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アメリカ大統領選挙の結果が出た日から、寝不足が続く


知りたい欲に負ける

突然ですが、2001年の9.11を覚えているでしょうか。
もう20年以上前ということが信じられませんが、
あの時、ニューヨークのツインタワーに飛行機が突っ込むという
テロ事件が起きました。
世界のリーダーとして堂々たる地位にいたアメリカの、
経済面では最も中心的な存在「ニューヨーク」が攻撃されたことは、
「アメリカは強い国」と信じていた人たちに大きなショックを与えました。私もその一人です。

私の父はその頃、ニューヨークで働いていました。
マンハッタンのど真ん中、ミッドタウンにあるビルのオフィスにいて、
ビルから出られなかったそうです。
事件の直後は街は混乱状態でした。
ニュージャージーに住んでいたのですが、
交通網は混乱していたので、父は翌日になってようやく
何とかニューヨークとニュージャージーを結ぶジョージワシントンブリッジまで歩くことができ、母親がそこまで車で迎えに行きました。

記憶は曖昧ですが、私は事件が起こった時間帯は学校にいました。
私の父同様、友人の親の多くはニューヨークで働いていたので、
被害者や目撃者がおり、みんな心配をして子どもを迎えに来たり、
泣いたりしていたのを覚えています。
私はといえば、あまりに映画の世界のような話なので、信じられず、
友人から話を聞いた時に「何言ってるの?冗談でしょ?」と
言ってしまったのを覚えています。

日本人の友人のお父さんは、日系企業がたくさん入っている
ビルの地下に車を停めていたので、車が潰れてしまったと
言う話も聞きました。

私はアメリカの定番報道番組CNNの映像を何度も見たのですが、
何度見ても現実とは思えませんでした。
それくらい、今まで見たことのないもので、ショックでした。

「すごい音がして、窓から外を見たら、ビルに飛行機が突っ込んでいた。」
「信じられなくて震えている。」
それ以来、あまり話を聞いたことがありませんが、
帰ってきた直後の父の言葉が忘れられません。

それから私はThe New York Timesの戦争関連の記事を毎日、
隅々まで読むようになりました。

友達に言えないくらい本当に隅々まで…。
CNNの映像だけでは、現実味がなかったからです。

何が起こっているのか、誰がこんなことをしているのか、
一体誰のために、何のためにこんなことが起こっているのか。

知りたい欲に駆られ、何度も何度も読みました。

でも、やっぱり世の中のことは複雑すぎて中学生の私には理解ができませんでした。(今でも、理解ができないことが多すぎます)

2016年、トランプが大統領に当選した時も

なぜ、なぜ、なぜ?

私が信じてきた、移民に優しいと思っていたアメリカがなぜ、
こんな事態になったのか。

その時、今度は父親ではなく、私自身がニューヨーク赴任をしていました。

"Make America Great Again."

彼の言う"Great"って何を示しているの?
またアメリカが強いリーダーになりたい?
中国の存在が大きくなっているから?
移民大国なのに、不法滞在移民者を罰したい…と?今さら?

書き続けると1日が終わりそうなほどの疑問が、湧いてきました。

2016年11月の選挙当日、ニューヨークの空気は重かったです。
秋の少し涼しくなってくるピリっとするニューヨークの空気、
だけど、どこか重たく寂しく、暗かった。
私の知るアメリカではなかった、です。

Mournという言葉がぴったりな、お通夜のような雰囲気でした。
ニューヨークはリベラルだから、「まさか、信じられない」
という人たちがほとんどでした。

そこから治安がどんどん悪化しました。
それから国の分断が進みました。
移民をサポートする人とそうでない人と。
Me Too Movementもありました。

私は2018年には帰国してしまいましたが、
コロナでは中国からきたとかいうデマを次期大統領が言っていたかと思いますが、そういった影響でアジアヘイトも進みましたね。

そして2024年、再び。

今朝、ニューヨークの地下鉄(アッパーウェスト付近)で
銃撃事件が起きました。
私が2016年~2018年に利用していた電車です。
信じられません。

そして、私の住んでいる地域でも銃撃事件の報道がありました。
今週末、出かけようか考えている地域でした。

目の前のごみ箱が爆発するかもしれない。

ニューヨークに住んで、テロが多発した時期に私が思ったことです。
いつも通り、道を歩いていた時にふと思ってしまったんです。

「でも、こんなことを考えていては普通の毎日は送れない、
だから考えないようにしよう、
むしろ今日死んでもいい、それくらいの勢いで毎日生きよう。」

そんなことを本当に思いました。

アメリカはこういう国です。
トップが変わるとガラリと変わる。
銃撃事件が起きる。デモが起きる。治安が急に悪化する。

そういう環境に身を置くと、無知ではいられない、と思います。
自分の身は自分で守らないといけない。
だから、寝不足。

知りたい、知らなきゃ、なぜ?

911の時と同じで、大統領選挙の後は
色んなリソースをすごい長い時間かけて読んでしまい、
あっという間に時間が過ぎる。

でも学ばないといけない、なぜ??という疑問しか出てこなくて、
知りたい欲に負ける。

日本の新聞は残酷な写真を載せないが、
アメリカの新聞は残酷な写真を平気で載せる。
血や残虐シーン(ある程度ぼやかしたりはしているが)など。

中学生の時、知らない世界、知りたくなかった世界、
自分は絶対行きたくない世界がある、と知った。
でも、知らなければ、そんな世の中を改善したいと思う気持ちも
生まれなかったと思う。

母がよく、「知らなくて良い世界もあるのよ」と言っていた。
確かに自分の子どもにあまりにもひどい現状は知らせたくない。

だけど、無知は1番怖いから、自分の中のなぜ?は解消していくべき。
と私は思う。

明日も学ぶ欲は、続きます。


★ニューヨーク愛について書いた記事はこちら

★自己紹介記事はこちら


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yayko@アメリカ🇺🇸【海外/子育て/帰国子女】
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