昇進試験の小論文の書き方 〜採点評価基準から章構成・文章比率まで解説〜
[お知らせ] 2024年1月7日
この記事の内容も含めた完全版の記事を作成しました。7つの小論文サンプルも載ってます
https://note.com/yerobu/n/n58a80c39518a
会社で昇進・昇格する際に、小論文の試験を受ける人も多いのではないでしょうか。
普段から文章を書いていない人にとって、小論文試験は憂鬱ですよね。また、文章を書き慣れていたとしても、小論文となると何をどう書いて良いのかわからないものかと思います。
そして、いざ小論文を書いてみようにも次のような悩みが出てくるかと思います。
そもそもどんな構成で論文を書けば良いかわからない。
先輩の過去の論文を見てもバラバラで何がよいか判断が付かない文章の中核は決まったけど、肉付けとして何を書くべきかわからない。
各章をどれだけの文字数・比率で書くべきなのかわからない。
Google検索で調べても、"昇進試験"の小論文の書き方は出てこない。出てきても具体性に乏しい
etc.
そしてその結果、
・わからないから準備せずに臨む人
・なんとなく学生時代の学術論文の書き方を思い出す人
・市販の小論文の書き方の書籍を読む人
といった人も多いのではないでしょうか。
しかし、小論文試験は”試験”なので、もちろん採点基準があります。
つまり採点基準から逆算すれば、自ずと決まった回答の型や記述すべき内容が導かれます。
そこで今回は、昇進試験・昇格試験の“論文の書き方(全体像)”をご紹介したいと思います。
※本記事では文字数が1500〜2500字程度の小論文で、昇進・昇格試験を対象としています。文字数がもっと多くなったり、昇進・昇格ではない小論文ではこの限りではありません。
[筆者の経歴]
私自身、ココナラでさまざまな企業の昇進試験の添削を100回以上行っています。
自分自身も大企業の会社員として昇進試験を受けてきました。受験の際に全力で対策した経験をベースにしています。
その経験を踏まえて、多くの人が悩むポイントを踏まえつつ、小論文の書き方の全体像を説明していきます。
1. 昇進試験における小論文の章構成
結論:どんなテーマであろうと小論文の基本的な章構成は変わりません。
結論から言うと、昇進試験における小論文の章構成はどんなお題に対しても同じでOKです。論文のお作法に乗っ取れば、タイトルこそ違って見えてもそれが意図する構成そのものには違いがないことがわかってきます。
基本的に昇進・昇格試験における小論文の章は次の4つで構成されます。
①序論
②問題提起
③解決施策
④結論
私はこれまで多くの小論文を添削してきました。
人によって章のタイトルこそばらつきがありますが、その内容は全て上記の構成に集約されます。
次に、各章で記載する内容について説明します。
一般的に、各章における記述内容は次の表のようなものが望ましいです。
1500〜2500文字程度の小論文であればこれくらいの章構成と記述内容が良いです。この程度の文字数で、章を5つも6つも設定するのは、それぞれの章で書くことが少なくなって逆に難しいです。
避けた方が良い構成
次に、避けた方が良い章構成を紹介します。
これまで小論文を添削してきた中で、それなりの割合で次のような章構成の小論文を見かけました。
課題1に対する解決策1を書き、次にまた別の課題2を提示して解決策2を書くというパターンです。
私の経験としては、この構成は避けた方が良いと考えています。
これは一見読みやすいようにも思えますが、課題と解決施策が1:1で対応しない場合に使えなくなるからです。
課題と解決施策が1:1で対応しない具体例として次のようなものがあります。
これは課題1と2に対して1つの施策で解決できるパターンの文章です。
このパターンの文章を書きたいときに、先に紹介した"課題1⇨解決策1⇨課題2⇨解決策2⇨・・・"の構成だと書けません。
どのような内容でも汎用的に対応できるように、表1のパターンで文章を書くことをおすすめします。
また、昇進試験以外でも昇進すると文章を書く機会が増えてくるかと思いますので、この機会に汎用的でオールマイティーな構成に慣れておくと長期的な視点でも役に立つでしょう。
章の見出しとサブタイトル
