ケビン・マッカーシーの屈辱

The New Yorkerを読んでいると、米国の政治にも詳しくなっていく。昨年の中間選挙で、下院の主流派は、民主党から共和党(G.O.P.: Grand Old Partyって言われているのも以前は知らなかった)に移ったので、下院議長だったナンシー・ペロシ女史は辞任しており、新しい議長は共和党から選ばれるはずだった。1月3日に選挙があったけど、共和党トップのケビン・マッカーシー氏は過半数を取れず議長が決まらなかった。これは、100年ぶりぐらいの珍事だそうだ。

冒頭で、民主党議員であるKelly女史が「I've got my popcorn ready/」というジョークをTwitterに載せたというけど、どういう意味? ポップコーンは、はじけ飛ぶって事?それとも、映画を観る時にポップコーン食べながら鑑賞を楽しむぐらい、下院議長選挙を楽しんでるって意味?

まあ、共和党は内部崩壊が進んでいるような雰囲気だ。民主党議員は「giddy」と言って楽しんでいる場合でもないと思うけど。ここで、少し整理して覚えておくべき単語がいくつか出てくる。「steadfast」「ultra wingnut」「hightail」「pay homage to」「autogolpe」「self-abasement」など、ちゃんと頭に入っていない単語に溢れていた。チェックしておこう。

どちらにしろ、下院選で共和党が半数(218議席)以上の222議席を持っているのに、最初の投票が終わって、マッカーシー氏は203票しか取れなかった。なんと2回目の投票では、1票減って202票だけ。一方民主党の党首への票は、ハキーム・ジェフリー氏に一貫して211票が入っていた。

マッカーシー氏は共和党をまとめ上げることができていない。ここから共和党の極右翼議員の名前が次々と出てくる。フロリダのマット・ゲイツ、この人もやばそうな人でした。性的人身売買の容疑をかけられているような人物が、「stunt instigated by Gaetz」と書かれているように、造反を企てた人物のようで、オハイオのジム・ジョーダン氏を下院議長に推している。このジョーダン氏は、右翼議員のグループ、Freedom Caucusの協同創始者の一人である。また、ローレン・ボーバード女史、綺麗な顔立ちをした美人ですが、過激な銃擁護派で、グリーンエナジーなんてくそ食らえ、中絶もあり得ない、また孤立主義者で、外国なんてどうでもいい(ウクライナどころか、日本なんてどうなってもいい)という、米国中心の過激な右翼主義者の一人である。まあ極右翼って、どこの国でも同じでしょう。アンディ・ビッグス氏、チップ・ロイ氏など、極右翼に属する議員が20人もいるというのが今の米国で、米国の不安定さを醸し出している。

極右翼の共和党員が、自分の派閥の長であるケビン・マッカーシーの事を、「inveterate swamp creature」と評している。病みつきの沼地の化け物。こんな言い方をされた。マッカーシー氏も欲にまみれて10年にわたって自分を切り売りした結果、金を出しても誰も動いてくれなく鳴った。堕落した支配層(corrupt establishment)に何を言われても動じない市政を極右翼のグループに取られている共和党の指導部。この記事のタイトルに、今の共和党の姿が映し出されているのだろう。

Over the past few decades, the G.O.P. has gone from being a ruthless and disciplined party of limited government and trickle-down economics to a party of anti-government protest to, now a party of performative verbiage.

この数十年で共和党は劇的に変わってしまった。米国全体でみても、極右翼的な共和党支持が増えていて、政治に物申しはじめている。世界のバランスは、米国の共和党と民主党のバランスにも依存していると私は思っている。先ほど孤立主義者、英語で「isolationist」と言ったけど、この考えは、他国との関わりを持たない政治的な考えである。220人の共和党員の中で20人は民意を受けて下院議員になっていて、「isolationist」であることを考えると、ちょっと怖くならないですか?

我々日本人は、米国の意向にかなり依存して生活をしている。その米国にそっぽを向けられて、中国や北朝鮮と対峙できるのか?米国なんて必要なく、中国の侵略を受けて中国の属国として生きていく覚悟がある?

今日は英語の勉強に力を入れようと思っていたが、米国の行く末に憂慮するばかりで、下院議長が誰になるのか気になってしかたくなってしまった。もし極右翼のジム・ジョーダン氏が議長になったら世界は混乱するだろう。でも、個人的に面白いとも思っている。米国が日本に向かう態度がどう変わってくるのか気になる。

私は、既に人生後半に入った人間なんで、行動はでず日本の行く末を心配するだけしかできない。たかが米国の下院議長選挙の話だけど、世界情勢は大きな転換点に立っているように思える。先をみて行動できるように、皆さん、大きな視野で世界を見ていくようにしてください。

今日は、あまり英語の勉強ができなかったけど、毎日少しずつ知識をつけていこう。

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