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本の棚 #163 『わかったつもりー読解力がつかない本当の原因ー』

「知っていることとできることは違う」

そして

「わかったつもりはわかることを妨げる」

このあたりは実際の経験もあり

充分に理解できる。

では「わかったつもり」とはどんな状態か。

「できる」は目に見えてわかることが多い。

しかし「わかる」や「わかったつもり」は

目に見えないし、頭の中のことだから

取り出して検査するわけにはいかない。

そのメカニズムが少しでもわかれば

意外と「わかる」が「できる」になるのは

遠くないのかもしれない。

そんなことを考えながら読んでみる。

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浅いわかり方から抜け出すことが困難なのは、その状態が「わからない」からではなくて、「わかった」状態だからなのです。

つまり、わかったつもりは

わかった状態の一部ではあるけれど

それが深い理解への道を閉ざしている

とも言えるのだ。

なんとなくわかるけど…

という状態で思考停止してしまうことは

実際によくあることではないだろうか。


「矛盾」や「疑問」は、次の「よりよくわかる」ための契機となる

「えっ、ここは違うんじゃないか」

「あれ?この部分が気になるな」

そう思ったときに人はさらにそのことを

理解するチャンスを得ることができる。

矛盾や疑問でもやもやしたりイライラしても

それはよりよくわかるための試練だと

考えてみると一歩進むめそうだ。


部分の読みが不充分だったり間違ったりしているので、間違った「わかったつもり」が成立する

これは何も読解力に限った話ではない。

仕事においても、私生活においても

部分だけを見て解釈をすることで

誤った判断をしてしまい、

「あいつは何もわかってない」

というレッテルを貼られることになる。

部分だけでなく前後の「文脈」を

どれだけつかめるか、実はそれこそ重要で

ミーティングの途中から入ってきたのに

効果てきめんの提案ができるということは

少ないのだ。

理解が不充分じゃないか、間違っていないか

その都度確認するしかないだろう。


「いろいろあるのだな」と認識した時点で、実は人はそれ以上の追求を止めてしまう

「あぁ、いろいろあるんですね」

といって会話がなんとなく、終わる。

そんな経験をさっきした。

それ以上の追求は全くせずに

ただいろいろ大変ですね、と。

いろいろってなんだろう?

具体的にどこが、だれが、いつ、どうやって、

などと考えると、事実は見えてくる。

ただそこには入り込まないという選択も

あったりなかったり。

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#読書 #感想 #つもり #わかる

#読解力 #論理的思考 #罠 #西林克彦

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