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[昇進試験]ケーススタディ試験の評価基準と対策方法(ありがちな失敗も解説)

[お知らせ] 2024年2月12日
 この記事の内容も含めた完全版の記事を作成しました。回答サンプルも載ってます
 https://note.com/yerobu/n/nb8b2c81c8a66



こんにちは、私は昇進試験の解法についてまとめている者です。
添削サービスも提供しており、多くの方にご利用いただいております。

本noteでは私の添削してきた経験を踏まえて、ケーススタディ試験の概要と評価基準を解説した後に、実際にやりがちな失敗と対策方法について説明していきたいと思います。


1. ケーススタディ試験とは

ケーススタディ試験は、昇進試験の一形式であり、実務に関連する複雑なシナリオや状況(ケース)を提供し、受験者にそれに対する適切な解決策や意見を提供させる試験形式です。

受験者は与えられた情報を分析し、問題解決能力や専門知識、判断力、コミュニケーションスキルなどを駆使して、具体的な行動計画や提案をまとめることが求められます。

この試験形式は、受験者の現実的な業務遂行能力を評価するために用いられます。受験者のケースに対する分析力や論理的思考、問題解決のアプローチ、専門知識の適用、リーダーシップやチームワークの能力、コミュニケーションスキルなどが評価されます。また、時間管理やプレッシャー下での対応能力も見られることがあります。

実務に関連する複雑なシナリオや状況(ケース)に関しては以下のようなものになります。

・架空の職場の状況を題材に、試験受験者がその職場の登場人物になる。
・その題材ではストーリー形式でさまざまな問題が発生している。
・あなたはその登場人物として問題分析と課題解決を任される。


実際の例を以下に挙げます。
※これは非常にシンプルなケースです。実際にはもっと長いものの方がメジャーです。


1.1 実際の試験問題サンプル

[ケース]
 係長の田中さんは日々、担当業務の生産性向上を考え、業務に取り組んでいました。現在は新しい業務システムの導入において主要な役割を果たすメンバーとなっています。
 職場にはベテラン社員も在籍しており、その中でもサポート職の佐藤は通常業務の処理において、確かな手腕を持っていました。佐藤は、穏やかで誠実、真面目な印象を与える社員と評価されていました。
 ところが最近、これまでと異なるアプローチに頑なに受け入れようとしなくなりました。田中が新たな仕事を頼むと、佐藤は「了解しました」と答えるものの、最終的には何も行動しない姿勢を見せるようになりました。 佐藤は仲の良い同僚たちの間で不満を口にすることが増えてきました。彼の考えに賛同する同僚もいるようです。
 この状況は、田中にとって頭痛の種となっていました。 田中は最近、部門全体に影響を及ぼす特別プロジェクトのチームメンバーに任命されました。それゆえ、新しい業務システムの導入チームからは外れ、後任として佐藤に引き継ぎを行うよう上司から指示がありました。

[設問1]
係長の田中さんの立場から、現状の問題を洗い出して特定し、問題の原因を究明して記述してください。
[設問2] 
係長の田中さんの立場から、この問題にどのように取り組むべきか記述してください。

こういった架空の職場設定(ケース)において制限時間以内に設問を解く必要があります。


2. 試験の評価項目・評価方法は?

それでは、昇進試験のケーススタディ試験では、受験者は一体何を評価されるのか?また、どうやって評価されるのか?

本章ではそれらを解説します。

以下はNOMA総研のwebページより引用した表です。

表1. 昇進試験における評価項目と評価基準

また、これらの項目について以下のような説明があります。

評価項目の中心に「課題発見力」、「課題分析力」、「課題解決力」のコンセプチュアル・スキル(概念化能力)を据えております。
さらに加えて思考の柔軟性や論理性を「論理的思考力」として、課題に対する取り組み姿勢を「主体性」として評価します。特に主体性については、批評家・評論家的な視点にとどまっていないかを確認しています。

この評価基準の文だけでは分かりにくいかと思いますので、それぞれの項目について以下で解説します。


2.1 課題発見力

まず1つ目に、課題発見力について解説します。
課題発見力は以下のような記述です。

問題を構造的かつ本質的に的確に捉えて、課題として正当に認識しているか。

課題発見力が高い人は、記述された直接的な問題だけでなく、その背後やより高い視点で考えられる潜在的な問題や影響を認識します。

具体例がないとよく分からないと思いますので、
「 ITプロジェクトが遅延している」というケースが題材だとして説明します。
課題発見力を持つ人は、プロジェクトの遅延に注目し、遅延しているという事実だけでなく、その遅延が企業の業績や顧客の信頼にどのような影響を及ぼす可能性があるかまで考えます。

ここまで考えられれば、極端に言えば「遅延が顧客に影響を与えるインパクトが少なければ、この問題は無視する」といった決断も可能です。
一方で「遅延 = 問題 = 絶対なんとかしなければ」と視野が狭い場合、その遅延の挽回の固執してしまう
というような違いになってきたりします。


