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新入社員だけがもらえる贈り物【#仕事での気づき】

ピカピカの新卒社員だった頃に尊敬する先輩から受け取ったアドバイスは、何年経ってもずっと覚えているものだ。

実際、カピカピになった今でもきちんと覚えていて、しかもしっかり助けられている。

ピカピカだった頃、ちょっとした賞を頂いた私は全社員の前でスピーチをしなければならなくなった。

とはいえ私はしがない新入社員。どんなスピーチ原稿を書いて良いかピンと来ず、休憩室でふんぞり返っていた先輩にアドバイスを求めた。

その先輩は三十代半ばくらいの男性で、ちょっと斜に構えていて「傍若無人でも仕事出来るから一目置かれてます」みたいな雰囲気を醸し出していてカッコ良かった。

ああ、当時の純粋な私にとってそれは憧れだったのか……? カピカピな私は衝撃を受ける。今の自分がそれに近いかもしれないと思う。しかし、特にそれを目指しているつもりは無かった。

品行方正で仕事が出来る人が最強に決まっている。
変な方向性はヤメロ。

思うが、当時の自分に助言することはできない。

とにかくその先輩を尊敬していた私はアドバイスを求めた。

先輩は半笑いで「YeKuイェクちゃん、あのねぇ。周りの人への感謝を言うといいよ」と言った。

今考えると大衆心理を操作する上で非常に理にかなっている。人は人の話よりも自分の話を聞くのが好きだし、褒められて嬉しくない人はいないからだ。

でも当時の私はピンと来ず。まぁ来なかったが、尊敬する先輩だったので馬鹿みたいに受け入れることにした。

「分かりました! 感謝中心のスピーチにします!」

と言って、熱心に原稿を作り当日を迎えた。

私は会場で元気よく、賞を受けるに至ったアレやソレについて説明した後、

「でも、私がこのような成果を上げることが出来たのは、周りで支えてくださったチームの先輩方のおかげです。いつも見守ってくださって、私が困っているとすぐに気づいてくださって、優しく、時に厳しく指導してくださいました。この場を借りて、お礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございます」

というようなことを述べたところ、その後あいさつ回りで会場のテーブルをまわっている時も、多くの方から「スピーチ、良かったよ」と言っていただいて嬉しかった。

当時の私にはなんでそうなったのか、何が良かったのかよく分からず、魔法のように思えた。なので「みんなから褒めてもらった!」というエネルギーの全てが「先輩のアドバイス、スゴイ!」という憧れの気持ちに変換された。

実際、その先輩はすごいと思う。同じようにアドバイスを求められて、このようにサッと的確なアドバイスが出来るほど気の利く人は少ない。今振り返っても非常に頭の良い方だった。

しかも、あいさつ回りでそのアドバイスをくれた先輩のところにお礼を言いに行くと、「いいよいいよ」という感じで手を振られて終わった。なんてニヒルなんだ。カッコいい。

そんなわけで、今でも私が金科玉条にしているのは「人前で何か話す時、隙あらば感謝を述べる」ということである。

新入社員が一生懸命お礼を言っているのは可愛かっただろうが、カピカピ社員が丁寧にお礼を述べたとて、それはそれで効果的であることが経験則的に分かっている。

このように、仕事は煩わしいこともあるが、思いがけない贈り物を寄越してくることもある。新入社員の時に先輩からもらえるアドバイスは、しばしば思い出と共にそれからの社会人人生を支えてくれる柱になる。


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#仕事での気づき
#YeKu
#エッセイ

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