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ばあちゃんの退院に見た不屈の精神

私には祖母がいます。
といっても実の祖母ではなく、夫のばあちゃん。
大正14年生まれ、御年97歳。
今日はばあちゃんの退院祝いで、家族みんなで食卓を囲みばあちゃんの退院を喜びました。


97歳のスーパーばあちゃん

昔から働き者で、現在も自由が効かない体にむち打ち、おんばを押して畑や草抜きをこなすスーパーばあちゃんなんです。

夫が小さい頃から、共働きの両親に代わり食事や送迎、身の回りの世話をしてくれていたせいか、夫は完全にばあちゃん子^^;
今でこそ腰が曲がり膝に水がたまり、動かすのがやっとの状態ですが、日々のルーティンをこなしています。
20歳になった私の大学生の息子(つまりひ孫!)にも小遣いをやり、嬉しそうに会話を楽しんでいます。ありがたい・・・。
自分でできない剪定や家事などは、私や夫、両親に指示が与えられます。

つまり、うちはもうずっと前から婆ちゃんが一家の礎であり司令塔。

救急車で搬送、誰もが覚悟した

しかし2週間前、いつものように外作業をしている時に倒れてしまいました。重度の熱中症で、数分発見が遅れたら危険だったとのこと。
救急車で搬送され、意識ははっきりしているものの、酷い脱水を起こしていて、誰もが最悪の結果を覚悟しました。

万が一最悪でなくとも、入院生活は寝たきり状態になってしまうのではないかと。

幸い、ばあちゃんは熱中症は順調に回復し、ベッド上で見舞客と喋ったり、食事も「まずい」と悪態をつけるまでに。本当に良かった・・・

しかし、元の生活にはもう戻れないだろうと誰もが感じていました。
病院でも、すでに要介護状態で今まで介護施設やヘルパーの手助けなしに自立できていたことが不思議とも言われました。

2週間の入院、そしてリハビリ生活

超高齢ということもあり、万全を期して退院はなかなか決まらず、ベッド上で生活するばあちゃん。このまま介護施設へ入居の選択もありました。
果たして元通りに歩けるようになるのか?
自宅に帰ってこれるのか?
ばあちゃんが寝たきりになった場合を想定して家族会議が行われたりもしました。

そんな中、手すりを使った歩行のリハビリが始まり、ばあちゃんは辛いだろうけど愚痴一つこぼさず取り組んでいました。

気持ちを切らさなかったものは

入院当初からずっと変わらなかったもの、それはばあちゃんの「家に帰りたい」という気持ちでした。
ここで諦めたら家に帰れない・歩けなくなる
それをばあちゃんもわかっていたのです。
談笑しようとも、悪態をつこうとも、辛いリハビリだろうとも、その思いだけはずっと変わらなかった。

「ばあちゃんがせんかったらこの家は草に覆われるわ」
「ばあちゃんがせんかったら誰がするんや」
が口癖のばあちゃん。
強い使命感とともに、諦めない不屈の精神でがんばり、見事に退院を果たしたのです。

ばあちゃんに見た、不屈の精神

97歳のばあちゃんの中に、静かに流れる不屈の精神を見た思いがしました。
誰ががんばれなんて言えるでしょうか?
戦争や戦後の混乱を生き抜き、孫に渡るまで長い子育てをこなし、じいちゃんや兄弟姉妹を見送り・・・
本当に偉大な姿です。
それでもなお、頑張り続けたばあちゃん。
決して多くを語りませんが、家に帰ることを目標に不屈の精神を持ち続けていたのです。
それに比べて自分はまだ何も成し遂げていない・・・と小ささを実感させられました^^;

家に帰ってきたばあちゃんは少し痩せた気がしました。
しかし、料理を美味しそうに平らげ、お祝いに買ってきたチーズケーキもぺろりと食べ、元気そうな姿に安心です。

とはいえ、これがスタート地点。
要介護には変わりないし、これからどうばあちゃんを支えていくのかはこれからの問題。
偉大なばあちゃんをこれから支えていかなければ、と思いを強くしたのでした。

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