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【悶絶】5年前に一度だけデートした人が、いまだに食事に誘ってきて怖い件

 最初にお伝えしておくと、これは、断じて鼻高々なモテ自慢ではありません。

 結論から言うと、「もう勘弁してくれ」というリッチなGucci記事で、かつ当社比50%増しで口が悪いです。お嫌いな方は他の素敵な記事をお読みください。お願いします。

※プライバシー保護のために、地名や人名、時期など細部を事実と変更している場合があります。


 ことが起こったのは、5年ほど前だった。

 私は当時趣味で絵画のための勉強会などに参加しており、アチコチ地方行脚して、イベントなどにも積極的に足を運んでいた。

 そこで出会った年の頃40歳手前くらいの男性。

 東北地方にお住まいの、画家の方だった。小柄で物静か。内気な感じがした。参考までに容姿について述べると、雰囲気は「お笑い芸人・ウエス〇ランドの井口さん」のどんよりしたバージョンを思い浮かべていただければと思う。

 私は当時からTwitterを中心に趣味アカとして活動していた。今で言うと、いろんなリアルイベントに出没しては「YeKuイェクです~どうも~♪」と言って回っているような感じだったので、自動的にその絵師さんともTwitterでお互いを認知していた。

 なお、私からその男性――仮にAさんとする。彼に対する印象は、「男性画家」以上のものではない。彼の画家としての栄達にも何も興味がない。まぁ「厳しい下積み時代を経てその職に就かれたんだな、すごいなぁ……」ぐらいの尊敬は持っているぐらいである。

 そんなある日。

 新宿の小さな会社にSE(つまりなんでも屋)として常駐していた私は、今日も今日とて怠惰にパソコンをいじっていた(仕事しろ)。ふと震えを感じてスマホを取り出すと、TwitterでDMが来ている。

Aさん『先日は、〇〇の会でありがとうございました。今度東京に行くのですが、ごはんでもいかがですか?』

 こんな感じだった。

 私はちょっと迷った。

 実は、Aさんからお誘いをいただくのは今回が初めてではない。興味が無かったので2回くらい断っている。

 でも、最近周囲が次々結婚していく。ご祝儀で懐が痛い毎日。今は相手もいないし、このまま恋愛的なモノから遠ざかり続けるのはいかがなものか。

 まあ、今思えば20代後半の女性にありがちな気の迷いだった。迷った私は、向かいの席でネットサーフィンに勤しむ事務の女性(仕事しろ)に意見を求める。

「あの~。なんかちょっとした知り合いの画家さんにご飯誘われたんですが、どう思います?」

 事務の女性は、パッと顔を上げて目をキラキラさせた。

「えーいいじゃん! イケメン?」

 キャッキャウフフ。

 まるで女子高のような会話だが、この事務の女性はフロアで一番の権力者である。彼女が白いと言えば全て白いし、彼女が女子高生ノリならみんな女子高生ノリでなければいけないのだった。

「いや、イケメンかどうかはちょっと……」

 私は口ごもる。当時はウエスト〇ンドの井口さんがM-1優勝をキメる前だったので、容姿の説明が難しかった。

人を容姿で判断するとは何ぞや? という件について

まぁまぁまぁ、悪しきルッキズムに異が唱えられる昨今、皆さんも、容姿を恋愛において重要とする観点はいかがなものか? と思ったでしょう。

いやいやいや! 理想論はさておき、現代社会ではまだまだ容姿の良さ=パワーであることを誰が否定できるでしょう。容姿が全てではないことは事実だが、収入にも他人からの評価にも容姿が重要なファクターであるという研究が実際にある。なぜか人は容姿がいい人は能力も良いと勘違いするので、容姿が良い人は最初から高いハードルを越え続ける人生を送っている。

そもそも、毎日べったり一緒にいることが前提の恋人や夫婦といった関係において、容姿が重要ではない理由はなんだろう? イケメン・美女である必要はないかもしれないが、少なくとも、生理的に受け付ける容姿であることは重要だ。

