夏目漱石の三部作の感想文
最近、友人のおすすめで夏目漱石の作品を読み始めた。
「三四郎」、「それから」と「門」の三部作を読んでみた。友人の話によると、この三部作は夏目漱石のシリーズ作品で、今の順番で読むと物語の流れがわかりやすく、連続性をもっと感じられるそうだ。
というわけで、「三四郎」を最初に読んで見た。三四郎は進学のために、故郷を離れて東京へやってきた。新しい物事に対する好奇心や、多様な人間との出会いは、田舎出身の三四郎にとっては極めて刺激だった。しかし、この作品を読み終わっても、印象に残るようなエピソードがなかったというのが正直な感想だった。強いて言えば、三四郎の母が上京した三四郎に送った手紙の内容がまあまあ面白かった。特に、田舎特有な文化習慣、人間関係や価値観などである。私も小さな村で生まれ育てられた。この村は全部で100人くらいしか住んでいなくて、村人同士は互いを助け合いながら暮らしてきた。そのため、近隣関係がとても緊密で、ほとんどプライバシーがなかった。私が15歳の時に、その村を出て大都市へ出た時に、母親、姉と村人が私を見送ってくれた時の心境と、三四郎の体験となぜか共通している気がして、この作品を読みながら自分の過去を振り返って、心の中が温かくなってきた。
「それから」は、自分にとっては、この三部作の中で一番印象深い作品である。特に、主人公の代助について、最初のところでは「現実世界から離れた人間」「頼れない人間」「生きがいを感じられない人間」というイメージが強かった。しかし、三千代に再会して、かつての恋心が再び蘇ってきた代助が全く異なる人間に生まれ変わった。そして、代助は「現実を見極めた人間」「責任感が強く頼もしい人間」「真面目に考えて生きている人間」というイメージへと変化した。この主人公に関する描写、特に前後の部分が対照になっているところが、自分にとってはこの作品の最も魅力的な部分である。また、作品の中で、この主人公についての描写を通して、人間の心理をよく分析し、よく考察できていると感じた。
「門」は、「それから」の続きとしてすごく期待していたが、予想していたの展開がなく、何か物足りないと感じた。おそらく主人公の宗介とお米が作品の中で最初から最後まで平和に生活していて、大きなトラブルや出来事に遭わずに終わってしまった、という物語に対して物足りなさを感じていたかもしれない。途中、安井が一瞬現れたという噂があって、宗介も一時的にお寺へ逃げたが、それも特にその後の二人の生活に特に波紋を起こさなかった。この「門」にもまだ続編があるのではないか、と読み終わった後に勝手に思い、すっきしない感じがした。
以上、私が読んだ夏目漱石の三部作の感想である。夏目漱石の文章は本当に読みやすくて、内容もそこそこ面白いから、これからも読み続けたい。