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博士号は「夢」かな?
就職前のまだ院生だった頃,何度か「博士の夢に向かって頑張ってるね」と言われたことがある。ちなみに博士号を取った後も「夢だった博士になれてよかったね」と言われた。もちろん言った本人は心から応援・祝福してくれているのだけど,僕はそう言われることに違和感を持っていた。
僕にとって博士号というのは学士とかもっと言えば高校卒業と同じで必要な条件を満たせばもらえるもので,夢というより研究者としての通過点となる目標の方が近い。あ,博士なしでも研究者として十分な人はたくさんいるけど,そういうことは抜きにして,僕にとっての博士ということ。
もっともそれまで会社勤めだった人が研究したくて大学院に来て博士を取ろうという人もいて,そういう人にとって博士号は夢なのかなと思う。だけど少なくとも平均的な博士課程に来ている人にとっては「夢」じゃないよなあってずっと思っていた。
だけど最近SNSでやっぱり「夢だった博士」というようなことを僕よりだいぶ若い,つまり普通に博士課程に来ている人が言っていてけっこう驚いた。ここで断っておきたいのは僕がそういう人を否定したいわけじゃなくて,「夢」と言われるものが僕とだいぶ違うのかなというのを確認したというところだ。