岸田総裁就任後の市場とは
去る9月29日の自民党総裁選にて、岸田文雄候補が次期自民党総裁として当選し、これから首相へ就任する流れとなる予定。今後の人事によって、岸田新総裁の方向性や政権での中身がわかってくるかと思いますが、少なくとも『変革』や『リベラル』といった河野太郎さんとのイメージより、『伝統』『コンサバ』『現状維持』といった岸田さんへの期待は、現時点では高くない模様。
岸田氏はカリスマ性に乏しく、日本経済はこれまでと同じ低成長が続きそうだ。経済政策と金融政策などで大きな改革を打ち出した安倍晋三氏や小泉純一郎氏、1980年代の中曽根康弘氏らのような前向きな変化は見込めない。日本株への投資は引き続きアンダーパフォーム(売り)と判断する。日本のトップは頻繁に交代するが政策は大きく変わらず、今回も党内で新世代の河野氏よりも岸田氏が選ばれたのは安倍路線を踏襲する動きが政治の刷新より優先されたからだろう。世界の金融市場が期待する変化は起きなかった。
また下記記事にもあるように、新総裁からの『変化』が少ないとみられているからか、注目されているのはポスト黒田(日銀総裁)の人事。また金融政策は変更が見えにくいこともあり、今後は日米金利差や金融政策の方向の違いを背景に、円安が115円程度(足元112円程度)まで進むのでは、と見られている。
ヘッジファンドの担当者からは為替の円安についての興味が目立った。久しく「休火山」状態とみられていたドル・円の通貨ペアに、米国発である金利差拡大による円安進行という新たな状況が起こりつつある。1㌦=115円程度まで円売りポジションを積み上げ、深追いしてみたいとの本音が透けた。...オンライン会議でもミスター・キシダよりミスター・クロダの名が挙がる場面のほうが多かった。円安の方向性は共有されているので、あとは市場のモメンタム(勢い)次第だ。投機筋にしてみれば、理由の後講釈は何とでもなる。いけるところまでいってみたい。ユーロ売買の臨界点近しとみられるタイミングで、ポジションを一気にひっくり返したい、との思いがある。
思い出せば、ポスト黒田人事は去年のポスト安倍市場の投稿でも書いていましたが、そちらへの注目度合いは、これからも高いのでしょう。
岸田総裁への期待値は確かに低そうではありますが、期待値が低い方が、何かしら変革を起こした際の『得点』も高くつくので、時にはアップサイドなサプライズも期待しながら、日経平均はどちらかというと横ばいから下向きのトレンドで行く感じですかね、と個人的には感じております。
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