どれだけ「心が大事!」と言ったところで、絶対に受け付けない容姿は存在する。そして相手の容姿を子々孫々と伝え行く遺伝子に取り込む可能性があるならば、子孫のためにより適切な容姿の相手を選ぼうとするのは生物学的に間違っていないのだ。

 とにかく私は男性について説明し、「そんなに興味はないが、なんとなく迷っている」旨を伝える。

 事務の女性はとにかく乗り気だった。
「行きなよ~! ごはんがタダになるだけでもいいじゃん!」

 ああ、目から鱗が落ちる思いだった。

 そもそも、私はデートにおいて男性に食事をおごられるのが嫌いであった。不公平だとか男女の権利がどうこうという話ではなく、仲良くない相手に甘えたくない。「食事代を出した」ということによってちょっとでも優位に立たれるのが嫌だ。逆に気を許していればいくらおごってもらおうと、嫌な気持ちはしないが、相手に対する好感度が低ければ低いほど嫌な気持ちになった。

 だいたい、学生ならまだしも、自分もちゃんと仕事をしているし、自立していることに誇りを感じている。だから経済的な理由から食事代を出してもらう必要もない。男性が食事代を出すのは、収入格差がある場合のエチケットで良いのではないか。

 と当時は思っていた。

 だから、「タダ飯を食べるためにデートに応じる」という発想がない。「ふ~ん、そういう考え方なら興味がない相手とのデートも楽しめるかな?」と少しだけ期待を抱いてしまったのだ。

 私はAさんにOKと返事をしてしまった。

 でも振り返れば、この軽挙妄動が全ての元凶だった。そもそもあまり他人に興味のある方ではない私。好きな人とそれ以外をキッパリ分けて後者には見向きもしない私。この軽薄なチャラ男のごときムーブは全く向いていなかった。

 そんなわけで迎えたその食事……いわゆるデートの当日。仕事終わりに待ち合わせて、Aさんが予約してくださったスペインバルを訪れた。

 正直、お店のチョイスはとても素晴らしく、料理も美味しかったし、お酒も美味しかった。大満足だったのだが……。

 それと引き換えに、Aさんとの会話はお世辞にも楽しいと言えるものではなかった。

 まず内気なタイプらしく、向こうから話題を振って来ない。間がもつようにアレコレ私から話題を振っていた。

 いや、とはいえ正直、それは全然問題ない。さっきも書いたが私は「主導権を握りたい」ので、「興味のない話をまくしたてるお喋り」と「無口」だったら、後者を選ぶ。

 でも、Aさんから引き出してみた会話の内容がよろしくない。何がどうなってそうなったのか思い出せないが、話題はなぜか「最近の女子高生の服装」になっていた。

 Aさんいわく。

「あれ、あのルーズソックス。理解できないんですよねぇ、あれ。いったい、どういう男がアレに欲情するっていうんですかね? 信じられないですよ」

 信じられないのはお前だよ。

 まず、ルーズソックスはかなり昔の流行で、今の女子高生はタイトな靴下を好んでいる。

 そして、私は大して親しくない相手との日常会話において「欲情」というワードを人生初めて聞いた。初デートだぞ? マジか?

 最後に、よしんば現在ルーズソックスが流行っているとしても。女性が流行を追うのは、男の欲情をかきたてるためではない。そこに「自己表現」以上の意味を求めるなら、むしろ女性同士のコミュニティにおいて地位を確立し、「自分は流行に敏感である」「協調性がある」ということをアピールするためのギミックである場合が多い。

 Aさんの言動から、女性を主に性的消費物として見ていること、それを隠す知恵もないこと、ひいては、全体的に女性に接した経験が浅いということがヒシヒシと伝わってくるのである。

 こういう男性について愚痴を言うと、ある種の女性たちは「そういう男は、自分の好みに育てちゃえばいいのよ」などと言う。それを言われるたびに毎回イライラする。

 だって、育つまではアンポンタンなのである。どうしてもパートナーが欲しいというわけでもないのに、なぜ育つまでの精神的苦痛を我慢しなければならないのか。

 第一、執念深い(いつもは記憶力がいいと言い張っている)性質の私は、後でどれだけいい男に育っても、当初の酷さを絶対に忘れないだろう。何か間違って一緒になろうものなら、一生軽蔑すると思われる。

