2020 出雲一人旅#6「三歳社」
出雲一人旅2日目
出雲大社(いづもおおやしろ)の本殿の周囲をぐるっとまわって、神楽殿にも参拝し、その間の道を北に向かいます。舗装された道を進み、「シカ飛び出し注意」という看板のある森の中の道を、さらに進みます。この道は「福迎の道」といいます。
「三歳社」は、事代主神(ことしろぬしのかみ)、高比売神(たかひめのかみ)、御年神(みとしのかみ)をお祀りしています。
正月3日の「福迎祭(ふくむかえさい)」では、参拝者が福柴・福茅を授かり開運を祈るため、福迎の社といいます。そのため、参道を「福迎の道」といいます。
森の中とはいえ、参道は整備されているので、ハイキング程度の道のりです。それでも、森林浴で身も心もスッキリするので、ストレスを抱えている人には、特におススメのお社です。歩くのが困難な方は、お社の近くまで車で行くこともできます(もちろん、森の中を少し歩きます)。
さて、この三歳社は、出雲大社から少し離れており、それほど多くの参拝者は訪れないため、比較的静かに参拝できます。
数年前に初めて参拝したとき、神様の歓迎のサインをいくつかいただいたので、お気に入りの神社です。
今年は、三歳社に向かっている間は、前後に誰もいなかったので、きっと一人で静かに参拝させてもらえるなあと思いながら、三歳社に近づくと数人の話し声が聞こえてきました。様子を窺うと、白いコートなどの神社にふさわしいような服装で、一見すると信心深い人たちのように見えました。
神様も喜んでおられるのかな? と思って探ってみると、あまり神様のエネルギーを感じることができず、静かな感じでした。おかしいなあ、と思いながらお社の前に着くと、その一団はそそくさとお供え物を片付けて、お社の前をあけてくれました。
気配りのできる人たちのように思ったのですが、私が参拝しようとしているのに、近くで大声で話し始めて、あれっ、気配りができるように見えただけか、と気付きました。どうも、物欲的な参拝をしていたようで、お社周辺は「場」が荒れている感じでした(あくまでも私の個人的な見解です)。
念入りに祓いをして、祝詞を奏上すると、ようやく周囲にご神氣が広がり、心地良い「場」になりました。お供え物をして、丁寧に参拝しているつもりでも、神様は見抜いているのだなと気付かされた瞬間でした。これは、翌日の美保神社でも、似たような経験をして、勘違いではなかったと確信しました。
その後、カップルが話しながらお社に近づいてきて、「長居は必要ない」といわれたように感じて、その場を立ち去りました。
この経験も、これ一つだけなら、特に何かを感じるという出来事でもないのですが、神様からのメッセージの一つだなと、後になって気付かされました。
このシリーズは、もうしばらく続きます。
いつもありがとうございます。
見えない世界を伝える神社ナビゲーター
市口 哲也