2200億円がなくなるって?独ワイヤーカード
あまりにも衝撃的な金額?!、と思いきや、日本ではそんなに大きく報道されておらず。確かにこの件について、直接的な影響を大いに受ける人も多くないのかもですが。まず時系列で何が起こったかをおさらい。(日経さん、ありがとうございます!!)
2020年6月18日に、ドイツのフィンテック企業、ワイヤーカードが監査法人EYから19億ユーロの残高が確認できないと通告されたと発表し、資金消失疑惑が表面化。その後、6月19日にマークス・ブラウン最高経営責任者(CEO)が辞任を発表したが、同時に銀行と、融資継続について「建設的な協議」を実行しているとも発表。
2019年にシンガポールからフィリピンの大手2行に移動されたとした資金(19億ユーロ)が、6月21日にフィリピン中銀により、現金が同国の金融システムに入り込んだ事実はないと発表された。6月22日に同社は、銀行の信託口座に資金が存在していなかった可能性が高いとし、2019年通期と20年1~3月の決算を取り下げを発表。
6月25日にはワイヤーカードが、破産手続きに入ったとのこと。6月26日のFTによると、『会計監査を担当していたアーンスト・アンド・ヤング(EY)が預金残高の十分な確認を3年間怠っていたと報じた。。。EYは2016~18年、ワイヤーカードがシンガポール大手のオーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の口座に持つとされた最大10億ユーロ(約1200億円)について、銀行側に直接の確認を取っていなかった。資産の受託者や同社が提供した書類、画面コピーなどで手続きを済ませていたという。』また日経によると『EYはワイヤーカードの不正会計疑惑について「世界の複数の機関が関与した、入念かつ巧妙な詐欺行為だ」との声明を25日に出していた。「最大限の強固な監査手続きでもこの種の不正は見つけられないだろう」と弁明したが、監査プロセスの適正性に今後メスが入るのは避けられない。』
日本との関りだと、ワイヤーカードは2019年4月にソフトバンクグループ(SBG)の関連会社との提携し、発行済み株式の約5.6%分に相当する普通株に転換できる新株予約権付社債(転換社債=CB)をSBGの子会社が約9億ユーロで引き受けることなどで合意していた、そうです。ちなみに日本でお金の多い会社は下記リンクにありますので、別途気になればご確認ください。
これから私が思った感想は、こんな普通な感じです。
①もしワイヤーカードが、EY提出資料として銀行口座の残高のスクショをいじっていたら、日本では、かぼちゃの馬車に関して過剰融資をしていたとされたスルガ銀行の不正融資といかいう次元じゃない、、すね。
②監査法人の仕事量は人数や報酬の割にはかなり多く(少なくとも日本では)、そのような状況に飽き飽き、といったことから、監査法人で少し働いて独立や転職という公認会計士の方も多いわけで。施策を打たない限り、より監査法人での仕事の魅力がなくなりますね。。それは金融当局からの規制的なもので済むのか、それとももっと根本的な話なのか。
③ワイヤーカードの焦げ付いた手数料とかは、どこいったんすか、ところで?なんでワイヤーカードで起きて、他のフィンテック会社(決済とか)では起こってないのだろうか。