2.2 課題分析力

2つめに、課題分析力について解説します。
課題分析力は以下のような記述です。

現状を客観的に正しく認識して、分析的に把握しているか。
多面的に核心部分の構造を解明し、整理できているか。

ここでも「 ITプロジェクトが遅延している」というケースが題材だとして説明します。

課題分析力を持つ人は、プロジェクト遅延の背後にある要因を詳細に分析しようとします。
遅延の原因を追求し、それがプロジェクトマネジメントやリソース管理に関連している可能性を探求します。また、プロジェクトチーム内のコミュニケーションの欠如や、要件定義の変更によるスケジュールの再調整の難しさなども分析の対象とします。
課題分析力が高い人は、遅延の背後にある多様な要因や影響を整理し、問題解決のための具体的なアプローチを見出すことに優れています。

以上の例から分かるように、課題発見力は問題の存在や影響を捉える能力を指し、課題分析力はその問題の背後にある要因や関連を詳細に分析し、理解する能力を指します。


2.3 課題解決力

3つ目は、課題解決力について解説します。
課題解決力は以下のような記述です。

問題・課題の打開に向けての視点と企画提案は明確か。

ここでも「 ITプロジェクトが遅延している」というケースが題材だとして説明します。

課題解決力の視点での分析: 課題解決力を評価する際には、プロジェクトの遅延をどのように打開し、問題を解決するかに焦点を当てます。これには、具体的な視点と企画提案が明確に示されていることが求められます。

悪い例: 受験者は、プロジェクト遅延の問題に言及し、遅延を解決する必要があると述べている。しかし、具体的な視点や提案は示されていない。

良い例: 受験者は、プロジェクト遅延の解決策として、以下の視点と企画提案を明確に示している。

  1. スケジュール再調整: 現在のスケジュールを見直し、リソースの適切な配置やタスクの優先順位付けを行うことで、遅延を短縮する。

  2. チームコミュニケーション強化: プロジェクトチーム内での情報共有とコミュニケーションを改善し、課題や進捗を共有することで、問題の早期発見と対処を図る。

  3. リスクマネジメント強化: 予期せぬリスクに対処するための計画を立て、リスクの早期検出と防止策の実施を行い、プロジェクト遅延を最小限に抑える。

これにより、受験者は具体的な課題解決の視点を明確にし、その視点に基づいた企画提案を示していることが分かります。

課題解決力の評価では、問題や課題をどのように解決するかに焦点を当て、具体的なアプローチや提案を示す能力が求められます。評価基準に従って、問題解決の視点を明確にし、それに基づいた具体的な提案を示すことが重要です。


2.4 論理的思考力

4つ目は、論理的思考力について解説します。
論理的思考力は以下のような記述です。

論理的思考と柔軟な思考の幅と深み、時間的・空間的な分析を踏まえた論理展開をしているか。

これは抽象度が高いですね。言葉を1つ1つ見ていきます。

まず、論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法です。
ケーススタディでは、文章中に登場する各問題と、それに関連する各情報を整理するようなイメージです。

次に時間的な分析ですが、これは時間軸をもって考えることです。
各種問題や解決施策などを、短期的な視点/中長期の視点と分けて考えられているか といったものです。

空間的な分析は、視野を広く持つイメージでしょう。多様なステークホルダーとの関連を見たり、組織の上下関係を意識する などです。


2.5 主体性

5つ目は、主体性について解説します。
主体性は以下のような記述です。

課題に対する取り組みの姿勢に自己の主体性があるか。

これは読んで字の如く、自分から主体的に課題に取り組んでいるか、ということです。
別の言い方をすると「問題を指摘するだけの評論家は要らない」ということです。

会社には課題は無数にあり、幹部層の方々はそれを十分把握してます。
しかし、優先度や人材不足の関係でどうしてもそれらの課題に対応できてない状況なのです。
幹部層が必要な人材は、その課題を実際に解決できる人間です。
問題を指摘するだけの評論家は要りません。もう問題はわかっているので。


2.6 まとめ

それではここでは上記5つの問題をまとめたいと思います。

試験中のアクションと評価基準の対応を大まかにまとめると以下の図のようになります。※厳密に言えばもっと相互に重複する部分も多いですが、イメージを掴むために大まかにまとめています。

図2.6 試験中のアクションと評価基準の対応


3. 問題抽出と課題分析でありがちな失敗

 私はこれまで多くの人のケーススタディ試験の回答を添削してきました。
そこで、問題分析と課題の発見の部分で大きな認識違いをしている人を多く見かけました。

問題分析と課題は試験の解答の中核を成す部分であり、ここがダメだと全てがダメだと言っても過言ではありません!


※これ以降は有料とさせていただきます。
なお、この内容に加えてさらに試験当日の時短テクニックや回答サンプルなど有益な情報を詰め込んだ記事(以下URL)もありますので、そちらもご覧ください

https://note.com/yerobu/n/nb8b2c81c8a66





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