こちらもデジタル化へ移行か?
2020年9月に就任された菅新首相の一つの目玉政策は、デジタル化の推進(所謂DX化)、そして既存組織の横串でのデジタル庁の新設、であるようで、ちょっとバズワードみたいになっておりますね。
また偶然にもデジタル化が遅れていることもあり、伝統的な日本の金融企業に対する批判・批評が集まり始めているのも事実かと。
東芝の株主総会を巡り、議決権行使の集計を受託した三井住友信託銀行が適切に事務処理せず、一部の株主の意見が反映されない事態が起きたことが分かった。…同行は上場企業から株主総会の事務処理業務を受託し、議決権行使書の集計などをグループ会社の日本株主データサービス(東京・杉並)に委託していた。…同社は総会が集中する時期に、本来の到着日より1日早く郵便局から行使書を受け取ってきた。期限翌日に届くはずの行使書も期限内に届くが、集計から外していた。…ただ、民法は郵送などでの意思表示について、相手への到着時点で効力が発生すると定める。…不適切な処理は20年間にわたって続いてきた。
ネット上でも議決権行使はできていたが、郵送でもOKとしていた為、その郵送分が反映されなかったことが、『不適切』と同社が認めるそうです。そして例え『不適切』に処理された部分が入っても、結局は東芝車谷CEOの再任には影響なかった、そうですが。(詳細は下記をご確認ください)
この本件報道につき3点ほど。
①将来的に議決権行使をすべてデジタル化(ネットに移行)にすることで、『不適切』な扱いは事務手続上なくなるけど、この件は現状、民法での違反だから、この議決権行使の処理過程において過去に誰か不利益を被った、って訴えたら、その訴訟って成立するのかな?
②スチュワードシップコード浸透を行っていた金融庁からの”お咎め”はないんですかね?これ、スチュワードシップコードの根幹部分に関わることかと。。
③『東芝のモノ言う株主であるシンガポールの投資ファンド、3D・インベストメント・パートナーズの指摘を受けた調査』で本件が判明したそうで。もし国内投資家から指摘されても、たぶんこんなニュースにはならなかったんだろうな、と。
またソフトバンクGが資金回収のために売り出した、通信会社ソフトバンクの株式公開(2020年9月23日完了)は、従前のPO(株式公開)と同じように、多くの証券会社による伝統的なローラー作戦、であり、且つ人気もあまりなかった模様。
主幹事によると、国内の個人からの応募数は、割り当てた株の1倍超どまり。他社のケースや2年前のIPO時の2倍弱に比べても需要が弱かった。…日本の証券界は、個別株を富裕層に販売し、手数料を稼ぐ営業が主流だった。無理な営業への反省から、顧客の資産全体を踏まえた助言や、分散効果の高い投資信託の販売に軸足を移したが、公募・売り出しやIPOとなると、昔ながらの姿に戻ってしまう。
金融業界でのDX化や最適化は着実に進みそうだが、その道筋は先手してプロセス改善などに取り組むよりかは、『問題にぶつかって、その解決策として』という手段に留まりそうな気がする。
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