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少女☆歌劇レヴュースタァライト 感想

きっかけは先日のotogrooveでレヴュースタァライトの音MADが流れたことだった。
そこからなんやかんやあって、友人に見てもいないレヴュースタァライトのLINEスタンプを誕プレに送りつけられたりして、見ることになり、そして今がある。

見てない人へ とりあえず見てみるべき。劇場版は映画館で観た方が良い。特に初見。絶対に。

以下めっちゃネタバレする 








テレビアニメ

まず1話から衝撃、いや薄っすらとレヴュースタァライトがどういった作品なのかは知っていたが、実際に見てみたらポカ~ン。ここまでの説明の無さで、いきなり地下へ行き戦うとは思ってもいなかった。2話以降はこれが当たり前になっていくのだから凄い。ニチアサの戦闘シーンみたいな扱い?
ただ、この演劇バトルに関しては慣れてしまえばこっちのもんなのだけど、このままクライマックスに行くのかな?と思ってたところで来た7話で完全に食らった。完全に油断していた。でも1話から見ると伏線しか無いんだよなぁ……

12話まで、とにかく衝撃が止まらなかった。このアニメは意外性の連続にステータスを全振りしているように思う。1話でまず一回殴られるのに、復帰する暇を与えずに次の一発がやってくる。普通なら破綻しかねないけどそこを上手く纏めてきてて、プロってすげえなって思った。

「アタシ再生産」のカット全部好き。何食ってたらこのストーリーに工業的モチーフをぶち当てようってなるんですかね……
アタシ再生産ってなんだよって思ってたんですけどあんまり深く考えずにキラメキで脱皮してくぜうおおおおって認識で留めるのが良いんだろうか。

聖翔音楽学院は宝塚が東京にあれば、みたいな感じなのだろうか。にしても、双葉やばななとか特に英才教育を受けていたわけでも無いのに入れた猛者が多すぎィ!

あと見出ゴその他フォントが一々エロい。フォントのちからはふぉんとうに凄い……いや冗談じゃなく。レヴュースタァライトという作品を見る高揚感を与えてくれていた。

ロンドロンドロンド

なんか最後よくわかんないけど続くんだなってことだけはわかった

劇場版

きたああああああああああああああああああああ
イオンシネマありがとう

ダ・ヴィンチ・恐山が「初っ端トマトが破裂する」って言ってたのは本当だった!

初見は映画館を出た後に放心状態になってしまった。殴られた。殴り続けられた。映画に。2回目はいくらか落ち着いて見れたけど、それでも盛り上がるシーンには圧倒されたし、やっぱり殴られた。

一番好きなシーンはやっぱりデコトラの下りだろうか、映像美が圧倒的すぎた。音合わせも音MAD的ですげえ綺麗だった。このなんでもあり感がすげえ好き。だってワイルドスクリーンバロックだもんな!
あとキリンが野菜になってバババババってなるところ(語彙力)も、映像も音響も凄すぎたし、あれは映画館で観ないと駄目だ。とにかくすべての映像が凄い。ビジュアルが良いのでポカーンとしながらも満足感がすごい。
電車がひしゃげるところはちょっとシンカリオンっぽい?吊革がカタカタカタってなるところとかカッコよすぎる。

すげえなって思ったのは、テレビアニメ全12話を前後からサンドイッチして物語に深みを持たせているところ。結局愛城華恋がオーディションでなぜ勝てたのかはテレビアニメではよくわからなかった(というか、わからないこともないけど薄かった)のだけど、劇場版で過去を描くことでそこに説得力を持たせて、その上でそれらの過去を全部燃やしてフィナーレに持っていく。天才。

劇場版はテレビアニメと同様の意外性もさながら、「レヴュー中にキャラの心情を描ける」というバグのせいで7割くらいレヴューシーンという狂った構成も見どころだった。まあ当然この映画をみる観客の殆どはテレビアニメを視聴済みだろうから、ダ・ヴィンチ・恐山の言葉を借りれば劇場版は「蛇足」として作られているのだろう。それらしいストーリーやドラマパートはテレビアニメで大体やったし、見栄えのいいレヴューシーンだけで2時間やるか!みたいな。けど、それこそダ・ヴィンチ・恐山やその他レヴュースタァライトのファンに劇場版から入った人が居るように、劇場版から見ても「変な映画」として面白く楽しめるようになっているのは制作陣の技量が現れているのだろう。ばななはなんか裏ボスなのかな、とか大体のキャラクターの関係性はテレビアニメを見ていなくてもそれとなく分かるようになっているし。

みんなの卒業、そして進路を描き、愛城華恋の「いま(俺が映画を見ていたあの瞬間)」を描く。愛城華恋はもうレヴュースタァライトのキャラクター、視聴者によって繰り返される物語の登場人物ではなくなって、聖翔を卒業した舞台少女として今もオーディションに挑んでいる。
当然、劇場版だって何度だって見ることができる(つまり再上映されてしまう?)わけだけど、最後にあのカットが入ることで強制的に現在に戻ってこれる。やべー。

今作はテレビアニメ以上に「観客」が強く意識された作品になっていた。キリンやトマトは分かりやすく観客の象徴として描かれているし、メタ発言もあった。ただ、テレビアニメでキリンが俺に向かって話しかけてきたとき、「コイツまじでぶっ殺そうかな」って思ったけど劇場版ではまあなんか上手い具合にポジティブな方向に持っていってて良かったかなと思う。

あと、雨宮さんが脚本書くくだりが出てくるとは思ってなかった。でも、わかる。脚本書くのって大変なんだよな……。テキトーに書いてた俺が言える事じゃないかもしれないけど、とにかくあの気持ちはわかる。このくだりも、101ページ目が未完というのが物語のテーマに沿っているというか、使い方が上手い。

映画館で観た方がよさそうだったので映画館で観たけど正解だった。爆音サラウンドじゃないと満足できないし、メタ要素もテレビじゃ魅力半減だろう。

総じて、ビジュアル100点、ストーリー(というかロジック?)100点の素晴らしい作品だった。いろんな人の考察記事を読んでいるが面白い。AC海老名のおかげで2回観れて大満足。なんか纏まってない文章だけど、とりあえずこれで。

まとめ:個人的な話

自分は中学・高校で演劇部に入って、少しだけだが舞台づくりをやったことがある。引退こそしたが今も在籍中だ。レヴュースタァライトを一通り観て思ったのは「自分がやりたかった演劇ってこれだな」という事だ。同時に、公開当初からこの映画を観てしまっていたら演劇部は大変なことになっていただろうな、とも思う。とにかく、意外な展開の続く演劇をやりたかったし、劇中でプロジェクターで映像を映して表現を拡張するみたいなことも模索していた。ただ、怠惰な自分にはそれは難しいことで、実践はしたものの満足いく結果にはなかなか至れなかった。だからなんだという話だが、レヴュースタァライトを観たことでなにかこう、心がスッキリしたように思う。そして、自分も「自分だけの表現」を探して続けていかなければならないな、と思った。

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