F1も投資会社へ売却ブーム
コロナ禍において、スポーツのような観客が密に集うイベントの開催が難しくなり、以前にも増して、イタリアのセリエAのチームが米ファンドや投資家に売却された、という話が多くなったような気がします。
上記サッカーチーム売却と似た路線で、欧州で人気であるF1のトップチームであった、マクラーレンとウイリアムズも、一部なり全てを投資家などへ売却、となったようです。
英高級車メーカーのマクラーレンは米スポーツ投資家グループのMSPスポーツ・キャピタル率いるコンソーシアムに対し、自動車レースF1事業の株式を売却する。名門レーシングチームのこの取引での評価額は5億6000万ポンド(約777億円)
フォーミュラワン(F1世界選手権)の古豪チームであるウィリアムズ(Williams)は、43年間にわたる家族経営に終止符を打ち、米国を拠点とする投資会社ドリルトン・キャピタル(Dorilton Capital)に買収されたと発表した。
また売却とは関係ないものの、ウイリアムズ卿でチームの創設者フランク・ウイリアムズも入院(また病名公表なし)ということで、お大事にして頂きたく存じます。
日本にとって見たら、コロナ禍においてF1に高いコミットメントを持っていた、ホンダも来年2021年シーズンを最後に撤退を表明しました。
総じて感じることは、以前から欧州以外にも、アジア・オーストラリアや中東など、各国転戦やそれに応じて放映権などで広く人気を集めてきたF1は、まず環境対応などエンジニアリング面での投資負担がかなり増えたこと、それに伴い経営が圧迫されやすかったこと。加えてコロナ禍において、スポンサーもつきにくくなったりなど、例え観客が密にならないでも観戦できるF1も、また家族経営が成り立っていた会社も、時代や業界の流れと共に変化が求められるのだな、と。
加えて、そこにアメリカのNFLやNBAなどに視点を含めて、それなりのリターンが見込める?と打算を踏んで参入してくる、米国の投資家の考えも分かる気はします。でも個人的には、レース運営に関する放映権などは確かにリターンが出そうな気がするけど、日本からもチーム経営に関わり多くの会社(鈴木亜久里さんの会社やホンダやトヨタ単独とか)が断念している様子をみて、米投資家がお金入れる先が各レーシングチーム、というのは、何かわかりにくい点もあるように感じます。