 いやそもそも、少しでも想像力のある男性は仮に女性経験が浅くても致命的に変な言動はしない。女性について少しでもリスペクトを持っていれば、本でもテレビでも街頭でも、女性について理解するきっかけはいくらでもある。それらを40年ほどの人生で(グラビアやアレなビデオ)以外全てスルーしてきたと思しき彼。どこに見込みがあるんだろう。

 それらのやりきれない思いを全部飲み込み、私は無意味にワイングラスを揺らした。

「まぁ、最近はルーズソックス、流行ってないと思いますけどね」などと言っておく。

 色んな意味ですっかり醒めてしまった私は、彼が話す間ドンドン下がっていく好感度と共に「私はいったい、何をやってるんだろう?」虚無感に駆られたが、なんせ奢りなので接待だと思って耐え続けた。

 早めに切り上げて外に出れば、辺りはすっかり暗くなっている。

 ここにきて、私はすっかり正気に戻っていた。

 「ご飯代が浮く」などという不埒な理由で応じてみたが、よく考えれば、私は独身貴族のITエンジニアであった。エンジニアの収入はピンキリだが、ベースラインとして必ずしも低収入ではない。だからこの程度の夕食代、はなから自分で出しても懐は痛まない。

 ああ、この、興味がない、好きでもない男性と過ごす苦痛な時間とお金を比べたら、私は喜んでお金を払うだろう。

 既に後悔していた私は可及的速やかにその場を離れるべく、男性と帰り道を歩きながら適当な地下道を見つけるたびに「こっちなんで」と言って別れようとしたのだが、Aさんはその度に私を引き留める。

 いわく。

「地方から出て来たから、ちゃんと帰れるか不安だ。ぜひ駅まで付き添ってほしい」

 とのことだった。

 まあその気持ちは分からなくもないが、いやいや、大人なんだから一人で帰れるだろう。

 私は苦し紛れに「すみませんが、会社に忘れ物をしたので、取りに戻ります」と言った。もうこれは、明らかに「もう別れましょう」という言下のアピールなのだが、Aさんはめげない。

「じゃあ、ついていきますよ」

 えぇー……。マジかよ……。

 げんなりする。

 ごはんを奢っていただいたことには感謝するが、会社の場所を知られるのも嫌だとか、そういう気持ちも分からないのかな、この人は?

 連絡先は知ってるんだから、スマートに別れて、また後日誘えばよいではないか? デートの別れ際がしつこい男性はモテない。

 いや、彼はしつこい。今まで受けたもっともしつこいナンパ(新宿駅から西武新宿駅まで延々ついて来られた)よりもしつこい。

 店を出た時に数値で20(わりと嫌い)ぐらいに下がっていたAさんの好感度は、刻一刻と下がり続けている。でも、なんせ飯を奢ってもらった恩があるからのう……。これだから奢られるのは嫌いなんだ……。

 私は諦めて新宿駅まで送ることにした。

※※ここから、かなり口が悪くなるので、ご注意ください※※
※※苦手な方は、よそ様の
キレイなnoteで心を癒してください※※

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 Aさんは私の横を歩きながら、今初めて気づいたように私を上から下までしげしげと眺め、ほんのり笑顔を浮かべた。

YeKuイェクさんて、小さいですね! 小さくて可愛いですね!」

あああ!! ファック!!! ファックユー!!!!

 私は全身をはい回る嫌悪感のあまり泣きたくなった。変な脂汗すら浮かんだ。

 ああ、お前は、私が背が低いのがコンプレックスで、いつも頑張って8cmのヒールを履いてる努力をチラリとでも想像したのか!!?

