みかんの木の切り上げ剪定ガイド:適切な時期と方法で美味しいみかんを育てるコツ

以前、無肥料でも無農薬でも美味しいみかんを育てるために欠かせない作業として「切り上げ剪定」についてご紹介しましたが、

そもそも剪定はいつ行えばいいのでしょうか?

前回は無肥料でも無農薬でも美味しいみかんが育つ切り上げ剪定について紹介しましたが、意外と疑問に思われることが多いのが、剪定のタイミングや方法です。剪定のタイミング次第では、木を弱らせてしまったり、果実をつけるはずの新芽を切り落としてしまうことも考えられます。

そこで今回は、みかんの木の適切な剪定時期や注意点についてまとめます。

まずは前提知識として、強剪定と弱剪定についてお伝えさせてください。

強剪定と弱剪定とは

枯れ枝や小さな枝など、主に剪定ばさみで軽く剪定することを弱剪定、剪定ばさみに加えノコギリ、必要に応じてチェーンソーを使って太い枝なども切り落とすことを強剪定といいます。

では、本題に入ります。


剪定の時期

基本的に、弱剪定はあまり時期を考えず、作業時に気がついたら行いますが、強剪定は木に対する負担が大きいため、時期を考えて行う必要があります。強剪定の適期は1月〜3月頃までです。


弱剪定-枯れ枝を落として余分なアンモニアを抜く効果-

草刈りや摘果、収穫などの作業時には常に剪定ばさみをベルトにつけ、枯れ枝や邪魔になる枝を見かけたら適宜軽く剪定します。この際、枝の根元もしくは節のすぐ先から切るようにします。

注意点

  • 枝の途中の中途半端な位置で切らないようにする

  • 切りすぎ注意(枯れ枝や今後枯れそうな枝のみを切るぐらいのつもりで行うとよい)

必要な道具

  • 剪定ばさみ

  • ノコギリ(柄の部分が丸くなっているものがオススメ)

剪定ばさみは、丈夫で切れ味が鋭いものを選ぶと良いです。安すぎるものはすぐに壊れるのでNG。木の切り口も、鋭い刃物でスパッと切った方が傷の治りが早いです。

私はこちらを長年愛用しております。お手頃価格ですが、頼れます。


ノコギリは木工用ではなく、樹木の剪定に適した生木用が望ましいです。ベルトにかけられるサヤ付きのものが便利です。また、刃がダメになっても簡単に交換できるものを強くオススメします。

剪定を超効率的に進めてくれる3種の神器

  • トップハンドル型エンジンチェーンソー

  • 電動剪定ばさみ

  • 電動小型チェンソー

トップハンドル型エンジンチェンソー

少し値が張るかもしれませんが、チェンソーさえあれば1月〜3月の強剪定がものすごく捗ります。
雑木を切るのにも役に立つし、薪ストーブに使う薪の玉切りにも大活躍。田舎暮らしや山暮らしには必須級の道具です。
用途に応じてたくさんのサイズや種類がありますが、私はこちらを長年愛用しております。

大きすぎるサイズは疲れるので、片手で取り回しの利く小型のトップハンドルチェンソーが最高に使いやすいです。ユーザーが多いので修理対応も安心。

電動小型チェンソー

強剪定・弱剪定両方で使用します。あれば便利なアイテム。
ノコギリだと太いけれど、チェンソーだと細いサイズの枝を切るときに使います。電動式なのでリズムよく作業が出来て楽しいです。

電動剪定鋏

主に弱剪定に使用します。こちらは普通の剪定鋏を持っていれば絶対に必要というワケではありませんが、腱鞘炎予防・作業の効率化(時短)を狙うならばオススメです。親指ぐらいの太さの枝なら一瞬で切れるため、リズムよく剪定を進めたい方は是非お試しくださいませ。


強剪定-収穫で疲れた木を休ませる効果-

温州みかんの場合、12月いっぱいまでに収穫し、1月〜3月にかけて強剪定を行います。ノコギリや場合によってはチェーンソーを使って大胆に剪定しますが、切りすぎには注意が必要です。強剪定では、まず木についている葉の全体量を確認し、一度に落とす葉っぱの量は全体の10%〜20%程度にとどめるようにします。

注意点まとめ

• 枝の途中の中途半端な位置で切らないようにする。切るときは枝の根本から。えぐるように切ると傷口が自然に塞がる。
• 切りすぎに注意(葉っぱの量を見て、葉っぱを落としすぎないようにする。目安:10%〜20%程度まで)
• 強剪定の適期は1月〜3月(温州みかんの場合)


開花期と夏の剪定


原則、開花期や夏の剪定は避けるべきです。この時期に剪定を行うと、その年の実なりに悪影響を及ぼす可能性があります。熟練の農家さんでも、できる限り避ける方向で考えることが多いです。どうしても行う場合には、みかんの木の結果メカニズムについて熟知しておく必要があります。

ちなみに、みかんの開花期は4月中旬〜5月中旬頃です。ネロリ(ダイダイの花から精製できる精油)などを精製する際にはこの時期に花を摘みます。

【優先度順】切った方がいい枝(切り上げ剪定の場合)

  1. 枯れ枝

  2. 今後枯れそうな枝

  3. 下向きの枝

  4. 横向きの枝

切り上げ剪定の要点まとめ

  • 弱剪定は木の様子を見ながら少しずつ行う。時期はいつでも良い。

  • 枝の中途半端な位置で切らない

  • 切りすぎに注意する

  • 強剪定は1月〜3月に行う

  • 開花期や夏の剪定は基本的に避ける

以上、みかんの木の切り上げ剪定についてでした。無農薬や無肥料でみかんを育てる場合、特に剪定の良し悪しによって木の生命力が左右されます。家庭菜園でも本業でも、オーガニックなみかんを育てたい方はぜひ剪定を試してみてください。


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