【インターネットと政治】トランプ大統領の登場①そして「白人ナショナリズム」だけが残った?
やれやれ、大変な事になりました。
より具体的には、2010年代前半に全盛期を迎えたTumbrにおいて、2016年度米国大統領選挙以降は自らが「中道右派と中道左派の寄り合い世帯」である事を強く意識せざるを得なくなった事に触れざるを得なくなりました。「アメリカの政治的分裂」の巻き添えになる形での衰退の始まり…とてつもなく面倒なので、これまでずっと後回しにしてきた難問…
事件そのものの詳細については追加報道を待つしかないとして、「共和党員として登録されている」という話が出た時点で日本ではあまり知られてない「米国中道右派」なる存在が視野内に入ってきた訳です。今回の投稿ではその概要についてかいつまんで説明していきたいと思います。
複雑怪奇極まる「オルタナ右翼(Alt-Right)」概念の出自
本当に複雑怪奇極まる話題なのでサブテキストを導入します。
こう紹介されると確固たる政治的集団として颯爽と現れた様に見えますが、さにあらず。そもそもの大源流は「自らは決して動かない(煽動専門の)」ネット上における比較的小規模な不平不満層に過ぎなかったのです。
後世における分析ではそんな感じになるのでしょうが、そもそもかかる「自らは決して動かない(煽動専門の)不平不満層」はある意味、終始4chan上やReddit上にしか実在しなかったのです。この辺りの事情については。当時彼らの内幕に食い込む事に成功した映画評論家町山智浩がかなり貴重な証言を残しています。
ここで思い出したのが「マクスウェルの魔」の話。
確かに永久機関は不可能だが、一見そう見える準安定状態なら構築可能。
その為に「マクスウェルの魔」は全体規模からすれば無視可能な微量の規模で観測し、判断を下し、動作する情報系を備えねばならない。
そう、鍵を握るのはホルモン、フェロモン、そして「(同様にそれ自体はほとんど実体を持たないが、時として絶大なる反応を引き出す)言葉」…
こうして町山智浩が見出したゲッベルス・タイプ、すなわち「絶え間なくJokeを連発し続ける事で自分を常にHighな状態に保ち続けようと努力し続けているが、その正体は自らは何も信じてないニヒリスト」は2010年代前半に遡っても存在していて、盛んにTumbrにオルグを仕掛けてきたのです。これがいわゆる「Tumbr-4chan war」…
この「Tumbr-4chan war」、後にTumbrが衰退した事からTumbr側の連戦連敗だった様に言い伝えられています。
まぁ「歴史書は生存者だけが書き残せる」というアレである。
しかし実際には当時Tumbrに陣取っていた以下の二大勢力の連戦連勝だったのです。
第三世代フェミニズム集団…この頃ネット最恐集団を形成していた小娘集団を従え、彼女達が好んだVocaloid初音ミクを旗印に掲げる。
コスプレイヤー=トランスジェンダー連合…当時多くの女性コスプレイヤーに好まれていた「デュラララ!!」平和島静を旗印に掲げる。
それもそのはず、定期的に反ユダヤで反LGBTQAの宗教右派論客(全大文字のCHRISTIANs)の攻撃に曝され続ける関係から極めて戦闘的に組織されており「集団戦(という名のネットリンチ)を組織出来ない」4chan-Reddit側にまっったく勝ち目などなかったのです。
実は4chan-Reddit連合側は最初から「会戦における敗北」など織り込み済みで、その後「あえて捕虜になり(会戦用に新設したアカウントで目覚ましい活躍をした敵アカウントをフォローする)」、日常的やりとりに突如割り込んで暴れるゲリラ戦術を本命としていた節も見受けられる。しかし「捕虜」の数に対して炸裂した「人間爆弾」の数は圧倒的に少なく、彼らの多くはそのまま定住してしまった様なのである。その意味合いにおいてこの作戦もまた失敗に終わったといってよかろう。
さらにいうなら、本来4chan-Reddit連合が本来標的とすべきだったのは、同じTumbrに本拠地を構えBLM運動を暴動や略奪に発展させて喜んでいた「オルトライト」こと無政府主義者集団(全大文字のANAECHISTs)で、信条的にそれほど差のない第三世代フェミニスト集団やコスプレイヤー=トランスジェンダー連合を「主敵」に選んでしまったのは、ある種の誤爆だったという話もある。実際には4chan-Reddit連合と無政府主義者集団(および彼らと近い立場にあり、かつ第三世代フェミニスト集団と近親憎悪関係にあった第四世代フェミニスト集団)の直接の激突はついぞ発生しなかったのであった。今から思えばどちらもフェイク情報を大量に流して人を扇動する戦闘スタイルである為、衝突したら大混乱が生じる可能性がある為、迂闊な接近を避けていた可能性もある。
