本の棚 #131 『バケる人に育てる』
『バケる人に育てる』
平井伯昌(競泳日本代表ヘッドコーチ)
先日のオリンピックで
女子競泳で2つの金メダルを獲得した
大橋悠依選手のコーチだ。
これまでも北島康介選手をはじめ
数多くのメダリストを生み出している。
どんな考え方で?どんな指導方法で?
平井コーチ、教えて下さい!
−−−−−−−−−−−−−−
基礎は自分の頭からは生まれない。
「守破離」でいうところの「守」
師匠、先輩から基礎を学び、真似る。
長年培われてきた基礎は大きく変わらない。
そしてそれを自分で考えて形にしていくには
時間が足りない。
もう覚えていないけど「解の方程式」を
今から自分自身で生み出すよりも
それを基礎として真似て
次の課題に取り組んだほうが
より早く、遠くにいけるだろう。
基礎は上手い人のものをパクる、これに限る。
教える側としては
ティーチングで型を身につけさせよう。
平井さんの3ステップを簡単にまとめると
「挨拶をする、休まない、自分でがんばる」
これらを癖にさせることで
土台を築くことができて、さらに上に
ジャンプできるという。
優秀な人ほど、横を見る癖があるようです。人との比較といった相対値で判断しがちになり、自分自身の可能性という絶対値に気づかなくかることもあるのです。
なるほど。
平井さんは優秀な人=デキる人として
本書で表現している。
全面的に横を見る(比較する)ことを
否定するようなことはないが
バケる人は横よりも自分自身、ゴールを
見つめる時間が長い。
ティーチングで土台をつくったあとの
「どうなりたいか」という
目標設定が大切になってくるだろう。
人を育てる人間にとって、教えにくい相手は「先生」になってくれるのかもしれません。
教えやすい相手ばかりを指導していても
コーチとしての能力は伸びないし
幅も広がらない。
教えにくい相手と対峙したときに
「これは自分のコーチとしての幅を広げるチャンス」
そう考えて取り組むことができれば
双方にとってプラスの時間となる。
教えにくいからといって投げ出したり
頑なに今までの方法を変えなかったり…
それではどちらにも成長はない。
コーチにとって一番大事なのは、見抜く力です。目に見える現象から、その背後に選手の精神的な問題があるかどうかも見極めなければなりません。
どこに課題があるか。
選手が掲げるゴールに向けての課題は何か?
それを見抜ける力はどうやって鍛えるのか。
目に見える結果、数値、現象だけでなく
目に見えない部分にも注意が必要だ。
それは現場で毎日直接会うことで
感じるレベルのものかもしれない。
−−−−−−−−−−−−−−