博士課程での民間企業への就活方法
博士課程を修了して,アカデミアに進む場合と,民間企業に進む場合,多様なキャリアがあります.私自身は,博士号取得後,ポスドク→民間企業→アカデミアという順序でした.この,博士修了時の民間企業への就活は,学部や修士の際と異なり,仲間が周囲にいない場合,近い分野の相談できる先輩がいない場合が多く,戸惑うかもしれません.そこで,実際私が実施した(あるいは観測範囲にいた博士修了者)がどう就活していたかを参考までに紹介します.
1) 学部修士と同じ新卒採用ルートに乗っかる
題名のとおりで,いわゆるリクナビやマイナビ等の就活サービスのルートに乗っかるという方法です.最近ですと,博士用の就活サービスもありますが,私は個人的にはあまりお勧めしません.
メリット:相談する相手が多いということと,システムが構築されていて乗っかるだけ
デメリット:博士特化ではないので博士にとって無駄に思える選考に対応する必要がある
2)企業の採用人事に問い合わせる
行きたい企業の採用人事に博士採用の有無と方法を問合せて,指示に従う.私はこの方法を一番使いました.基本的には,1)の途中から参加してくださいという案内が来ました.例えば,「2次面接から来てください」,「SPIと最終面談だけ」などなどです.この採用人事の連絡先の入手方法は色々あります.単純に1)で公開されている場合,学部修士の就活時に連絡先交換してそもそも知っていた場合,大学キャリアエンターに聞く,大学で紹介されるOGOBに教えてもらう,同期の学部修士で働いている人に教えてもらなどでした.
メリット:連絡先が分かれば話がはやい.1)より普通は手間が減る.
そもそも実際は博士採用していないところが対応で分かる.
デメリット:業界によっては連絡先を得にくい可能性がある.
3) 先生や先輩に紹介してもらう
研究内容が詳しく,あなたのキャラクターも理解している先生や先輩に仕事がないか相談します.これはアカデミアの職探しと同じです.個人的に企業とパイプがある先生がたもいるので,直接交渉して紹介してくれます.これは分野と先生に大きく依存するので,あまり強く期待しないほうがよいとおもいます.
メリット:うまく行くと一瞬で決まる
デメリット:紹介を受けた手前,断りにくい.
4) 学会や研究会で企業の研究部門の担当者に相談する.
学会活動をしていると,自分の興味のある分野(仕事)の発表をしている企業研究者がおされます.そのような人と雑談するとよいでしょう.どういう風に働いているとか,不満があれば不満ももれるかもしれないです.そして,いきなり仕事下さいと言うのは驚かれると思いますし,まずは研究所を見学させて貰うのがよいと思います.実際の職場を見学すると,色々みえるものもあると思います.自身の研究やスキルも紹介させて頂き,内容が合致して,相手も人手を求めていれば,自然と就活の話になる場合が多いです.
メリット:実際の働きかた,特に研究部門の企業での立ち位置などが分かる
デメリット:担当者個人とのやり取りになるので,その人との相性などで会社への印象が左右してしまう.
以上が,私が博士で民間に行った際の就活方法です.少しでも参考になれば幸いです.