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初回ミニテストで授業の見直しを

3月も末になってきて,次年度の授業のことが頭をかすめるどころか隕石かスペースデブリのごとく大当たりしています。4月からの授業改善のためにひとつ導入をオススメしたいツールがあります。それは「初回ミニテスト」です。

教材の成熟に思うこと

私は本務校で毎年「日本語表現」という1年生必修科目を5クラス程度担当しています。授業で書く文章はレポートをはじめとした学術的な文章に絞られていて,そのおかげもあり教材もけっこう洗練されてきています。ただそれでも毎年授業をするたびに,学生の到達度は気になるものです。具体的には,昨年度の授業だとレポートの点数のばらつきはちょっと大きいかなという感覚があります。

スタートを見直す

底上げであれば15回の授業の中身を改善していくことが大事ですが,そのとき学生を見ずにやっても思ったほどは効果が上がらないだろうと思います。つまり,学生にどういったことを前提として持っているのかを確かめることが必要なんじゃないかと思いました。

そこで初回にできる簡単なミニテストを作成しました。ポイントをまとめると

  • 短時間でできる

  • 簡単に実施(解答・採点)できる

  • 必要なことをそれなりに網羅している

の3点です。そのため次のような形になりました。

  • 全10問(1問30秒で解答すれば5分)

  • 短答式(マークはまぐれ,記述は面倒)

今回出来上がったもの10問は次のとおりです。

「日本語表現」基礎力チェックv.230328

PDFも置いておきます。

学生とひとくちに言っても学部・学科の違いもありますし(北星の四大は3学部7学科),推薦入試(総合型,学校選抜型)を経たか一般入試を経たかなんてのもあります。そういう変数を見るようなことをするのがいいのか分かりませんが,ひとまず23年度は設問ごとの正答率を見るつもりです。

作ってみて分かったこと

個人的には授業をやって気になったことをメモして同僚と情報を共有するなどして授業の改善はしてきたつもりです。ただ,あらためてこういうミニテストを作ると,自分が科目に何を求めているのかが分かってきます。

完成するまでにまずtwitterでブレスト的に問題と答えを出してみました(連ツイになってます)。

書いてみると最初に「知識の前提」と書いたせいもあり,「国語常識」というより文法的な事柄が多くなりました。

でもこれがやりたいわけじゃないよなと思い,授業で扱う語彙的なものや論理的なもの,ちょっとした作文も入れてみました。

授業というとゴールをよくイメージするのですが,同じぐらいスタートに求めることをはっきりさせておくことも大事だよなあというのを思いました。


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