。ゲームをプレーしていた方には、シンオウ世代と言うと伝わるかと思います。(ダイヤモンド・パール世代)
ゲームやアニメでポケモンと親しんできた世代の方々が、「あのポケモンがいる!」と作品をじっくり覗き込んでいる姿が印象的でした。
他の展覧会の話になりますが、近年は「オシャレ魔女ラブandベリー展」など、23歳~27歳あたりの年齢の人が小さい頃に夢中になっていたコンテンツがリバイバルとして登場しています。
社会に出て働き始め、少しお金を貯めて自身の好きなことや教養のためにお金を使うようになった世代。自身の世代に合致しすぎて少々恥ずかしいですが、世の中の良いものを積極的に取り込もうとする世代であり、そんな世代に向けたプロモーションが多くなっていると感じます。(自身ではZ世代と言いたくありません。Zという響きは何か得体が知れないような、軽い印象を受けます。他の世代の方にとっても、世代の名称については様々ご意見があるかと思います…)
あまり触れる機会がない日本の工芸とポケモンのコラボは、若い世代にとって興味を惹かれる展覧会だと感じました。
特に印象に残った作品3点
「ポケモン×工芸展」で特に印象に残った作品 3点をご紹介します。
※写真撮影OKの美術展のため、美術展で撮影した写真に作者名と作品名を
記載して投稿させていただきます。
1、池田晃将 / 電光投擲捕獲箱(でんこうとうてきほかくばこ)
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テレビ番組などを見て、一番楽しみにしていた作家の作品。
きらきらと輝く数字や記号は、真珠を研いで加工したパーツを1枚1枚貼り、漆で接着されています。
工芸品としての美しさにも目を惹かれますが、「情報」というテーマで作品が作られているところがとても面白いと感じました。
ポケモンは、残念ながら現実世界には存在しない、電子世界の生き物。
ポケモンのゲームを通じて、初めてゲーム機に触って遊んだという方も多いのではないかと思います。
目には見えないけれど、とても身近な存在である電子の「情報」が、目に見える形で作品として表現されていて感動しました。
特に赤と白のデザインで有名なモンスターボールが、「電光投擲捕獲箱(でんこうとうてきほかくばこ)」として四角い工芸作品に生まれ変わっていて、とても驚きました。作品のタイトルも、「情報」の可視化にふさわしいタイトルでとてもセンスを感じます。
2、須藤玲子 / ピカチュウの森
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約900本の「ピカチュウレース」で構成された、テキスタイル作品。
連続したモチーフや模様が大好きな筆者は、同じパターンが連続しているレース作品にとても惹かれました。作品タイトルの通り、一見すると黄色い葉っぱがついた森のような作品ですが、レースをよく見るとかわいいピカチュウがデザインされています。
レースがライトに照らされていて黄色いレースが1本1本輝いており、展示会場でも目立つ作品でした。鑑賞者が森のトンネルを抜けてアート空間を体感できるところも、この作品の面白さだと感じます。
3、新實広記 / Vessel -TSURARA-
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3つ目はポケモンの技をテーマにした作品。
「つららおとし」という氷タイプのポケモンが使う技が、ガラスで表現されています。
ゲームで「つららおとし」が地面に落下する直前に、光の花々が開くエフェクトまでも表現された作品です。(※公式図録掲載)
技を表現するというテーマが面白いですが、ガラスのインスタレーション(空間芸術作品)としてとても美しく、開場内で一番多く写真を撮るほどお気に入りになりました。
ガラスを覗くと小さな泡が入っていて、物質であるガラスから氷の冷たさが感じられます。一見「ポケモンとどう関係しているの?」と感じるようなデザインとしてはシンプルな作品ですが、アート作品として美しく、目を引くインスタレーションでした。
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事前予約制で楽しみにしていた美術展でしたが、予想していた以上に面白く、心惹かれる美術展でした。
ご紹介できていない作品が多々あるため、ご興味がある方はぜひ美術展でお気に入りを見つけていただければと思います。
おまけ 美術展のグッズをご紹介
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「ポケモン×工芸展」のグッズショップには、入場チケットを提示して入ることができます。チケットを持っていない方は入場できないため、注意が必要です。
売り場にはポケモンセンターのBGMが流れていて、他のミュージアムショップとは違った雰囲気がありました。工芸展ということもあり、グッズは単価が少し高い印象を受けました。
迷った末に、公式図録と缶バッチ2個を購入。今回の記事は公式図録の内容も参考にさせていただきました。「ポケモン×工芸展」のマーク(ピカチュウとモンスターボールの絵)は、シックなデザインで身に付けたくなります。
少しでもこの記事が皆さまの美術展巡りの参考になれば、とても嬉しく思います。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました!