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勝つ法則と負ける法則

物事には勝ち負けがつきものである。

当然、どちらかと言われれば"勝ち"を選びたい。

しかしながら、自然と負ける法則を実践してしまっている方が多いのが現実である。

今回は、大きな括りでのロジックを提案したい。

ビジネス面でも大いに活用頂ければと思う。

国家という大きなスキームでの運用から、ビジネススキームでの運用まで規模は違えど物質的な資源を運用し目的に対して可能な限り最短で手段を施してゆく。

この運用の仕方が明暗を分ける。

では、この運用においてどのようなマインドを保持しているべきなのか。

国家の運用において、勝ち負けがはっきりする事態。

それは戦争である。

日本は先の大戦においてこの運用を誤り、欧米諸国に大敗を喫した。

これにはもちろん数々の因果関係が交錯しているが、一つの考え(用兵上)において決定的にミスを犯していた。

それが戦力の逐次投入である。

対する用兵思想は集中運用。

日本は、戦力を逐次投入していた。

具体的な作戦等に関してはとても果てしない分析になってしまうので割愛するが、いくつかの事例を出す。

日本は対米英戦において緒戦、とても敢闘していた。

これは、帝国陸海軍ともに戦力を集中運用していた結果である。

帝国陸軍における緒戦は、マレー作戦。

これは機甲部隊と航空部隊を一体運用し機動的に侵攻をしてゆく所謂電撃作戦。

当時のドイツ陸軍がこの用兵により破竹の快進撃を欧州で飾っていた。

最先端技術の戦車、航空機を集中的に運用し、敵部隊を各個撃破する。

局地的な勝利を積み重ねてゆき、戦略面における目的(勝利)へとコミットメントしていく。

帝国海軍においても、緒戦では戦力の集中運用がしっかりとなされていた。

その象徴が空母機動部隊である。

この空母機動部隊を世界で初めて実運用したのが帝国海軍。

当時日本が保有していた正規空母は計6隻。

この6隻を一体運用し、敵1方面に対し完勝をする。

これが真珠湾作戦で採った、お手本のような戦力の集中運用である。

その後、空母6隻による機動部隊は、インド洋方面へと作戦方面を移し、太平洋から英国海軍を一掃駆逐した。

もはや、この機動部隊はずば抜けた戦力・練度を有し、世界最強の艦隊であった。

では何故、日本はその後敗退を重ねる結果となってしまったのか。

ここからが、日本の陥った戦力の逐次投入である。

思考の問題へと話を移そう。

少ない戦力で、多大な戦力を有する相手と戦う場合。

当然に少ない戦力をこれ以上削りたくない。

そう思うはずだ。

しかしながら、攻勢に出なければどんどん戦力差が開いてしまう。

要するに、攻めたいけど、戦力は失いたくないという矛盾が生じてくるのである。

このジレンマが戦力の逐次投入へと繋がっていってしまう。

失敗したくないという、自己保身。

攻めなければいけないという、責任感。

このプレッシャーが、戦略目標に対する本質を見誤り。

逐次投入へと流れてしまう。

そもそも多大な相手に対して、戦力を小出しにしていては各個撃破されてしまう。

相手の戦力を削ぐどころか、小さな負けが重なり合い結果的にダブルスコアの大敗を喫す。

この用兵思想が、日本を大敗へと追いやってしまったのである。

世界最強の機動部隊は、緒戦で勝ちを重ねるごとに奢りが生じてしまった。

結果、事実に基づかない希望的観測を生み戦力を切り分けて多方面作戦を企図した。

これが世に勝敗の分かれ道といわれた、ミッドウェイ海戦である。

ミッドウェイ海戦における敗因は他にも沢山の因果関係があるが、正に前述した戦力の分散を行った直後の敗北であった。

陸軍においても、西はビルマから、東はニューギニア、更には支那方面と地球の半分近くに及ぶ広大な戦域に戦力を分散してしまったのである。

当然に戦力で勝る米英に各個撃破されてしまい敗退を重ねることとなる。

戦力の逐次投入、集中運用が如何に結果への因果関係において重要か先の大戦における帝国陸海軍を例に採って説明してきたが。

日本人にとってはそれが最たる例であり、それをしっかりと反省し個人単位においての判断材料にすべきであると考える。

同じ過ちは犯さない、そしてその失敗の事実をもとに現代において最大限活かすこと。

では、個人単位に置き換えた際、何が言えるのか。

次回、ビジネスにおける戦力の集中運用を解説出来ればと思っております。

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