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メキシコのスペイン語とアラビア語の関係、薔薇の女王・ダマスクローズが香るシリアへの想い

僕は、今メキシコに住んでます。
本来ならメキシコシティに住んでいるのですが、コロナの事情で、現在は郊外で人が少ない、自然に囲まれた山奥にいます。

ここは、ミチョアカン州トラルプハウア(Michoacan, Tlalpujahua de Reyon)という村。なんと, トラルプハウアと同じ(ような)名前(発音)で呼ばれている山が、僕の故郷のシリアのスウェイダにも存在するのです!
アラビア語では、「 تلال ابو هوا(Tlal Abu Hawa)」と書きます。
意味は、「風吹く山」です。アラビア語では、「Tlal」は、山を意味します。

地元のメキシコ人に聞いたら、何と、この村名のTlalpujahuaも同じ意味だという事で、びっくりしました!
でも、改めて調べると、アステカ文明のナワトル族の言葉からきているようで(意味は、「柔らかくて歪んだ土地」みたいな意味らしいです)、近隣の村(岡・山)は、Tlalpujahuilla, Tlacotepec,と、似た名前があるので、もしかしたら教えてくれたメキシコ人が他の近隣村山の本来の意味と間違えているのか、気を使って僕の情報に合わせて答えてくれただけだったのか、本当の事はわかりません。でも、間違えたとしても、どこの地名もTlal(山)とついているし、本当に山(もしくは岡の上)にある村名だし、アラビア語(が使われている地域の文明)の方がAztecaよりも歴史があるし、やっぱり何かどこかでアラブの文化が関係しているのではないか、と思ってしまうんです。僕の調査は続きます。。。

メキシコには、原住民の言葉を用いた地名や名称が沢山あります。
更に、昔のスペインとアラブ文化の繫りから、スペイン語にはアラビア語が語源となっている言葉や表現も沢山あるのです。
そのため、メキシコにはスペイン語らしくない地名や名称をよく目にします。

例えば、
・Guadalajara ・・テキーラで有名なハリスコ州の都市(且、メキシコ第二位の産業都市)の名前ですが、スペインのグアダラハラ市から来ています。本来の語源はさておき、一般の歴史上では、昔、アラブ人(イスラム教)がスペインを戦略した土地なので、アラビア語が語源となっている地名となっています。アラビア語では「وَادِي ﭐلحَجَارَۃ‎」と書き、「石の谷」という意味です。
・Guadalupe ・・アラビア語の女性の名前からきています。グアダルーペのマリア様からわかるように、とても良い女性という意味です。
・El arroz ・・スペイン語の「お米」は、アラビア語でも「الرز (Al roz)」です。
・Azucar ・・スペイン語の「砂糖」は、アラビア語でも「السكر (Al zucar)」です。
・La fresa ・・スペイン語の「苺」は、アラビア語でも、「الفريز (Al frez)」です。

スペイン語の「Ojala ….. 」(英語のI wish/I hope…や日本語の願望を表す「神様、、どうか xxxxでありますように」みたいにあたる表現)も、アラビア語の「يا الله (Ya alla)」からきています。(アラビア語でも同じ意味・表現に使います。Allaは神様です。)

話をTlalpujahuaに戻しますね。
Tlalpujahuaは、メキシコ政府観光局に「Pueblo magico(魔法のように魅惑的な場所)」と指定されている観光地の一つです。
メキシコシティのように大きな街ではないですが、こじんまりしていて、よくドイツ人とか欧米の人が休日のバケーションに来ています。車のナンバープレートをみると、すぐにわかります。彼らのナンバープレートには、ドイツや欧州連合の国旗が誇らしくついているので。(メキシコにはVolkswargenの工場があるので、工場に近い地域(といっても、ここからVolkswargenの工場は違う州だし結構離れてますが。たぶん、車で5時間位かも。。!?)にはドイツ人駐在員が沢山います。そして、この村でもローカルのメキシコ人がVolkswargenに乗っているのをよく見ます。)
Tlalpujahuaはどんな事で観光名称なのかというと、隣町のEl Oroと並んで、かつては世界有数の「金」発掘の地で有名だった事だそうです。近年はクリスマスツリーの飾りを作っている事で有名になっています。