 Aさんは160cmほどしかないので自分より背の低い女性が嬉しかったのかもしれないし、悪意は無いのだろうが、いや、悪意はないからこそひどい。

 いいか、よく聞け!! 『小さくて可愛い』と言われて喜ぶのは十代までだ!! いや、好みがあるから大人になっても喜ぶ人もいるかもしれないし、私もステディなカレピッピ(?)に冗談まじりに言われたら受け入れられるかもしれないが、言い方とか、関係性とか、色々あるじゃん。まともに話したのは今日が初めてな間柄で相手のコンプレックスを抉る可能性があるセリフを吐くのはなんなの!? いやもう、デリカシー皆無かよ! 本当に大人か?? 実は老けた中学生か?? お前にも「Aさんこそ、小さくて可愛いですね(はぁと)」言い返してやろうか? どんな気がするんだよ? 相手が人間だって分かってんのか? 自分と同じ思考力や認知力を持っていて、自分の人生を酸いも甘いも生きて来たって想像が出来てるのかよ? 女はお前に都合の良い砂糖菓子やお人形さんじゃねェんだよ!! アァ?

 クソが!!

 私は、「アハハ」と言いながら人生でこれほど急いだことがないと言うほどのありえないぐらいの速足で歩いた。多分、競歩の世界記録を更新した

 Aさんは、一生懸命に着いて来ながら、少し息を弾ませて、YeKuイェクさんて、足が速いんですね……!」とつぶやく。

 察しろぉぉぉぉ!!

 私は笑顔を引きつらせ、「いつも歩いてるからですかね……」と何の意味もない回答を繰り出す。

 ああ、私はなぜ彼に礼儀正しくしなければいけないのだろうか? それは、ご馳走されたという借りがあるからである。クソ。今からでも食ったモン吐いてやりたい。

 およそ10分程度だろうが、永遠にも感じられる時間が過ぎた後、ようやく駅が見えてきたので安心した。

 しかし、駅前でヤツはまだマゴマゴしている。というよりモジモジしながら私をじっと見つめている。

YeKuイェクさん、また会ってくれますか?」

 何を勘違いしたのか甘えたような声にウンザリした。
 安心しろよ。金輪際、自分の意志じゃ会わねーよ。

「えぇ? なんでそんなこと言うんです?」

「だって、女の人って、会ってるときは優しくても、後で冷たかったりするから……」

 ああ、そりゃ100%お前のせいだわ。

 彼はずっと照れたようにモジモジしている。

 ああ、キモい。マジでキモい。彼は明らかに私と一緒に居ることで一人で勝手に幸せになり、素敵なデートの余韻を楽しんでいるようだった。一緒にいる私の気分とこんなに乖離があるのは何だろう? 一切他人の気持ちが分からないのか? サイコパスか?

「ソンナコトナイデスヨー」

 私の心もその場から乖離しはじめ、適当な言葉が口からこぼれていく。普段、嘘はなるべく着かないようにしている私だが、とにかくこれ以上1秒たりとも一緒にいたくないのだ。

「本当ですか?」

 Aさんはモジモジと体を揺らしている。なんだこいつ。

「ホントウデスヨー」

 何回かそのやり取りを繰り返してようやく気が済んだのか、ようやくAさんは振り返り振り返り改札の向こうに去っていく。

 さぁ、皆さん。まぁここまでおよそ5000字を費やしたが、ここまでが前日譚だった。

 誰が想像するだろう? この、最悪のデートをプレゼントしてくれた素敵な男性が、その後5年間もしつこく誘い続けるとは……?


 彼はその後、東京に用事があるたびに、私にDMを送って来るようになった。いわく。

『何月何日に東京に行くので、夕飯でもご一緒しませんか?』 

 代り映えも無く、基本的にはこれである。最初は丁重に断っていたが、何回断っても、だんだん返事がぞんざいになっても、彼は一向に『あなたに興味が無いです』『むしろ嫌っています』というサインを受け取ってくれないらしく、めげずに誘ってくる。

 とはいえ、絵画の集まりなどでご一緒することもあるので、あからさまに邪険にするのも気が引けた。

 もう面倒になり無視することもあったが、それでも彼は律儀(?)にDMを送って来る。もうそういうbotなんじゃないだろうかと思えてくる。無視という最大の『NO』すら通じないなら、はっきり『もう誘わないでください』と言うしかないのだろうか? いや、もうそんな文章を考えるのも面倒くさい。大体、相手が逆上したら怖い。

