マジメか!!とらわれの聴衆事件に学ぶ新しい人権たちと公共の福祉による制限。
憲法13条の"幸福追求権"から生み出された数々の新たな人権。
なかでも大好きな「とらわれの聴衆事件」について。
公共の福祉による制限と憲法の保護のバランスを常に意識して、どんな請求にもマジメに論理的に答えを出していく人たち。ほんとステキ。
≪ポッドキャスト版 やわらかいほうのごたく≫
https://listen.style/p/yawarakaihou/pohzuc78
賭博の自由、喫煙の自由、ストーカーの自由(!?)
速度違反中の助手席でオービスに写真を撮られない自由
個人で楽しむお酒醸造の自由、日照権などは憲法の保護に値しますか?
そして、市の運営する地下鉄車両内で商業的な広告音声を強制的に聴かされることは、人権を侵害していると思うのですが、どうですか。
【最判昭63.12.20 囚われの聴衆事件】
街頭や多数の人の来集する場所において、常識を外れた音量で、しかも不要と思われる情報の流されることがいかに多いかは、常に経験するところである。
上告人の主張は、通常人の許容する程度のものをあえて違法とするものであり、余りに静穏の利益に敏感にすぎるといわれるかもしれないが、わが国に
おける音による生活環境の侵害の現状をみるとき意味のある問題を提起するものといわねばなるまい。
しかし、法的見地からみるとき、すでにみたように、聞きたくない音によつて心の静穏を害されないことは、プライバシーの利益と考えられるが、本来、プライバシーは公共の場所においてはその保護が希薄とならざるをえず、受忍すべき範囲が広くなることを免れない。
個人の居宅における音による侵害に対しては、プライバシーの保護の程度が高いとしても、人が公共の場所にいる限りは、プライバシーの利益は、全く失われるわけではないがきわめて制約されるものになる。したがつて、一般の公共の場所にあつては、本件のような放送はプライバシーの侵害の問題を生ずるものとは考えられない。
公共の場においては、個人の居宅等プライベートな空間で静穏に過ごすという幸福追求の権利(プライバシー権など)が制限されることもあるよね。
だから、地下鉄の車両内で広告音声を半ば強制的に聴かされることがあろうとも、憲法で保護された権利として主張し、市に慰謝料を求めるレベルで権利を侵害されたということはできない。
というのが結論です。真面目か!!!
私なら「うっせぇわ!地下鉄乗るな二度と!!」って言ってしまいそう・・・
試験対策としては判例六法で憲法13条関連の新たな人権に対する考え方、公共の福祉の制限を受ける場合と制限が行き過ぎている場合に分けて覚えていきましょう。択一式の問題でマイナー判例を1つ忍ばせてきたりもしますので、最近出た判例なんかは要チェックしていた方が良いと思います。
まぁ、取れても4点なんですが。重要判例は必ず押さえておきましょう。
個人的に「囚われの聴衆」ってワードが好きなだけです、すいません(笑)