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料理経験ゼロから毎日料理をするようになった話

結婚をしてから料理をするようになった。
20代は激務で朝7時に出社して24時の終電で帰ることが常態化していた。
朝はコンビニでおにぎりか菓子パンを買い、昼はマックか会社の近くにあるカフェでコーヒーを飲んでパスタを食べた。
夜は近くのデパートが値引きする頃合いを見計らって買いに行った。もしくはコンビニ弁当を買って食べた。
とにかく家事をする時間がなかった。同期に負けたくなかったので、とにかく働いていた。生活は後回しだった。
このままではいけないと思って会社を辞めて、そのまま独立した。

独立してからはマイペースだった。自分のやりたい仕事をして、無理に働くことをやめた。頑張りすぎたせいか会社を辞めたら、あんなに頑張って働いていたのが嘘みたいに無気力になった。やる気が起きない。
それでも焦ることなく淡々と日々を過ごしていた。

ある時、素敵な人に出会った。その人が、今の妻である。12月25日に初めて出会った。翌年の1月10日に付き合い始めて、同年4月に入籍した。信じられない早さである。

とても嬉しかった。ずっと無気力だったが、少しずつ満たされていく感じがした。感情が強く動くようになった。会社勤めのとき、私は怒らなかった。どんな嫌なことがあっても、まぁそんな人もいるよなと思うようになっていた。今思うとうつ病だったのかもしれない。

結婚をしてから私は家事をするようになった。洗濯や洗い物を始めた。料理はやったことがなかったので、洗い物を担当していた。

タイミングを忘れてしまったが、私は料理をするようになった。私の故郷では男は台所に立ってはならないという教えがあった。しかし、母親はいつもその教えに反対していた。いつか大人になったら家事を手伝うようにと言われていた。その言葉は、なぜか一度も忘れたことがなかった。

料理は大変だった。包丁もまともに握ったことがないし、火をつけることが怖かった。上手く引火できずにガスが充満して爆発したらどうしようと本気で思っていた。

最初に作った料理はシンプルな醤油ラーメンだった。温めたスープに野菜と麺を一緒に入れる。料理と言っていいのかわからないが、そんなところから始めた。

私は小松菜を切ることができなかった。だから、小松菜を丸ごと茹でてラーメンに入れた。我ながらよくできたと思ったが、妻から小松菜は切っていれると言われ、焦って包丁を持ってきてラーメンの器の中で小松菜を切ろうとした。妻は驚いていた。

そこから、どうやって料理を学ぼうかと本気で考えた。まずはYouTubeで料理系のチャンネルを観るところから始めた。実践が伴わないとなかなかイメージがわかない。そうなんだ~くらいにしか思えなかった。

次に料理教室を検討した。ガラス張りのスタジオで先生に教えてもらいながらハンバーグを作った。完成後に妻と食べた。これは通えなくなりそうと思った。時間と工数がそれなりにかかるのできついと思った。

次に本を読んで学ぼうと思った。本屋へ行っていろんな本を見た。でもどれがいいのかわからなかった。それに、レシピを見てもわからなかった。具体的にいうと野菜の切り方や焼き加減、調味料の分量を読んでみても、完成形のイメージとつながらなかった。よく本を読む方だが、レシピ本はきつかった。

いろいろ試してみてわかったことは、結局料理とは技術を習得することなのだと思った。技術を習得するということは、作る時間をまずは確保しなければならない。
そして、料理を作って完成させて、食べてもらうまでの一連の流れを回す頻度が多くなければならない。上流工程から妻に提供するまでの回数をとにかく増やさなければならない。
これをどうやって実現しようかなと思ったときに、妻がすごいものを見つけてくれた。
料理がモジュールで届くというものだった。Oisixというサービスで、1週間に2食分届く。(数量は調整できるのかもしれない。)

これが便利なのは、レシピと材料がまとまって家に届くところだ。材料を買いに行くことが煩わしいのだが、必要な分量がまとめられている。そのため迷わなくていい。レシピも少ない工程で作れるものなので、私も始めやすかった。

作る時間は1時間以内にできるので、週末のお昼ご飯を私はこのサービスで作るようになった。
最初は自分で材料を買ってきて、自分の好きなものを作りたいと思っていたが、それは結構大変だった。あと、材料に余りが出た時にもったいない。余りものから作りたかったが、それも初期は技術がなくてできなかった。それまで全く料理をしてこなかったので、作りたいと思っても調理器具や調味料がないことが多かった。(妻は私と違う料理を得意としていたため、必要な器具や調味料が異なっていた。)

いつかは自由に作れるようになることを夢見て、ひたすらOisixで料理を作った。実際につまずきながらも1年くらい続けた。途中で時間がなくて、作らない週もあった。結局料理ができるようになるということは、料理を作る習慣がある状態なのだとわかった。
今では、時間に合わせて料理を作れるようになったし、余りものから逆算して作れるようにもなった。数年前の私では想像もつかなかった状態になっている。
もし、料理を作りたいけど、何から始めていいか分からないという方がいたらこの方法をおすすめしたい。
一応断っておくと、Oisixの広告をしたいわけではなく、具体的な方法がわかったほうがいいと思うので名前を記載している。同じようなサービスは他にもあるかもしれない。

最後に、私がこんなに作るようになったのは、きっかけをくれた妻のおかげである。そして、作ったものを毎回喜んで食べてくれるおかげである。感謝している。

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