未来への緑の架け橋 〜次世代に繋ぐ豊かな森〜
日本は「森の国」と呼ばれるにふさわしい国です。何故なら、国土の約67%が森林だからです。
かつての日本では、この豊かな森林資源を活用し、動植物と調和した生活が営まれていました。人々は森を手入れし、薪や炭、肥料を作り、田畑を耕していたのです。
現代の「豊かさ」とは異なるかもしれませんが、大地と繋がり、生きる実感を伴う日々の生活。生きるために必要なものはすべて、森林が提供してくれる。これはまさに「本当の豊かさ」だったと言えるでしょう。
こうした環境の中で、人々は自然に神性を見出し、八百万の神々に感謝する文化が育まれてきました。
ところが、1955年頃の燃料革命と高度経済成長期に転機が訪れます。薪や炭、肥料の供給源であった森林は、新エネルギーの普及に伴い利用が減少し、次第に放置されていきました。
長期間手入れされなかった里山林は、老齢化や大径化が進み、現在では多くの問題を抱えています。この問題を解決するためには、伐採と再生が必要です。『萌芽更新法』がその代表的な手法です。
私は、地域の方々からの依頼を受け、放置された耕作地や広葉樹林を伐採し、萌芽更新法で再生することを目指したグループを立ち上げました。伐採した木材は薪や炭として活用し、販売も行います。
この活動で得られた収益の一部は、かつて動植物と共生していた里山林の再生を目指した植樹活動に充てます。
苗木が大きく育ち、豊かな環境が戻るまでには長い時間がかかります。私自身が生きている間に実現できるかは分かりません。
しかし、ネイティブ・アメリカンたちは「7世代先の子孫のために何ができるか」を常に考え、自然と調和しながら生き続けてきたといいます。
里山林は人々の生活において重要な役割を果たしています。木々は土砂災害を防ぎ、水源を涵養し、農村に豊かな恵みをもたらします。
私たちの森づくりの活動が、この国の未来を生きる人々への「活きた資産」となることを、心から願っています。
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