リーダーはコントロールしようとしない人 「リーダーシップの旅 見えないものを見る」 読了
日本には人をコントロールしたいけど、リーダーにはなりたくない人が多いのかもしれない。この本を読み終えて最初に思ったことです。
神戸大の金井先生の本は学生時代からちょくちょく読んでいましたが、共著者の野田さんという方は存じ上げませんでした。この本はどちらかといえば野田さんの考え方がメインで金井先生補足説明という形式で進んでいきます。
リーダーシップとマネジメントは違う
まぁそうだよなぁと思いつつも、改めて言語化して「リーダーシップとマネジメントは違う」と言われると、そこそこインパクトはあります。部下がいなくても個人事業主でもリーダーシップを発揮する人は確かにいますし、逆に立場は管理職でもまったくリーダーシップ発揮できていない人や、ただ高圧的に人に指示をしたり人をコントロールしようとしたりしているだけで、まったくリーダーシップ発揮できていない人もよく見ます。
指揮系統下にいない応援団がどれだけいるか
リーダーシップがマネジメントとは違うなら、どんなものがリーダーシップなのかは本書の中に色々と書いてありますが、個人的に一番しっくしきたのは「指揮系統下にいない応援団がどれだけいるか」という言葉。金井先生が書かれているのですが、一応本文では「企業内でリーダーシップを測定するとしたら」という前提がついています。
個人的には企業内に限らず、指揮系統下にいない応援団の数はリーダーシップを図る測定指標になり得ると思っています。
リーダーに必要な要素は「わくわくさせてくれる」
コントロールはしたいけどリーダーにはなりたくなり人が多いのではないかというのは、高校生向けのキャリア教育をしているときに強く感じます。クラス40人に対して決まった時間内である程度決まったコンテンツを提供するには、時間のコントロールや場のコントロールは非常に重要です。私もよく振り返りのときに「今日はコントロールを失ってしまった場面があった」という言葉を口にします。
キャリア教育の授業でこの人うまいなぁという講師の方は、客観的に見て生徒をコントロールしようとしている印象を受けません。むしろ、生徒がわくわくするように仕向けていきます。わくわくさせてくれる人の話しなら聞いてくれるというわけです。あまりうまくないなぁという人は「静かにして!」と大声を出したり、逆に静かになるまで徹底的にだまりこんだり。どうしてもコントロールしようとしている感が出てしまうのです。私もですが。
コントロールを手放すとうまくいく?
私自身も最近2つのプロジェクトを立ち上げました。そのうちの一つ早期離職白書2019の作成は、これまでも2013、2016と発行してきたものの第3弾ですが、3回目にしてプロジェクトがうまく回っている感触を得ています。たぶん、私自身が良い意味でコントロールを手放しているからかもしれません。