見出し画像

番外編 in 福岡

今回のwish you were hereの対話は番外編で、福岡のいいかねパレット(の駐車場)で収録しました。

もりもとくんと二人で福岡に住んでいるYUKOさんに会いに行って、初めて対面でゆっくりお話したり遊んだりしてとても楽しい時間を過ごしました。

*以前YUKOさんがゲストに来てくださった放送と、YUKOさん(gagaさん)のnote、stand.fmもよければ覗いてみてください。とても素敵な方です。

wish you were hereの活動はもともと自死遺族の方たちと友達のように直接会って話したり遊んだりできたらいいなぁと思ってはじめた活動だったので、今回YUKOさんと直接お会いできてとても嬉しかったです。テキストやzoomでやりとりするのもいいですが、実際にその人が住んでいる町に行ってみることで、お互いの存在がより立体的に感じられるようになる気がします。

放送でも少し触れましたが、旅行中にYUKOさんがヨシタケシンスケさんの『もしものせかい』という絵本をプレゼントしてくれました。
主人公の男の子が大切にしていたおもちゃが、彼のもとを離れて「もしものせかい」に行ってしまうお話です。

とてもやさしい言葉で書かれているのに繰り返し何度も読みたくなるほど味わい深い絵本です。
この絵本のことと、福岡で3人で話したことを思い返しながら、改めてwish you were hereという活動について振り返りました。そして思うのは、この活動は決して自死で失った大切な人のことやその人を失った痛みや悲しみを忘れるためにやっているわけではないということです。

「もしものせかい」ーー大切な彼ら・彼女らがいたはずの世界が大きくなりすぎると、日常生活を送る足元はおぼつかなくなり、不安定で現実感がないような状態に陥ってしまいます。けれど、絵本のなかで作者はその「もしものせかい」を否定することはしません。むしろ、「もしものせかい」を大切にすることが、私たちが生きる「いつものせかい」を豊かにするといいます。

noteやwish you were hereの活動をはじめるまで、実は私はこの「もしものせかい」をきちんと認めることができていなかったのかもしれません。
母に過度に同一化し、母を死に追いやったものを憎み、そして自分自身もその一部であると罪悪感に苦しんでいるばかりで、母の存在そのものを認めることができていなかったのです。
けれどこの一年間で、心の中に思い浮かぶ風景が以前とはずいぶん違った優しいものになってきているように感じます。母のことを思い出すと今でも悲しくなることはあるけれど、母といて楽しかった思い出も最近はよく思い出します。

何が自分の薬になっているのかははっきりわかりませんが、誰かと体験を分かち合うことも悪くないなぁとしみじみ思っています。もともとは人と交流したりするのが苦手な性分ですが、柄にもなくこういうことを始めてよかったです。

wish you were hereの活動に興味のある方はいつでもお声がけください。一緒に話したり食べたり遊んだりしましょう。

いいなと思ったら応援しよう!