次にテクニック的な話にはなりますが、読みやすさを向上させるために章の見出しにサブタイトルをつけるのもOKです。
以下がサブタイトをつけた章見出しのサンプルです。
章の見出しを見るだけで全体として何を言いたいのかわかりやすいですね。また、自分が書くべき内容を都度振り返ることができて脱線しにくくなる効果もありおすすめです。
文字数が許すのであれば、基本的にサブタイトルは入れましょう。
2. 昇進試験での小論文の採点基準と文章量比率
次に、昇進試験における小論文の採点基準と各章の文章量の比率について考えたいと思います。
章構成と採点基準の関係
まず、章構成で書くべき内容について、採点基準の観点からも確認したいと思います。
これは一般的な昇進論文における採点基準です。
多くの人は「小論文は論理的に書けているかが大切」とは思っているかと思いますが、実はそれ以外にも多くの評価ポイントがあります。
論理的に書けているかどうかは、スタートラインに立っているかどうかというだけなのです。
その評価ポイントを理解しないまま小論文試験を受けると、多くの人は合格点に達しないことでしょう。
され、これらの採点基準を章構成に当てはめると次のようになります。
各章で具体的にどんなことを記述すべきかは、後の章で詳しく解説します。
ここでは、各章でどの採点基準を満たすことを意識すべきなのかといった、役割があることを理解してもらえれば十分です。
どの章でどのような評価を受けるのは望ましいか、全体像が見えたと思います。
文章比率の目安
次に昇進試験における小論文の文章量の比率の目安を記載しておきます。
文章量の比率は次が目安になります。
注意すべき点は、「解決施策の分量が一番多くすべき」ということです。
これまで多くの人の小論文を添削してきて
『「現状と課題」の部分について、具体的な事例や根拠を沢山書いたものの、解決施策は抽象的なものがいくつか並ぶだけ』
という人がいます。
しかしそれはNGです。
なぜNGかというと、会社で昇進させたいのはどんな人物か?
ということを考えればわかります。
会社側として、昇進させたい人物というのは課題を見つけ出すだけでなく、実際に行動して解決できる人物です。
「あれも問題、これも問題、この会社は問題だらけだ」と文句ばっかり言って自分は行動せず会社が解決するのを待っている人は山ほどいると思いますが、そんな人は昇進させてもしょうがないです。実際に行動できる人材と思わせるよう、具体的な解決施策を描けることが重要なのです。
そのため、解決施策のボリュームが多くなります。
3. 昇進試験の小論文の章構成・評価基準・文章比率まとめ
これまでの内容を整理すると、昇進試験の小論文の評価基準・章構成・文章比率は以下の図のようになります。
極端にいうと、この記事ではこの図さえ覚えてもらえればOKです。
この図を印刷して小論文を書くときに傍にでも置いといて、参考にしてくださ。
4. 小論文の書き出しパートの書き方
これ以降は各章で記述すべき内容や注意点についてそれぞれ解説していきます。
まずは、小論文の書き出しのパートです。
過去の小論文を見ると「なんとなくこんなことを書くのか」とぼんやりと分かったつもりになるかもしれませんが、重要な部分があります。
書き出しで記述すべきこと
まずは小論文の書き出し、章構成では「はじめに」というタイトルです。
ここでは小論文における導入文であり非常に重要です。
ここでは主に次のようなことを記述します。
①世の中の流れや会社が置かれている状況
②自組織の役割や目標/自分の業務
③この論文の概要
具体的な例として、以下のようなものを貼っておきます。
※これ以降は有料とさせていただきます。
なお、この内容に加えてさらに有益な情報(過去の添削事例やそれをベースにしたチェックリストも含む)をまとめた記事(以下URL)もありますので、そちらもご覧ください
https://note.com/yerobu/n/n58a80c39518a
また、自分の職場ではなく、架空の職場でのケースを元に文章を書くパターンの問題(ケーススタディ試験)については、以下URLに詳細を記述しています。
https://note.com/yerobu/n/nfb2586d12e8c
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