自己成長モデル(2/2) - 自己成長モデルと私的成長モデル -
■自己成長モデルを自分自身に当てはめてみる
自己成長モデル(1/2)でも触れましたが、このモデルを考えるきっかけになったのは、2年ほど前、自身の人生を振り返り、「過去の道と私的成長モデル」という記事を書いたことです(※1)。ここでは自分自身の過去を振り返り、4つの道として整理した後で、それを2軸4象限で整理しています。今回は過去記事と前回投稿を少し振り返りつつ、自己成長モデルと私自身の成長を当てはめてみようと思います。
1.役割と成長:【理系→SE→MOT(※2)→ITコンサル】
自分自身の過去を振り返り、どんな役割を与えられその役割の中でどんな成長を遂げてきたかを考えるのが、第一の道であり、図1の左上、義務的であり左脳的である部分と整理していました。
成長モデルでは「適応行動(任されて・空気を読んで)」と関連するものだと思います。目に見えやすい、外から与えられた役割とそれに適した行動とそれに伴う成長(行動および能力の変化)です。
2.探求心と人生:【自分って何?→幸せって何?→MyData(パーソナルデータの利活用)(※3)】
探求心と人生について考えることは、自分自身について深く考えることであり、自己成長モデルでは「自律行動」(と自己)に関連します。その時自身に与えられている役割とは関係なく(あってもいい)、自発的に起こす行動や、こうなりたいと何か目的を持って取る行動です。「人生」や「幸せ」、「個人と社会の関係性」などを考えることは、与えられた役割とは直接関係のないことでしたが、私個人にとってはとても意味のあることでした。「役割と成長」に記載したMOTは、自分のやりたいことや好きなことと職業としてのSEでの活動とのギャップにモヤモヤを抱えていて、社会人大学院というものを知り、行くことを決め、新たな環境に行くことで新しい適応行動(MOTの中で学ぶこと)に繋げていきました。
自分から何かやりたいと考え行動し、それによって自己を改めて見つめ直して(静的自己)、さらに自分がどうなりたいか、どう変わりたいかを積極的に考えていき(動的自己)、理想と現実のギャップを埋めるために、再び自律行動を促す。自己を見つめ直すことで、別の自律行動が想起される、ここにループがあります(後述の図3)。適応行動のあとの自問自答ループです。MOTに行こう、MyDataの活動に参加しよう、という行動に至ったのは、自分自身と深く向き合い、より自分を変えていくためのステップアップした自律行動です。そして自己成長モデルの自問自答ループを助けてくれるのが、私的成長モデルの下半分「2.探求心と人生」および「3.趣味と創造性」でどちらも権利的、つまり個人そのものに着目した活動です。ちなみに私的成長モデルの上半分「1.役割と成長」、「4.縄張りと社会的価値」は社会との関係に着目した活動となります。
3.趣味と創造性:【歌と音楽とモノづくり】
ここについては※1から抜粋しませんが、過去のブログでは、思いつくままに、好きなことを書いています。
自己成長モデルでは、静的自己(パーソナリティ・アイデンティティ)としての自分に向き合う時間を作ることで、とても大切な要素と考えています。
私の場合は、一切制限を外して好きなことを書こうとすると、歌とか音楽に関することが思い浮かんだので、詩を書くように自由に書きました。私の場合このパート、つまり静的自己は文字だけなく、絵とか動画とか曲とか他の表現を使うと、より開放された自己が表現できるのかもしれません。
ここを考えるときは、他人に分からせなくてよくて、自分だけが分かればよいという感じです。
4.縄張りと社会的価値:【結婚→子ども→日本ダウン症協会(JDS)とD&I(Diversity & Inclusion)】
直感的であり、義務的である。私的成長モデルではいまいちぼやけたままでしたが、自己成長モデルに合わせて考えると少しはっきりしてきます。動的自己、自分自身の未来を創造すること。新しい役割を自分自身に与え、適応行動に繋げるためのステップ。社会とのインタラクションを考えつつ、まだ難しければ、自問自答ループに戻り、自律行動をしながら自己を見つめ直せばいい。既に環境が変わったなら、同時並行で適応行動をしてもいい。新しい行動は新しい関係性を生み、新しい経験と成長につながる。
MOT(社会人大学院)もMyData(パーソナルデータ関連団体)もJDS(日本ダウン症協会)も結局はこの動的自己や縄張りや社会的価値を考えて仲間に加わらせていただき、適応行動に向かいました。
ここまで自己成長モデルと私的成長モデルとの関係性を見てきましたが、これらを図3に表してみました。
役割と成長については、適応行動、個別能力、総合能力の右下3つが関係し、これらは社会的・物理的成長、目に見える成長と考えました。別の機会に成人発達理論について考えようと思っていますが、成人発達理論でいう水平的成長(知識やスキルの成長)は右下緑の部分、垂直的成長(知性や意識の成長)は左上青の部分に関係があると思います。また環境順応型知性は右側、自己主導型知性は左側、そして自己変容型知性(自分の考えに固執せず自分を周りに合わせて柔軟に変えていく)は、自己成長モデルを前提とするならば、自己変容型知性というものがあると知ったうえで(個別能力として理論的知識を得る)、ありたい姿を柔軟な自己とし、そこに向かって行くことなのかなと感じています。そう考えると自己成長モデルは、あくまで自己実現(あるいは自己超越)や、自己を深く考えて行動していくというだけで、柔軟である必要があるかどうかには言及していません(それがいいか悪いかはよく分かりません)。
成人発達理論やインテグラル理論については、自己成長モデルとも親和性が高いと思うので、別途勉強して本モデルをブラッシュアップ出来たらいいなと思っています。
■私自身の直近のアップデート
さて最後になりますが、私的成長モデルについて書いたのは約2年前なので、そこからのアップデートをモデルに当てはめて考えてみたいと思います。
2年前では、金融ITコンサルとパーソナルデータとの乖離に悩んでいましたが、その後、金融ITチームから、AIやDataを扱うチームに異動しました。環境が変わったので、新しく適応行動が発生しています。AIやDataに関する勉強時間が格段に増えましたし、仕事でも少しずつ関わる機会が増えています。現実と理想のギャップを克服するために行動し、異動することができ、適応行動を通して新しい分野の個別能力が向上、今までの知見と合わせることで総合能力も向上、さらに本ブログ記事などを通してパーソナルデータに深い関りがある人系の分野への理解も徐々に深くしていっています。
ここ2年で生成AIがかなり盛り上がっており、生成AI関連のプロジェクトにも関わっていきます。
また、会社の中で自分自身について振り返る機会があったのもこの記事やブログを書き始めるきっかけになりました。振り返ることで改めて自分について考え、今後は個人と社会の関係を考えることを中心に活動していきたい、ブログを書くことをきっかけに新たなつながりを作り、新たな適応行動に進んでいきたいと思います。
少しでも共感してくれた方、意見交換をしてみたいと思った方、ビジネスで関わってみたいと思った方、久しぶりに飲もうよと思った方(初めましても歓迎です)、ぜひお気軽にご連絡いただけたら幸いです。
※1 リレーBLOG第9弾「過去の道と私的成長モデル」 | 芝浦工大MOT同窓会支部 (sit-mot.org)
※2 MOT: Management of Technology(技術経営)の略。技術をどう経営に活かすかを大学院やビジネススクールなどで学ぶ。ある程度経験を積んだ社会人が経営を体系的に学ぶ場でもある。
※3 MyDataJapan | MyDataJapanへようこそ
お気軽にお声がけください。
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Linkedin: tanabekeisuke
本noteについて|Keisuke Tanabe
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