渋谷区はハロウィンへの態度を変えたのか?
今年,渋谷のハロウィンに対する態度が急変したと話題になってました。拾いもので恐縮ですが,おおむね次の写真の対比で語られています。
これをもとに「渋谷区はハロウィンを呼び込んだ」ぐらいの勢いで書いている人もちょっと見られるのですが,注意が必要です。
まず,上の「ハロウィーンを渋谷の誇りに」の写真は2019年のもので,設置したのは渋谷道玄坂商店街振興組合です。また拾いものですが。
一方,下の写真は紛れもなく渋谷区が設置しています。つまり,看板だけ見る限り,渋谷区そのものは静観していたのだけど,あまりに大規模で危険なので禁止に近い態度を取ったようにも見えます。それより前に警察だって出ているわけですし。
渋谷のハロウィンを語る上で無視できないのはおそらくこの商店会です。『朝日新聞』には1993年の記事に仮装パレードが行われたことが掲載されました。その中に仮装パレードが92年から行われているという記載があります。
その後,しばらく新聞では取り上げられることはなかったのですが,2010年代に入って盛り上がったようで,2015年から新聞報道が多くなりました。
ただ,渋谷区が呼び込んだような記述はなく,むしろ着替えスペースやゴミ問題の対策に追われているように見えます。
そのあたりの対応は渋谷区議会の会議録にも見てとれます。ハロウィンに関して区議会で話が出たのは2016年(平成8年)です。そのときは次のように,着替えの対策などで協賛金を募り賄ったとあります。
そもそも上の「誇り」だって「盛り上げて」という意図ではなく,マナーを守って誇れるものにしようというものでした。
このあたりからも渋谷区のハロウィンに対する態度は変わっていないと見るほうが妥当でしょう。