チャイ ほかほかver.
スパイスを煮出した紅茶です。ミルクティータイプが一般的ですが、牛乳なしでもおいしいです。と言いつつ、ここでは牛乳入り。牛乳は潤いを与えてくれるので、スパイスによる乾燥と±0的にするためでもあります。
では早速。
①小鍋に水を少しだけ入れます。そこに、クローブ6つ、カルダモン3つ、シナモン小さじ1/2を入れて、沸かします。
②沸いたら紅茶のティーバッグ3つを入れて、しばらく中火で煮だします。
③香りと色が出てきたら牛乳400mlを入れ弱火にします。沸騰させないようにしながら加熱をしばらく続けます。ゴムベラなどの先が平らなもので混ぜると鍋底が焦げ付きにくいです。中心線を軸にした∞の形に、底をけずるように混ぜましょう。ふわふわと湯気が上がり、沸騰はせず、だんだんと量が減ってきます。
牛乳は沸騰するとたんぱくや脂質の形が変わり、甘味やうまみが変化してしまいます。(高温殺菌されたものは牧場の牛乳の味とかけ離れるのはこのためですかね)なので、沸騰はダメ。でも煮詰めるとミルキーな甘味が出て来て美味しくなります。蘇とか醍醐とかのイメージです。なので、湯気は出るけど沸騰はしないぐらいを守るのがコツです。
④煮詰め具合は好みなので、何回か作って、お好みを見つけてください。火を止めてから、香りの良い蒸留酒を入れても良いです!おススメはネグリタダーク(ラム)です。値段もそれほど高くなくて、甘い香りが強く、加熱してもそれが消えにくいのが特徴です。
茶こしなどを使ってカップに移して、いただきます。
紅茶は特にいい物を使う必要はないかなと思います。煮詰めちゃうので。更に言うと、ダージリンとかアールグレイとか、さらっとした感じの香り命のものはあまり適さないです。アッサムとかウバとか、やっぱりミルクティーに合うとされるものの方がおススメ。あとセイロン。
となると、まあ、日本の場合は大手メーカーさんが100個パックいくらで売ってくれているもので十分じゃないかなと。
それでは続いて薬膳的蘊蓄。
ほかほかチャイと銘打つだけあって、温めるもので構成しています。とは言え、これはかなりベーシックなチャイだと思います。巡りチャイは変化球。暑い国でよく使われるものは体を冷やす、と思ったら大間違い。特に、胃を冷やさないようにすることは積極的に行われます。
シナモン(肉桂)は肝心脾腎に帰経し、五臓のほとんどを温めてくれます。しかもその熱量はかなり大きい。(ですので、妊婦さんは使えません。赤ちゃんが陽気の塊なので、シナモンと戦っちゃうのですね)これだけでも十分ほかほかのチャイになります。
そこにお腹を温めるのに特化したカルダモン(草果)と、骨盤内を温めつつ気の逆上を鎮めるクローブ(丁香)を入れています。香りのミックスが更に美味しさの素になりますので、シナモン単体より飲みやすくなっています。
夏は常温で、冬はもちろんホットで。特にかき氷が好きな人は、お腹が冷え対策に夏こそ使ってほしいなと思います。クーラー病になりそうな環境にいる方もですね。なので、敢えて夏前にアップしました。上手にご活用下さい。