元チェーン店古本屋店員による古本を売る時の心構え
そろそろ引っ越しシーズン到来だな…とか思った時に思い出すのは、古本屋店員だった時の「売りに来るお客様」への対応でした。
大体のみなさんが、大手の古本屋へ本を売りに行くと思うのですが、注意してほしいことがあります。
意外と値段つかない。
中の人事情も含めますが、ちっこいチェーン店だと余程のことじゃない限り、流行本以外はマジ値段つかないと思ってください。買った値段や売ってる値段より買取価格低いじゃない!って言われますけど、その売上、我々の給料や光熱費とかに飛んでいかれるので…正直な話、立ち読み勢もいるから売上厳しいんですよ。
査定の待ち時間は査定している人間も読めない…
年末年始や引っ越しシーズンは古本屋は買取フル回転しています。更に販売も行ってます。正直殺気立ってます。
実際に言われたシリーズでいくと「待ち時間はおよそ1~2時間になります(後ろは未査定の山)」と説明させていただいて「振り幅おかしくない?」と言われたんですが、マジで時間読めなんですよ…
買取だけ集中できてたら1時間で多分出来る査定も、買い物に来ているお客様も居るので査定途中で切り上げて販売して、また査定に戻る…とかやると、まじ振り幅1時間ぐらい余裕でできます。
なので「査定終了後ご連絡」の対応をお勧めしたりします。マジ時間読めないので。この忙しい時期だと本当に読めないので気軽に売りに来て直ぐに査定終わるのは10冊ぐらいの心構えで居たほうがお互いに、心の余裕ができると思います。
「全部巻数揃っているから高く売れる」っていうのは、ほぼ無理と思ってください。
多分、それやってくれるのは昔ながらの古本屋さんとか、専門書とか古書とか扱うお店ぐらいじゃないかな…私、チェーン店のしがない店員だったので、実際は分かりませんけど、うちの店ではそうでした。在庫過多の本とか全巻持ってこられても、そんなにお値段つけれないんですよ…アニメ化とかしてる漫画とか、映画化してる小説とかなら高値商品ですけど、もともと高価買取商品だから高いんですよね…
「昔流行った本」はお値段ほぼつかない構えで居てください。
よく査定していて言われたのは「あんなに流行ったのに?」というお言葉。分かりますよ…5円とか査定されたらそう言いたくなりますよね…でもよく考えてください。昔流行ったのに今売ってるあなたみたいな人が沢山いると、在庫過多になるんですよね~~~~~~~~~~~!!!
今流行ってる本高価買取しております…でも、流行ってる時は手放す人少ないですよね…もう、読んだら売るぐらいの人じゃないと売らない世界…故に希少なので高価買取扱いなんですけどね!!
人気商品でも本の状態では買取出来ませんので夜露死苦!!!
店長クラスになると分かりませんけど、意外と古本屋の店員は本好きが多いです。元居た店の私含めたスタッフは8割そうでした。
すると、本好きではあんまり考えられない状態の本を平気で「売れる本」として持ち込まれる方がいらっしゃって、内心「本大事にして????」となるという…
具体的に言うと「水濡れ」と言われるもの。査定している店員が本をパラパラー!としてるシーンを見られると思いますが、本の状態を確認しています。シミや本の「焼け」、それと水濡れをチェックしてます。
雨に濡れたのか、風呂で本読んでていたのか、飲み物こぼしたか分かりませんが、ぶよっとしたページを発見したら9割9部お値段付きません。店によっては変わるかもしれませんが、うちのチェーン店ではそうでした。カバー外して確認もするんで、本は大事に扱ってくださいませ…
1円でも買取金額が発生したら「ご本人様確認」が必要となります。
「えっ、この金額で?」ってよく言われたんですけど、法律上で決まってるので、コチラとしてはどうしようも出来ません!!
子供だけで売りに来て、18歳未満の子は「保護者の人と来てね」というパターンも有ります。
ちなみに…ですが、犯罪抑止の観点からこの法律あるらしいんですが、万引き犯等で捕まったヤツの情報提供でこちらは、情報合致したやつのデータを引き渡したりしてます。もっというとうちの店では「ブラックリスト」を作成して、怪しい人は詳しい買取情報を控えてました。
あと、普通に良い点を上げると、お客様情報を頂いているので、買取査定が終わった後に、本の中から紙幣が出てきたという珍事件が有ったんですが、買い取った本と情報を店員が覚えていたので、お客様情報からご連絡して紙幣をお返しできたというのもあります。
まあ、普通の人だったら面倒なだけな「ご本人様確認」ですけど、お金発生したら必要なので、ご協力お願いします…
なお、お金が発生しない場合、古本の処分も承ってる古本屋であれば、本を本人確認せずに処分本を引き取る場合があります。店によりけりですので、処分してくれないお店があるのはご了承くださいなお話なんですけどね!
専門書に価値を付けたい場合は、チェーン店はおすすめしません…
はっきり言います。チェーン店は素人バイトが査定してます…なので流行本や、本の状態で査定は出来ますけど、歴史的価値がある本などはお値段未知数過ぎて付けれません…下手したら廃棄される可能性…
やっぱりその辺りは「昔ながらの古本屋さん」が強いです。あとは、大規模展開しているので、分野における専門書を扱っても在庫として置いておいても痛くない(置く場所がある)書店(チェーン店)がお値段付けれます。私が居た古本屋さんはなかなか難しかったです。
東京の神保町の古本屋さんが聖地と言われる所以…個人的に行ってみてぇです…
最後に「あくまでとあるチェーン店に居た店員の主張」です。
もしかしたら「うちの店はそうじゃないもん!!」っていう人もいるかも知れませんが、あくまで私が居たとあるチェーン店の古本屋さんのお話です。
と言っても、繁忙期とご本人様確認は共通事項だと思いますが。
あと、どのジャンルの接客業でも言えることですけど、店員も人間なので普通に嫌な客はムカつくので、査定に響かないと言ったら…嘘になります。厳し目で査定することは否めません。お値段ちゃんと付けますけど、例えるなら、近所のお婆ちゃん目線から、一気に姑の目線になる程度には厳しくなります。
そんなこと無いよ。って言える店員は菩薩です。拝みましょう。
店長クラスとかになると知りませんが、バイトクラスの現場の人間は「うちの店に文句があるなら他の店に行ってどうぞ^^」と思ってます。思ってました。繁忙期はソレぐらい「てめぇらにかまってる余裕なんざねぇんだよ!」の心理状態になります。
もし、普通に古本屋さんに売りに行きたい時は、高価買取本じゃない限りちょっとだけ時期をずらしてもらえると元古本屋店員としては…現古本屋店員さんが助かるんじゃないかなーと思って進言させていただきます。
あとは…意外とお値段つくのは「これは入荷してたら絶対に売れる本」とかは広告してないけどひっそり他の本より高めに設定されてたりしますけど、古本屋さんによって変わると思うので、未確定情報としておきます。
以上、元古本屋店員からの「元チェーン店古本屋店員による古本を売る時の心構え」でした。広い心で古本屋さんに行って欲しいです…
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