なお、ここでいう「集団戦(という名のネットリンチ)」は、同じくTumbr上に割拠していた似非リベラル集団に恐る恐るTwitter(現X)で模倣された可能性がある。第三世代フェミニズム集団やコスプレイヤー=トランスジェンダー連合にはその適用について厳格な運用基準があり、それを破って恣意的目的でこの戦法を用いる小集団は必ず逆包囲して殲滅してきた。状況によってはよっぽど冷酷無惨な使い捨て戦術を用いる第四世代フェミニスト集団の姉様達からすら「どうして身内をそこまで冷徹に粛清出来るのか」と恐れられていたが「コミュニティの治安を守る」とはそういう事である。似非リベラル集団がTumbr外でしかそれを遂行しなかったのも、その標的とされる事を恐れたからかもしれない(ただし2010年代後半には主力の小娘層がInstagramに流れ、第三世代フェミニスト集団そのものが事実上霧散)。
この辺りの情報、ロシアにとって都合の良いトランプ候補を大統領選で勝たせようとする工作が及んでいた可能性があるので完全に鵜呑みには出来ない。「驕れる似非リベラルの振る舞いにも多少の行き過ぎはあった可能性がある」傍証くらいに考えておくべきであろう。
この様に、4chan-Reddit連合のTumbrへの「オルグ(スタート地点はあくまで「どれだけ強い反応を引き出せるか」を巡る興味本位のゲーム感覚)」はほとんど成功らしい成功を収めなかった訳ですが、「流行SNSの変遷についていけず取り残されたメディア・リテラシーの低い保守的な人々」が濃縮残留していたFacebookにおける「オルグ」は様相が全く異なりました。取り残された彼らのルサンチマン、すなわち白人ナショナリズムや「黄金の米国50年代」を理想視するペイリオコンを巡る扇動で大量のインプレッションを得たばかりか、その筋の人々からの資金援助まで引き出す事に成功したのです。
以下の投稿において同時期「投稿者側視線におけるインプレッションのマネタイズ手段の確保」がSNSにとって重要課題となり、そのハンドリングの巧拙が以降のYoutubeの栄達とTumbrの没落を定めた事を指摘した。そう2010年代前半には単なる「どれだけ強い反応を引き出せるかを巡る興味本位のゲーム」に過ぎなかったネット上の営みが、2010年代中旬以降は次第に実益を兼ねたビジネスに進化したのである。
2016年米国大統領戦当時における主要フェイクニュース発信先の一つだったマケドニアでは「騙されないSNS急進派は金にならない。狙うならメディアリテラシーの低いFacebook保守派」なるコンセンサスが存在したという。やがてマスコミがこの動きを感知して「オルタナ右翼」なる存在が世に知れる様になっていく。
そして…
こうやって「霞の様に輪郭の曖昧な欲望が思わぬ過程を経て白人ナショナリズムなる実態を得ていくプロセス」を図示化してみました。
選挙戦が一段落すると「オルタナ左翼=無政府主義者集団(ANACHISTs)」はいつもの様に特殊部隊によるミッションの如く跡形も残さず消え去った。ロシア工作も、それがどれだけの規模で存在したにせよ、同様に闇から闇へ…
「マケドニアのプロパガンダ工場」は健康グッズ市場などに転線。
4chan-Reddit陣営のうち、トランプ陣営や白人ナショナリズムに深く関わり過ぎた一部以外は普段のネット生活に回帰。
ユーザーをYoutubeやInstagramに奪われたTumbrは、小娘層や第三世代フェミニスト集団の消失、中道右派と中道左派のの分断などが重なって緩やかな衰退期に突入。2019年の大粛清でネットへの影響力を喪失。
それでは残されたFacebook保守層はどうなったのでしょう? もちろんトランプ支持層に合流した彼らは、ただでさえ不器用なので「いちご白書をもう一度(1975年)」に歌われた「学生運動が終わったから髪を切ってスーツを着て普通に就職する」的な「時宜を見計らっての器用な転身」は不可能だったという次第。
まるで聞こえてくる様ではありませんか。「魔法使いの弟子」のあのメロディーが…「ファンタジア」のあの映像が…
そして「白人ナショナリズム」だけが残った?
それにつけても…カール・マルクスは「我々が自由意志や個性と信じているものは、社会的圧力によって型抜きされた既製品に過ぎない」と述べていますが、それどころじゃない、ほとんど「使い捨て」としかいいようがない杜撰な運用。
散々金儲けに利用しておいて、ヤバくなった頃にはもうその場美にいない。暴走しても完全に他人面で一切責任を取ろうとしません。この辺りの無責任さは無政府主義者(ANARCHISTs)にも通じますが、それならそれで最初から「公共の敵(Pubric Enemy)」を自認し、忍者の様に陰に徹し、最初から救済の可能性自体を仄めかさない彼らと果たしてどちらがマシといえるのか…
そもそもトランプ政権下でも露骨なナチス礼賛者やKKK礼賛者や小児愛の容認者はたちまち追放に…
ところで、これまでの話には米国中道右派の話は一切出て来ませんでした。2010年代前半には未発見だった事もありますが、とりあえずこうした一連の流れとは全く関係ない存在だからです。それが証明出来た時点で以下続報…