原因不明の「じんましん」を治す
●抗ヒスタミン薬なんて買い続けたくない
初めて迎える京都の夏は、まとわりつくような暑さにやられた。盆地の市内は風がほとんどなく、東京のビル風が恋しくなったほどだ。
千葉の実家から引っ越したのは京町家という1950年以前の長屋で、京都の雰囲気たっぷりの家だった。しかし入居してみると、玄関横にある3畳の和室の天井は古く、シミがあるだけでなく何か異臭を放っている。
その臭いが、家の周りをうろついているノラ猫のオシッコだと気がついたのは住みだしてすぐ。なのに不動産屋は中々、猫が入ってくる隙間を塞いでくれず、まとわりつくような暑さと合わせて大きなストレスになった。
気がつくと体の至る所がかゆくなり、指でかくと赤いミミズばれになった。生まれて初めての「じんましん」であった。すぐに近所の皮膚科を調べて行ってみた。
今出川通り沿いにある皮膚科の女医さんは、簡単な検診と問診を済ますと「慢性じんましんですね。かゆみ止めのお薬を出しておきますので飲んでください」とだけ言って診療を終わらせようとした。
●即時型アレルギーチェック
僕「先生、じんましんの原因は何なんですか?屋根裏の猫のオシッコに対するアレルギーでしょうか?それとも食べ物が原因なんでしょうか?最近、スーパーで買ったおかず食べてたし、酒も飲んでたからかなぁ?」
女医「じんましんはストレスの場合も多いですよ」
僕「原因を検査する方法はないんですか?食べ物のアレルギー検査とか?」
女医「健康保険でできる食物アレルギーの検査が5千円位でありますが、即時型アレルギー検査と言って、食べたらすぐに出るアレルギーの検査です。あなたのように長い間でるアレルギーの場合は、あてはまらないと思うけど」
僕「それやってみたいです。お願いします」
3日後、いながき皮膚科で血液をとった。検査機関からの結果が出てくるのに4、5日。この時、初診から3日しか経っていないにもかかわらず、いながき先生は「2週間分のお薬を出しておきますんで飲んでください」と言った。
僕「先生3日前に10日分もらいましたんで、今日は大丈夫です」と丁重にお断りしたが「なら1週間分出しときますね」と押し切られた。
僕がもらったのは抗ヒスタミン薬という皮膚の組織内からでるヒスタミンというかゆみを引き起こす物質をおさえる薬である。 しかし、この抗ヒスタミン薬を飲み続けたからといって、慢性的なじんましんが完治するわけではない。一時的にかゆみを抑えるだけだ。じんましんは、また発生し、僕の体はかゆくなる。そしてヒスタミン薬を飲み続ける。つまり、これから死ぬまで皮膚科のお客さんとなるわけである。
薬を売ることが目的で、根本的な原因を見つけて治そうとしない。なぜならその方が儲かるから。こうしたビジネス的な医療に対して僕は疑問をもった。僕はじんましんの原因を知って、根本的に治したかった。
5日ほど経って IgE(即時型アレルギー)検査の結果が出た。
ハウスダスト、ヤケショウヒダニ、マラセチア菌、ガンジタ菌、ゴキブリ、蛾、キウイ、エビにアレルギー反応が出ている。
先生は結果を見ながら「ハウスダストとヤケショウヒダニに反応が出てますけど、猫アレルギーは出ていないですね。マラセチア菌やガンジタ菌というのは、人は誰でも持っている菌なんです。それが強く出てますね。あとキウイとエビですか」と簡単な説明をしてくれた。
しかし特に対策というか、この結果をふまえて、どうしたら「じんましん」が治るのかという事は、いっさい教えてもらえなかった。最後に先生が言ったのは「お薬2週間ぶん出しておきますから」だった。
「ここみたいな普通の皮膚科じゃダメだ」
そう思った僕はネットを使い、色々と調べてみた。
1)ヤケヒョウ・ダニは屋内にいる一般的なダニであり、同じく一般的なコナヒョウダニと合わせて、イエダニの80~90%を占めると言われている。家の中でダニに噛まれたという話がないように、ヤケヒョウダニは人を噛むことも、血を吸うこともないらしい。だが、このダニの死骸や糞(フン)、脱皮した後の殻(から)などが様々なアレルギーを引きおこす。
2)マラセチアというのはカビの一種で、誰の皮膚にも存在する菌である。増殖に 脂(あぶら) や汗を必要とする。普段は特に問題はないが、汗をかいたままの状態で放置すると繁殖し、肌の炎症を引きおこす。
3)カンジタ菌も元来は人の体の表面や、胃や腸などの消化器管、それに女性の膣(ちつ)に普通に生息するもので、多くの場合は特に何の影響も与えない。しかし免疫力が弱ったりすると皮膚や粘膜(ねんまく)に炎症や不快症状がある。
上記の調べた結果を踏まえ、僕はまずハウスダストやヤケヒョウダニの死骸などが落ちているかもしれない京町家を徹底的に掃除した。そしてマラセチア菌の対策として、汗をかいたらシャワーを浴び、なるべく冷房を使って乾燥した状態を保つよう心掛けた。もちろんエビとキウイは食べるのをやめた。しかし、いっこうに「じんましん」は良くならなかった。
