在宅介護14〜誤嚥性肺炎〜
皆さん、こんにちは♪
#医療系事務職員応援隊の長幸美です。
まだ4月だというのに、躑躅も石楠花も満開で・・・昨日など、日中の気温が27℃もあって、春を飛び越えてすでに初夏の陽気です。
庭の花々はお水が足りていないのか、元気がないような気がします。
私も、さっそく暑さで体がだるくなっています。
さて、我が家の在宅介護を折々に触れて綴ってきましたが、介護していく中でどうしても避けては通れない、「嚥下」の問題に触れてみたいと思います。私は「嚥下」のプロではありませんから、ためになることなどをお話しすることはできませんが、これから介護に向かわれる方が立ち止まって一緒に考えていけるといいかなと思います。
始まりは「これ硬いね」
もともと白ご飯も、標準の水の量から、少なめにして硬めのご飯を好んでいた父が、いつのころからか、柔らかい麺類を好むようになりました。
硬いお肉でも、例えば砂肝や軟骨のから揚げなど、コリコリとした触感のあるものを好んでいたし、筍は穂先よりも根元の硬い部分が味があると好んでいたのですが、かまなくてもよいものをいつの間にかチョイスするようになっていました。
少しずつ変化してきたので、私もあまり意識したことが無かったのですが、筍は穂先の柔らかいところ、ブロッコリーはくたくた。野菜スティックなんてもってのほか・・・
なのに固焼きせんべいやかりんとうなどは食べる・・・
どうしてお菓子だと硬くてもいいのかしら???
食事中の咳込みもシグナルの一つだと思います。
特に後から考えると、うどん・チャンポン、お味噌汁やスープなど、具が入っている汁物を食べるとき、それと冷たいお茶などに、咳込みがあったような気がします。当然ですが、「そげん焦って食べんでも・・・」と笑い飛ばし、気にも留めていませんでした。
これは、私にはメカニズムも分かりませんし、正しいかどうかもわかりません。けれど、いま、思い返してみると、これが嚥下の問題の始まりだったかもしれません。
ごはんが呑み込めない
昨年のゴールデンウィークくらいからだったでしょうか?
調子がいい時と悪い時の差が激しくなってきて、ご飯を途中で食べなくなってきました。食べるのを諦めるというか、食事していることを忘れるというか、止めるんですね。食事介助をすると、口を開けたり、開けなかったり。
しばらくするともぐもぐ初めて、口の中にいっぱいご飯を入れたまま、なのです。それでも、はじめは後半部分もしくは、食べかかりのところで食事介助をすると、8割以上は食べてくれていたのですが、梅雨後半になってくると半分くらいしか食べないことも多くなってきました。
この時には、病院時代に認知症の方で、途中で自分がやっている動作・・・つまり食事をしている・・・を忘れてしまうので、様子を見ながら食事介助を行うことを聞いていましたので、私も、食事を様子を見ながら食べさせるということをしていました。
母は、おなかがすくだろうからとお饅頭や羊羹などを食べさせるため、食事量は減っているのに、体重は増え、HbA1cの値も若干上昇傾向にありました。
それでも、極端にせき込むことはあまりなかったのですが・・・
グループホームに入所
朝の起き上がりや移動、食事介助等、ほとんどの日常生活動作について介助が必要になり、私自身の仕事にも影響が出てきました。
夜中しか仕事ができないのです。昼間はデイサービスを利用している10時頃から16時頃まではいいのですが、利用回数が毎日ではないので、デイに行かない日は、日中は細切れに父を看ながらお客様への対応を中心に行い、情報の収集や資料整理・作成等を集中的に行う生活が続いていたのです。外勤に出るときは、妹に来てもらい、サポートしてもらっていました。
在宅での介護の限界を感じ、グループホームを探し、入所したのですが・・・
入所前には、反応もいいので、日常生活は一緒に行います。といわれていましたが、翌日には、足元が不安定なのでと車いす生活。
2週間くらいで、血糖コントロールが悪い(HbA1cが10に近づいていた)のでとインスリンを勧められ、あっという間に褥瘡ができたため、ベッド上安静・・・その間に、分厚い靴下の購入や車いす用のクッションや褥瘡用の介護用スリッパの購入、など・・・。
この間に嚥下状態も悪くなり、時々熱を出すようになってきていたそうです。咀嚼することはできているといわれていたのですが、やはり飲み込む・・・ということが難しくなったのでしょうか。
よく噛んで飲み込むメカニズム
嚥下の検査や歯科の先生方の勉強会に参加させてもらい、VFやVEのビデオを見せてもらう機会がありました。その中で、嚥下訓練や嚥下障害の方の仕組みを説明してもらいました。VFは嚥下造影検査、VEは内視鏡下嚥下検査です。
それを見てみると、口と舌と喉の複雑な動きにびっくりしました。
子供のころ「よく噛んで食べなさい」といわれていましたが、「噛む」という行為をしながら、舌で飲み込みやすいように丸めて、のどの奥に移動させ、気道側をふさいで、飲み込む・・・といういくつもの動きを組合わせて、複雑な動作を行っているということを説明してくださいました。
鼻から内視鏡を入れ、飲み込む仕組みを見ていると、咀嚼してもまとまらない・・・だらだらと流れているパターンや飲み込む少し手前の部分にくぼみができ、そこに残渣が残ってしまうこともあるということも・・・
それが間違えて気管に入ってしまい、若年者であれば、せき込むことで、その遺物(残渣)を外に出すことが出来るが高齢者になってくると、気管を閉じることもしっかりできなくなり、せき込む力もなくなり、異物を外に出せなくなり、誤嚥性肺炎が起こる、という説明もありました。
おわりに
認知症に限らず、高齢者は、ひとつずつできていたことが出来なくなります。いつかは私も通っていく道だと思います。
食べ物を口にもっていき、咀嚼して飲み込む・・・
いま、私は、何も考えずに当たり前に行っていることが、実はいくつもの動作を組合わせて行っていた複雑な動きだったことに驚きもし、早い段階で、何らかの手立てができていたら、経過を少し遅らせることが出来たのかもしれません。皆さんの中に、あれ?と気づく方があった場合、歯科や高齢者の内科の先生、内科で言語聴覚士さんがおられる医療機関に相談して見られてください。何か良い手立てやアドバイスがもらえるかもしれませんよ。
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