 思うに、女性があまりハッキリ断らないのは、『傷つけたくない』という表面上の理由の下に、『逆上して暴力を振るわれたら怖い』とか『社会的な権力で報復されるのが怖い』といった恐怖がある気がする。少なくとも、意地悪でやっているのではない。実は相手は穏やかで優しい人なのかも知れないが、怒った時にどういう反応をするか事前に分かりようもないので、常に最悪を想定してリスク管理するしかない。

 ともあれ、彼からのDMはTwitterがXに変わろうと、何も変わらず狂ったように続いていた。そしてちょうど昨日、またDMが来た

 この人まだ諦めてなかったのか……。と思いながら見ると、このように書いてあった。

『何月何日に東京に行くので、夕飯でもご一緒しませんか? もうこれ以上しつこくしません。もう絵画の会にも参加しないので、会うこともないと思います』

 愕然とする。





もうこれ以上しつこくしません。
もうこれ以上しつこくしません……。
もうこれ以上しつこくしません………。






 え……やっと……?



 今まで自分がしつこいという自覚は無かったのだろうか……? 5年だぞ、5年経つんだ。その間、一度も誘いに応じなかったんだ。どうしてまだ誘えるんだ?

 私はゼェゼェと過呼吸の発作めいた感覚を感じながら、胸をおさえた。もう嫌だ……。本当に嫌だ……。この人の感覚が同じ人間と思えなくて無理……。

 私は心を無にして、「最近体調が優れないので、難しいです。すみません。お元気で」とだけ返しておいた。

 これで、二度と連絡がないことを心から望んでいる。

 一方。
 考えたくも無いのだが、彼の目線に立ってみると。

(数少ないと思われる)デートに応じてくれた女性と、そこそこ話も盛り上がった(つもりになっている)し、仲良く(したつもりで)駅まで一緒に帰ったし、小さくて可愛い(と言われて吐きそうになっている)女性だった。きっと脈ありだし、彼女が大好きだから、断られてもめげずに誘い続けよう。この誠意が、いつかは彼女に伝わるに違いない。
 ↓
5年間の思い、この集大成。きっと彼女にも伝わっているはず。「これが最後だ」と伝えれば、きっと彼女も振り向いてくれるだろう。伝われ、僕の思い!

 うわぁ、こんな感じか……?

 何一つ分かってなくて、何一つ「NO」が伝わってなくて、愕然とする。

 多分、悪い人じゃないんだろう。致命的に対人経験と女性経験に欠けていて、他人の気持ちが分からないだけで。振る舞いから見て、女性と疎遠なだけでなく、相談する友達もいないんだろうし、かといって想像力で補う能力もなく、孤独だけど性欲は強いのだ。ADHDなどの発達障害も持っているかもしれない。

 悪意は無いのかもしれないが、しかしこの5年間、彼によって削られてきた私の精神を考えると同情もできない。

 だって断るのも精神力がいるし、何よりも、絶望的な話の通じなさ。嫌いなのに(ご馳走してもらったという弱味で)関係を断ちきれないジレンマ。全力で拒絶するほど悪い人でもないという中途半端さ。

 普通の男性は、一度か二度断れば引いていくもの。こんなに長期間にわたってしつこくアプローチされたのは初めてだった。本当に本当に、すごく嫌だった。

 若いころ、バイト先で気のない同僚にしつこく言い寄られている女性に、「モテていいですね~」みたいなことを言って困らせていたのが本当に申し訳ない。気のない異性にしつこくアプローチされるのは、全く嬉しくない。友達関係でも「断ってるのにしつこい」という状況には苦慮するのに、いわんや肉体的に優位である男性にからそうされるのは対応に困る。もう本能的な恐怖を感じる。

 この5年間、Aさんに関する全てが本当に嫌な経験だった。彼の場合、1年後くらいにまたシレッと連絡してきそうな感じもあるが、彼曰く、もうリアルで会うことはなさそうなので、もうそうなったらいよいよブロックしようと思う。

 皆様も、しつこい誘いにはお気を付けを。

 そして、約8000字に渡る訴えを聞いてくださったお優しいあなた。彼から二度と連絡が来ないことを一緒に祈っていただけるとありがたい。ああ、神よ仏よ。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……。


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