本の作り方
先日図書館に寄ったときに見たこちらの本が見事な乱丁でした。表紙はもちろん普通です。
乱丁の様子
こちらのページ,378ページの次が逆さまになった394ページ。
この先もしばらく逆さまのページが逆順で続きます。しおりから私がひっくり返して撮影してないことが分かるかと思います。
そして379ページまで来たら元に戻って395ページ。
どうしてこうなるのか
製本(本の作り方)になじみない人向けに少しだけ解説を。本を作るというとき,プリントアウトして並べて閉じて作るのを想像する人が多いと思いますが,それよりも大きな紙を2回折り曲げ,閉じない3辺を切る方法で作る方が簡単にきれいに端を揃えられます。たくさんのページを「トントン」として揃える必要ありませんし。
ちなみにこのとき何も考えずに表の左上から1,2,3ページと書いていくと…
「閉じる辺」は右になり,
留めて切ってもページ順がバラバラに。
この製本方法だとページ順は次の画像のようにしないといけません。分かりやすいように逆さまにするページを○で囲っています。
こうすることで,右開き(左綴じ)にできて
切っていくと
きちんとページ順になります。
さて,紹介した乱丁本ですが,乱丁があったのは379ページから394ページでした。はい,ちょうど16ページです。つまり,ここからこの乱丁が「折り曲げるもとの1枚を逆さまに付けてしまった」ことが原因だとわかります。
本を作る・本を考える
本を作るというと,何を書くかということに注目しがちですが(そして私なんかは職業的にそういうものですね),こういう物理的な作り方というのもちょっと関心を持ったりもします。
ところで製本といえば,明日(1月21日)は大学で美術作家の新明史子先生(シミー書房)をお招きして「本を作る・本を考える」というセミナーがあります。
本の既成概念を崩してくれるような内容でとても楽しみにしています(企画者です)。
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