引き続きネットで検索をしてみると、いながき皮膚科でした保険適用のアレルギー検査は、即時型アレルギー検査といい、食べ物を食べて2時間以内にアレルギー反応が出る検査(IgE抗体を調べる)。女医が言うように、僕の場合は食べてすぐには「じんましん」が出ないので、確かにIgE、つまり即時型のアレルギーではない。そしてこの即時型アレルギー検査とは別に、食べてしばらくした後にアレルギーが出る遅延型アレルギーの検査という IgG 抗体を調べる検査があることがわかった。
参照:https://www.ambrosia-kk.com/about_allergy/foodallergy.html
●遅延型フードアレルギーとは
遅延型フードアレルギー(IgG) というのは、原因となる食物を食べてから反応するまでに時間がかかる為、原因に気づきにくいアレルギーである。しかし慢性的な不調の原因となっていることが多い。
その為 、検査では普段よく食べている意外な食品が高反応ででることもある。そして検査結果に基づいて高反応の食品を除去することで、症状が軽減するという。いうなれば遅延型アレルギー検査というのは、即時型のアレルギー検査では陰性で、不調の原因がわからない人のための検査である。
僕は遅延型フードアレルギー検査を受けたくなった。まずはネットで検索すると、遅延型フードアレルギー検査をしている病院が幾つかでてきた。ただ検査は保険の適用ではなく値段が高い。僕の住む京都では遅延型フードアレルギー検査をしている病院は無い。
東京や大阪で検査を行っている病院をチェックしてみると、3万から5万円もする。Amazonで検査キッドも売っているが、それでも3万円代である。なぜ、こんなに高いのかというと、検査を実際に行うのは日本ではなくアメリカで、採取した血液をアメリカの検査機関に送り、そこで調べて検査結果が日本に送られてくるのである。どうしたものだろうか。。
そんな時、僕が購読している高城剛氏のメールマガジンに、解決の糸口のような事が書いてあった。高城氏のメルマガは読者の質問に答える Question&Answer のコーナーが面白くて、月=800円で購読している。
高城剛氏は超がつくほどの健康オタク。彼は日本では保険のきかない有機酸検査や体内の重金属検査、腸内フローラなど先進的な検査を受けているそうだ。メルマガのQ&Aコーナーでは、読者の健康に対する不安や親がガンで、どうしたら良いだろうか?という質問に「なるべく早く」そういった先進的な検査を受けた方が良いと答えている。
人というのは自分が健康である時は、病気のことなど興味がない。だからか健康や先進的な検査についてのトピックは読んでも上の空だった。だが自分の体調が悪くなると、興味が出てくるものである。高城剛氏が発行する高城未来研究所のメルマガ「Future Report」 を購読し始めた号から、もう1度、読んでみた。
するとメルマガの Vol.377から4回に分けて金沢にある浦田クリニックの院長である浦田哲郎氏のインタビューが掲載されていた。ちょうど1年前の記事である。
●予防医学を基にした統合医療のクリニック
「現代の赤ひげ先生」というタイトルで、浦田院長のおいたちから医者になるまでの経緯、そしてスコール(SQL)というフィットネスジムやスイミングプールなども併設した病院について書かれていた。インタビューを読み進むうちに、予防医学を基にした統合医療をおこなっている浦田クリニックに興味をひかれた。紹介されているホームページをチェックすると、浦田クリニックでは遅延フードアレルギーなど、先進的な検査も多数していることがわかった。
参照:スコール(SQL)浦田クリニック:http://urataclinic-sqolk.jp
すぐに浦田クリニック(SQL)に電話をしてみた。じんましんが出ているので遅延フードアレルギー検査と有機酸検査をしたいと伝えたが、10月まで予約が一杯だという。(この時8月お盆後)
僕「わかりました。じゃ10月に検査の予約をします。でもそれまでの間、じんましんにどう対処したら良いですかね?結構、かゆいんですけど」
浦田クリニック「そうですよね、それまで2ヶ月もありますもんね。ちょっと、お待ち下さい。(しばらく電話口で待つと)じゃ9月3日はいかがですか?お昼の時間でしたら先生がお時間とっていただけるそうです」
僕「本当ですか!ありがとうございます。では9月3日におうかがいします」
浦田クリニック「では、こちらから症状や患者様についてのアンケートがありますので、送付しますね。ご住所を教えてください」
なんて親切に客(患者)のことを考えてくれる病院なのだろう!
感心した僕は、すぐに京都から金沢行きのJRサンダーバード号(片道2時間)を予約した。「そうだ!病院に併設したプールやジムも使わせてもらおう!」と思い、宿も2泊予約した。すっかり金沢旅行気分である。ちなみに高城氏のメルマガには金沢の美味しい店なども書いてあったので、それも楽しみである。(続く)
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