今は、パンデミックで、街はガラガラなので、たまに用事で行くには人手が少ないので少しは安心です。

写真は、2020年4月で、パンデミックが始まった頃で(メキシコは3月くらいからパンデミックを騒ぎ出し、この村は少し遅れて4月くらいから外出規制がでてきました。街の中はガラガラでした。)

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(写真)ガラガラのカフェのテラス席で教会(を眺めながらModeloのビールで乾杯!(因みに、Modeloは、Covid-19の影響で生産停止になったコロナビールと同じ会社のビールです。)

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(写真)カフェテラスから見えるカトリック教会に行って見ました。

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(写真)教会の天井には、なんと、フリーメイソンのシンボルが!ここの歴史やフリーメイソンとの繫りも気になるので、今度調べようと思います。

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(写真)パンデミックで、薬局もこの通り。きちんとお店の中はプラスティックガードで保護されてます。勿論、アルコールジェルも至る所に置いてあり、街中マスクなしでは店内に入れません。

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(写真)この村では、クリスマスツリーやクリスマスツリーの飾りを手作りで作ってます。街のある一角、クリスマス村。

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(写真)夏でもクリスマスツリーを売ってます。

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さてと、いつもの帰り道は、山道ですが、雨さえ降っていなければ、小さな村の教会(上の写真とは違う教会)に立ち寄ります。
理由は。。。。この教会の入り口に、ダマスクローズを発見したからです!いつもこの辺の山も中をバイクで乗り回して色んな景色を見ていて、ここの土壌は赤茶色(鉄分を沢山含んでるため)してて、スウェイダに似ていると思ってたけど、まさかダマスクローズに出会えるとは!!!本当に感激しました!!
ダマスクローズ、、何とも言えない上品な香り。。遠い故郷のシリアを思い出します。シリアの実家の庭にも、祖父母の家にもダマスクローズが沢山ありました。スウェイダの至る所にあって、近くにいかなくても、その道を歩くだけで上品な香りが漂ってきます。。なんて懐かしいんだ。。     シリアがこいしい。。

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懐かしすぎて、いつも自分で手入れしたくなります。今いる村中を聞き回って探し回っていますが、他には見つかりません。因みに、スペイン語(というか、ここの地元の人達だけかな?)だと、「Rosa de castillo」と言うそうです。(でも、これも調べると、違う種類なような気がする。。。メキシコ人ってちょっといい加減ですね。苦笑)

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この秘密の場所から、僕はいつも少しだけ花びらを分けてもらいます。そして、家に帰ったら、自分のご褒美として、良い香りを存分に嗅いで(自称アロマセラピー)、それから花弁を解体して干して。。。

干した後は、お楽しみレシピに風変わります!薬膳に使ったり、あるデザートの調味料にしたり、飲み物にしたり。。沢山ありすぎるので、今度、詳しく描こうと思います。あまり知られていないダマスクローズとドゥルーズ(Druze)の関係もあるので、いつか投稿したいです。

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それにしても、今は8月だというのに、ここは標高3,000M近くもあり、更に冷たい雨がほぼ毎日降っていて、とても寒いです。。。(朝晩は10度くらいに冷え込み、日中も15度から〜18度くらいです。かつてメキシコはこんなに寒くなるとは想定してなかったため、どこの家も暖房はないらしいです。スウェイダも寒くなるけど、冬だけです。)

次は暖かいところに行きたいなぁ。。。







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Yazan@コロンビア生まれのシリア人、スワイダ出身。一期一会の世界を旅して愛して哲学するアラブ人。
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