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お給料の上げ方

このnoteは、僕がふだん考えていることをとりとめなく書いて投稿しています。会社経営、企業文化、プロダクト開発、人文学、人生の悩みまで幅広い話題をお届けします。

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さて、TimeTreeでは社員の評価期間が終わりました。

社員にとっては評価によって新しいお給料が決まる、僕やほか経営陣にとってはみんなを評価してお給料を決める。とても大事な時期ですね。

これまでも社員から「どうしたら私の給料はもっとあがりますか?」と相談されたことがありました。

僕は社員みんなのお給料を上げつづけたいと思ってます。でも無闇に上げ続けるなんてできない。

一体、どうやったらみんなのお給料ってあがるんでしょうか?

実際に10年会社を経営してきて、みんなの昇給を決める立場に立ったからこそわかったことがあるので考えをまとめてみました。

実際問題、お給料ってどうやったらあがるのか

お給料があがる原理がひとつ明確にあります。

それは「会社が成長する」ことです。成長にはいろいろありますが、だれでもすぐに思い浮かぶのは「売り上げ」ですね。

会社がバンバン売り上げをあげて利益を出せば、その利益は基本的に株主や社員、ひいては社会へと還元されていきます。

もっと自分のお給料を上げたかったら、会社の売り上げに集中する。

売り上げ増への貢献が重要。売り上げのためになんでもやる。とにかく頑張ることが正解。

このような言い分は、一見かなり正しそうに見えてきます。

「売り上げ至上」には落とし穴がある

しかし、とにかく売り上げだけを追い求めていれば良い、売り上げのためだけに頑張ると考えるのは危険です。

目先の売り上げだけに集中すると、なにが起こるのか?

たとえばユーザー体験を毀損してまでアプリに広告枠を増やしまくるとか。誇張やウソで商品を売り込むとか。

ひとつの指標「売り上げ」だけに集中してしまうと、往々にしてこんな事態が起きます。

広告枠や押し売りの話は、だれもが間違っていると感覚的にわかっていても簡単に起きてしまうんですよね。長期的には会社の成長になにも寄与しないことはわかっているのに。

ひとつの指標を追い求めるほどに、会社の成長や未来からズレていく

「売り上げ」を例に書きましたが、社員一人ひとりがふだんの仕事で持つ指標は極論、その達成へまっすぐ向かいすぎると、会社の成長や未来とはズレていくと僕は考えています。

理由はふたつ。

先に書いたように、会社成長の要因は複雑でひとつの指標だけを追い求めても達成できないからです。

もうひとつは、会社の大きな目標を個々人の細かい評価指標にまで上手に分解できている組織はないと思うからです。

一見ロジックがつながっているように見えても、どこかでかならず矛盾をはらんでいると思うんです。

個々がひとつの指標を120%達成したとしても、どこかほかの指標でバランスが崩れたり、なにかが毀損されたりする。

個々人が自分の評価指標 "だけ" に一生懸命だと、会社組織の成長や未来からはどんどん遠ざかる結果になっていく。

ここが個人の持つ評価指標と会社の成長の関係が難しいところなんです。

だから結局、どうやったらお給料ってあがるのよ

ずいぶん遠回りして書きましたが、結局お給料ってどうしたらあがるんでしょうか。

いまのところ、僕の解はひとつです。

自分の担う指標(個人ミッション)だけではなく、それを超えた成長指標を視野に入れて仕事をすることです。

よく「活躍するひとは、自分より2つ上の役職の視点を持って仕事をしている」とか言いますよね。

「いろいろ書いて結論それかい!」とツッコミをもらいそうですが……。笑

結局これなんだなーと、僕自身もようやくわかってきた感じです。

個人のミッション(目標や評価指標)と会社の成長の間にある矛盾を受け入れる。自分の持つミッション(目標)を超えた範囲のミッションも視野に入れ、ときには自分のミッションを停滞させたり忘れたりすることも恐れずに思考したり行動すること。

TimeTreeではこういうひとが活躍するし、結果として給料はあがっていくと考えています。

おまけ

じゃあ、どうしたら自分のミッションを超えて広い視野をもち働くことができるのか。

僕は2006年にヤフー(現LINEヤフー)へ企画職で入社します。

当時社長だった井上雅博さんが株主総会のあと、かならず社員向けに同じ内容の説明会を開催してくれていました。

当時の僕は「自分の関わってるプロジェクトの話ぜんぜん出てこないなー」とかボーッと聞いていた(笑)。

ただ、いま思うとあの時間はめちゃくちゃ大事だったとわかります。

普通の会社なら、会社のミッションから各事業部→各チーム→各個人に指標がブレイクダウンされていきます。

しかし先述の通り、完璧な指標の設定はむずかしく、どこかで矛盾や無理が生じてしまう。広い視野を持つためには自分の持つ指標の根拠となる部分を理解することが重要です。

それを知る場が、ヤフー時代なら株主総会のあと開催されていた全社説明会だった。公開されているIR資料だった。

広い視野を獲得するためには、まず会社が公開しているIR資料を読んでみるのがいいと思います。スタートアップで働いているなら、多少無理をいってもいいと思うので、株主向けの資料を見せてもらいましょう。

自分のミッションを超え、会社のミッションも意識しながら動いてくれる社員は、僕ら経営者からすると本当に心強い存在です。

彼らにはいろいろ相談したくなるし頼りたくなる。周りのメンバーもきっとそうでしょう。

自分のミッションを超えたミッションも理解して、仕事の仕方を変えてみる。そうすれば自ずと成果がついてくるのではないでしょうか。

一見あたりまえのことばかり書いてしまいましたが、結構むずかしい。今回はおしまいです!

(18年前の自分にこれを読ませたい)

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