500名以上が参加する富士通グループ横断雑談チャットの効果とは?
やわデザnote編集部のマサです。
本記事では、以下の記事でもご紹介した「やわらかチャット」についてご紹介します。
2020年7月、富士通グループは在宅勤務を基本とする働き方に移行することを公式に発表しました。
社内横断Yammerコミュニティ「やわデザ」はその直後に誕生しています。そこから約半年後の2021年1月、参加メンバーが1300名を超えたタイミングで「やわらかチャット」と呼ばれる実験がスタート。
5日間で100人の社員が参加することになった「やわらかチャット」とは?
当時、「やわデザ」の中では、様々なイベントが行われており、社員同士の新しいつながりや、コラボレーションが生まれていました。しかしながら、社員が1000人以上も集まるコミュニティ内における"コミュニケーション"という観点からみると、まだまだ断片的でした。
せっかく、様々な部門や職種の社員が集まったコミュニティなのにこのままではもったいない、と思って考えたのがTeamsの「チャット機能」を使って日常のコミュニケーションを増やす、というアイデアでした。
また、在宅勤務が当たり前になると、ちょっとした会話をする相手がいつも近くにいません。オフィス勤務なら、隣に座っている同僚にいつでも話しかけることができましたが、その当たり前の日常が消えてしまったのです。
私自身も、「今日ネットが重くない?」を気軽に誰かとシェアしたい、と不安に思うことが何度かありました。
さっそく、コミュニティのメンバーに上記のアイデアについて相談。「荒れちゃうのでは?」と心配する声もありましたが、共感する方もいたので、小さくやってみることにしたのです。
そこで、Yammer上で「富士通グループに巨大なチャットグループがあったらどんな価値が生まれるだろう?」と投稿。Teamsにつくられた「やわらかチャット」への参加者を募集したところ、なんと、5日間でなんと100人を超える社員が集まりました。
メンバー間の距離を"密"にすると何が生まれるのか?
小さくスタートした「やわらかチャット」は、チャットに参加した方が次の参加希望者を招待するというスタイルが定着し、日に日に参加者が増えていきました。
チャットに投稿されるコメントを見ていると、朝の挨拶や天候情報、今やっている作業、流行りの情報など多岐にわたっており、Yammerには投稿しづらい"つぶやき"のようなものでも投稿できる気軽さがウケているようです。
参加希望者を招待する際は「チャットの履歴をすべて含める」にするように、とお願いしているので、後から参加した方でも履歴をさかのぼれば、立上げの様子から最新のコメントまですべてみることができます(Teamsの仕様により、249名が上限のため現在は3つのチャットグループに分かれています)。
100人集まった時点で参加者にアンケートを取りました。「やってみてどんな価値や効果がありましたか?」という質問に対して、以下のようなコメントが寄せられました。
スタートから1年の間に起きた変化
「やわらかチャット」がスタートしてちょうど1年が経ち、現在は当初に比べると投稿数は落ち着いてきています。それでも、時々共通の話題で盛り上がったり、地震が起きたときはちょっとした心の支えになったり、何か困ったときの駆け込み寺としての効果を実感している社員がたくさんいるように感じます。私自身、何度もメンバーに助けてもらいました。
また、商談獲得につながった活用方法として、チャット内で顧客提案に関するアンケートをとった方もいました。日頃からメンバーとの信頼関係を築いていたことが高いアンケート回答率につながったようです。
コミュニティ内でイベントを実施する際には、「やわらかチャット」で直前の告知ができたり、イベント中もその様子をチャットに流したりといった活用方法も生まれました。全社DXプロジェクト「フジトラ」主催のライブイベントを視聴しながら、感想を投稿する社員もいます。
部門横断「雑談チャット」のススメ
富士通グループの社員がオフィスではなく、主に自宅で働くようになってからもうすぐ2年。オフィス中心の働き方に比べ、孤独を感じやすい環境だと感じている社員はたくさんいるようです。
組織やチームによっては、雑談タイムを設けるなど様々な取り組みが始まっていますが、いつもと同じメンバーになりがちという問題もあります。ぜひ皆さんの会社でも組織横断型の新しいコミュニケーション手段として「雑談チャット」を試してみてはいかがでしょうか?大企業であればスケールメリットが活かせると思います。